【SUPER BEAVER】


取材:高橋美穂

「シアワセ」は、いつくらいからあった曲ですか?

柳沢

インディーズの時からありました。

渋谷

この曲を踏まえてアルバムって感じがするので、どうしてもアルバムの直前に出したかったんですよ。

上杉

今回、2曲目にアコースティックバージョンも入ってますけど、それで柳が最初に持ってきたファーストインパクトが分かると思います。1曲目のバンドアレンジも必要だったと思うんですけど、ごちゃごちゃしなくても良かったというか。そんな曲は初めてで。俺はベースを弾かなくても、極論歌だけでいいと思えたんですよ。

藤原

より歌と歌詞を聴いてほしい気持ちがあったんで、こういうバージョンも入れようと思ったんです。

曲を作った柳沢さんにおうかがいしたいのですが、この曲が生まれたきっかけって何だったんですか?

柳沢

“シアワセ”って前向きな響きだと思うんですけど、その時の俺は上手くいってなくて、これだと思う曲ができなかったりしてたんですよ。いつの間にか好きなことが、最大の悩みを発症してることに気付いて、苦しくなっちゃって。でも、好きだからこそ考えちゃうのかなって思ったし、その向こう側に音楽で表したかったことがあるのかな、もしかしたらそれが俺の幸せなのかなって思って。そういう、個人的な思いから膨らんでったんですけど、やっぱり生きてる限りは、みんな無意識のうちに幸せでありたいと思う気がするんですよね。近くに幸せな瞬間があっても、まだ何かある気がすると思うんです。そういう、なんとも噛み合わない思いは一生持ち続けていくと思うんですけど、それが自分にとって大事なのかなって。今後も一生歌っていきたい曲だし、この曲で歌いたいことがブレた瞬間に、俺らの今までの曲たちもつながらなくなる気がするくらい、重要な曲になってきてると思いますね。

また、3曲目の上杉さん作詞作曲の「なんとなく」も、“なんとなく”という曖昧な言葉に着目した楽曲ですね。

上杉

うちの近くに代々木公園があるんですけど、そこになんとなく走りに行って、なんとなく感じた公園の木々の香りや、お弁当を食べてる親子の感じとかが良くて。“なんとなく”って気持ちがないように思われるけど、気持ちがなくても体をそこに運べばこんだけいいものがあるじゃんって。その瞬間、“なんとなく”の解釈が変わって、それを歌にしようと思いました。

柳沢さんの歌詞もですけど、上杉さんの歌詞も、何気ないことに着目する場合が多いですよね

上杉

そんなことばっか考えてる奴らなんで(笑)。

そういう意味では次の「へその緒」もですよね。

上杉

考えちゃうんですよね。何で人は愛し合うようになったのかとか。じゃあどっから俺は愛に気付いたんだろうって思って、そういえばへその緒ってあったなって。母親から栄養とか酸素がきて、それも愛じゃないですか。だから、遺伝子レベルでインプットされたんじゃないかなって。

愛がテーマとはいえ、曲はかつてなくへヴィですよね。

上杉

これからいろいろやれるなとも思いましたね。

渋谷

欲深いですよね(笑)。でも、何か求めてたりする方が幸せになりますもんね。

上杉

欲には終わりはないから、幸せにも終わりはない。

柳沢

だから、「シアワセ」を歌い続ける意味があるよね。

SUPER BEAVER

東京出身4人組ロックバンド。メジャーデビューから自主レーベル設立まで様々な経験をしつつも、 [NOiD]に所属してから人気が再熱。2018年4月30日には、日本武道館での単独公演を開催し、即完売で約10,000人を魅了した。同年6月30日には2年ぶりとなるフルアルバム「歓声前夜」をリリースし、過去最高のセールスを記録。ツアーも全公演即日完売。インディーズバンドながら、カンテレ・フジテレビ系10月連続ドラマ「僕らは奇跡でできている」の主題歌に「予感」が抜擢。2019年3月よりバンド初となるホール公演を含む全国ツアーを開催し、全公演ソールドアウトを記録。2019 年11 月には、神戸ワールド記念ホール 2Days と2020 年1 月に国立代々木競技場第一体育館でのワンマン公演も即完売。4月8日にメジャー再契約を表明し、ニューシングル「ハイライト / ひとりで生きていたならば」のリリースを発表。2020 年9 月からはライブハウス、ホールをワンマンで周り、さらに仙台ゼビオアリーナ2Days、大阪城ホール、日本ガイシホールとアリーナ公演も決定。12 月にはツアーファイナルとして横浜アリーナ2Daysを控えている。今最も注目のロックバンド。

アーティスト