記憶に語りかける歌。MIZが奏でる憩
いの音楽を紐解く
ベトナムの空気感を音でも写真でもミュージックビデオでもパッケージングできたのがよかったですね。全てあっちでレコーディングしたんですけど、地下のスタジオでやることの多いバンドでのレコーディングとは違って、今回は思い切って部屋の明かりの中で窓も開けて録ることに挑戦しました。行ったことない人でも、ベトナムの空気感を楽しめるアルバムになったんじゃないかなと思います。
MIZは元々ライブハウスではなく、美容室や居酒屋等の生活空間で演奏するというコンセプトがあったので、その感じを音源にも落とし込みたいというのが第一の意思としてありました。それであれば自然の音を入れようという発想が第二にきて、それをエンジニアの奥田さんに相談したところ、海外の水の綺麗なところで録ったらいいんじゃなかという話になりました。そこで僕が5年前に旅行に行った、ベトナムが合いそうだなと思ったんですよね。
アコースティックで演奏しようと思ったら、ライブハウスでやることがすべてじゃないよなっていう気持ちがあって、リスニング系の音楽なら、空間が良い場所でやることによってより音楽として活きてくるんですよね。ふたりでやるのなら動きやすいし、最初に作った「パジャマでハイウェイ」と「君に会った日は」の空気感もあって、そういうコンセプトに決まっていきました。
僕と周啓の好きなアーティストにKings of Convenienceがいたので、僕達もアコギを弾くと自然とああいう感じになったかなと思います。僕らには激しいものより、落ち着いた感じがしっくりくるのかな。
そうですね。日本っぽさが出たら良いなって凄く思います。
僕は八丈島出身なので、日本らしさを一番感じるのは湿気ですかね。じめじめとした雨上がりの気候の時に凄く感じます。
僕も同じですね。日本の風土で一番好きなものが湿度で、あの嫌なじめじめとしたところに日本っぽさを感じます。今回レコーディングの場所にベトナムを選んだ理由もそこにあって、同じ頃旅行に行ったタイやカンボジアと比べても、ベトナムが一番じめじめしているイメージだったんですよね。1月に行ったんですけど、ベトナムならその時期でも昼は暖かく夜は涼しく、湿気を帯びる気候だったので曲にマッチするだろうなって思いました。
元々じめじめした音楽が好きで、Thom Yorke(トム・ヨーク)とか暗い感じがドンピシャなんです。MIZではKings of Convinienceに憧れて作っているところもあります。ただ、僕はコピーが上手じゃないので、Kings of Convinienceっぽく作ろうとしてもそうはならなくて、結果的に言語化できない日本っぽさが出てきているんじゃないかなと思います。
おすすめ記事
-
『OKMusic』サービス終了のお知らせ
2024.02.20 11:30
-
音楽ファンの声、エールを募集! music UP's/OKMusic特別企画 『Power To The Music』 【vol.89】公開
2024.02.20 10:00
-
今年でデビュー50周年の THE ALFEEが開催する、 春の全国ツアー神奈川公演の チケット販売がいよいよ開始!
2024.02.13 18:00
-
音楽ファンの声、エールを募集! music UP's/OKMusic特別企画 『Power To The Music』 【vol.88】公開
2024.01.20 10:00
-
宇多田ヒカル、 初のベストアルバム 『SCIENCE FICTION』発売決定& 全国ツアーの詳細を発表
2024.01.15 11:00
人気
-
【連載】 Mrs. GREEN APPLE 大森元貴 『ナニヲなにを。』 - 第1回 『自己紹介を。』 -
2014.12.20 00:00
-
【連載】 Mrs. GREEN APPLE 大森元貴 『ナニヲなにを。』 - 第5回 『新年度を。』 -
2015.04.20 00:00
-
【連載】 Mrs. GREEN APPLE 大森元貴 『ナニヲなにを。』 - 第16回 『巡り合いを。』 -
2016.03.20 00:00
-
Sexy Zone、Kis-My-Ft2 、A.B.C-Zらが興奮&暴走!?『BAD BOYS J』男祭りロングレポ
2013.10.25 17:30
-
【連載】 Mrs. GREEN APPLE 大森元貴 『ナニヲなにを。』 - 第2回 『忘れられていることを。』 -
2015.01.20 00:00