【BLUE ENCOUNT】みんな頑張ってるの
は分かってるから、歩いてきた道を肯
定してあげたかった
L→R 辻村勇太(Ba)、高村佳秀(Dr)、田邊駿一(Vo&Gu)、江口雄也(Gu)
今年10月には初の日本武道館公演も決定しているBLUE ENCOUNTが、その日本武道館公演のテーマソングとも言える最新シングル「だいじょうぶ」をリリース。“大丈夫、大丈夫”と聴き手を全肯定してくれるシンプルで力強い楽曲が、無条件で背中を押してくれる。最強の応援ソングの完成です!
取材:フジジュン
現在、全国32カ所を回る対バンツアーの真っ最中ですが、終盤戦の手応えや感想はいかがですか?
高村
各地で対バンが違うこともあって、会場ごとにお客さんの雰囲気も全然違って、そこがすごく面白いんですけど、逆にすごく難しいところだったりしますね。さまざまな面で勉強させられてるし、自分たちを成長させてくれているツアーになってます。
田邊
そうだね。対バンにブチのめされながら、“エモとは何か?”“熱量とは何か?”という原点的なところから、改めて考えさせられてます。でも、結果、そこに答えなんかなくて。自分たちの作り続けてきた音楽を信じて、その時の表情でやるしかないんだろうなと思いましたね。やっぱりいろいろ考えすぎた日のライヴは1曲目でコケちゃったり、絶対上手くいかないんです。だから、今回は新しいことを探すんじゃなくて、自分たちの中に埋まってるものを発掘するツアーだと思ってます。
面白いですね。対バンを通して自分たちを見ているというか。
田邊
そうですね。でも、“これが僕らです”というのは、まだ見つからないほうがいいのかなとも思ってて。対バンツアーのあともワンマンツアー、日本武道館が控えているから、“これが僕らです”という何かが見つかってしまったら、バンドが面白くなくなっちゃうと思うんです。結局、“なんで昨日できたことが、今日はできないんだろう!?”が原動力につながると思うし、そんなのはできなくて当然。4人の感情が渦巻いてるところにお客さんの気持ちも乗っかってる中で、“自分たちとは何か?”を自問自答し続けても、答えなんか簡単に出るわけないんです。でも、その中で新しい光になってくれてるのが、「だいじょうぶ」で。今、自分たちの不安定な部分とひとつの希望というものをつないでくれる大事な曲になってます。
自分たちの作った曲に、自らが救われている?
田邊
はい。この感覚は「もっと光を」振りなんですけど、自分たちが不安定な時期にこの曲をやるようになったら、お客さんを介して自分たちに返ってくる気がして。“ライヴやってて良かったな”と改めて思えるようになったんです。不思議なんですけど、めっちゃ歌が通る曲で、フェスで披露した時にモッシュ&ダイブが起きるかと思ってたら、みんなが拳あげて聴いてくれてて。戸惑いもあったんですけど、それを観た時、“これが俺たちなんだ”と思ったし、“発する曲、発する言葉ひとつひとつがブルエンだと言えるものが作れればいいんだ”と自信になりました。「HANDS」や「もっと光を」に続くしっかり心に届く曲になったのが、すごく嬉しかったです。
ーツアーで初めてこの曲を聴いて、みんなが今、ブルエンに求めていることにバシッとはまったと思いました。
田邊
“だいじょうぶ”という言葉は節々で言ってて、それは自分を鼓舞する言葉だったかもしれないし、場合によっては場をつなぐ言葉だったかもしれない。根拠のない言葉だけど、バンドを続けるにつれて質感を帯びてきたというか、言葉がバンドの年輪に伴ってきたというのがすごくあるんです。今回それを歌にできて、こうして具現化できたのはすごく嬉しいです。というのも、この曲自体は2年くらい前からあって、その時は“だいじょうぶ”というタイトルではなく、“Go Now”という大変ダサいタイトルだったんです(笑)。曲のパワーは当時から感じてて、デビュー曲にしようという話もあったくらいで。なので、今回、日本武道館でみんなで歌えるイメージソングみたいな曲も作りたいなと思った時、“この曲しかない!”と。
まさに“Go Now”だったんですね(笑)。
田邊
そう(笑)。そこで矢となって心に刺さる曲にしたいと思って、一発で突き刺す言葉を考えた時、みんなから“田邊が節々で言ってる言葉がいいんじゃない?”ということで出てきた言葉が“だいじょうぶ”だったんです。“だいじょうぶ”なんて主役になれない言葉だとも思ったんですけど、“脇役を際立たせて主役にすることこそブルエンなんじゃないか?”ってところで、必死で歌詞を書きました。“頑張れよ”の先に行くためには、自分を肯定してあげることから始まるんじゃないかと思ったんです。みんな頑張ってるのは分かってるから、押し付けがましい言葉は一切入れず、今まで歩いてきた道を肯定してあげる曲にしたくて、この歌詞に辿り着きました。
サウンドも4人が一丸となって、一点突破で全員が同じ方向を向いて突き進めていると思います。
辻村
田邊の歌を聴いた瞬間、方向性がはっきりと見えて。どうやって歌を引き立たせるか? どうやってライヴでみんなで歌えるようにするか?…ということだけを考えました。
江口
レコーディングは過去最高に早かったですね。過去最高に寝かせて、過去最高に新鮮なまま届けられた曲です。
田邊
“だいじょうぶ”の言葉で鮮度も上がったよね。
“だいじょうぶ”と言うのも勇気が必要で、ここまで堂々と“だいじょうぶだ”と言ったのは、志村けん以来です(笑)。
田邊
そうですね。昭和の喜劇王から受け継いで…
辻村
喜劇王になりたいの?(笑)
田邊
いやいや(笑)。でもね、志村さんが“志村~!”って呼び捨てにされてから、すごい人気が出たと言っていて、ブルエンって今、その状況なんだよ! “田邊~!”“ワキ~!”“クソメガネ~!”って声がライヴハウスを飛び交っててさ。
辻村
半分悪口じゃん(笑)。ライヴ中、お客さんに“田邊、チャック開いてるよ!”って注意されてたもんね。
江口
それってなかなかの親近感だし、信頼関係だよ(笑)。
あはは。それだけ近い存在だから、“だいじょうぶ”が響くんだよ。日本武道館で“クソメガネ”の声が響く日も楽しみです。
田邊
日本武道館はまだ漠然としてるけど、ステージに立った瞬間に僕らなりの日本武道館が始まるんだろうなと思ってます。いつも通りのライヴを観せて、汗だくになってる姿を笑ってくれても、呼び捨てにしてくれても何でもいいですけど、観終わったあとに何か得るものがあるライヴができたらいいですね。
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