【ライヴレポート】
『ONAKAMA 2023』
2023年2月10日 at 日本武道館
BLUE ENCOUNT、
04 Limited Sazabys、
THE ORAL CIGARETTESによる東京では初開催以来、約7年振りの合同主催イベント『ONAKAMA 2023』が2月10日に日本武道館にて開催された。
■ THE ORAL CIGARETTES ■
2023年2月10日 at 日本武道館/THE ORAL CIGARETTES(Pshoto by ハタサトシ)
この日トップを飾ったのはTHE ORAL CIGARETTES。山中拓也(Vo&Gu)が“全員、手を貸してちょうだい?”と恒例の4本打ちを挟み、「リコリス」でライヴを開始。“思いっきり踊ってくれ!”と焚きつけると、続けて「Shala la」へ。観客は拳を突き上げ、序盤から激しく盛り上がる。“辻村さんが音楽を辞めて、チンピラの方向に行くみたいで(笑)”と、山中が今春渡米するBLUE ENCOUNTの辻村勇太(Ba)をイジる場面も。そして、超アッパー曲「BUG」を投下すると、モンキーダンスで観客を踊らせまくり、その後は「BLACK MEMORY」「Enchant」でさらにぶち上げていく。ここで山中が購入したバナナのパッケージに『田辺農園』とあったとスクリーンで報告し、“こんなとこまで出てくんなよ!(笑)”と言い放ち、会場は笑いに包まれた。後半は「カンタンナコト」「狂乱 Hey Kids!!」と畳みかけ、“残り1曲、ほとんど歌ってもらおうと思う”と告げて「5150」をプレイ。武道館に大合唱の嵐を吹かせ、盛大に幕を閉じた。
- 01. リコリス
- 02. Shala La
- 03. BUG
- 04. BLACK MEMORY
- 05. Enchant
- 06. カンタンナコト
- 07. 狂乱 Hey Kids!!
- 08. 5150
■ 04 Limited Sazabys ■
2023年2月10日 at 日本武道館/04 Limited Sazabys(Pshoto by ヤマダマサヒロ)
ポジティヴな光輝を放つ「Keep going」で鮮やかなスタートダッシュを決めたのは04 Limited Sazabys。続いてポップな歌メロを配した「Kitchen」を披露したあと、雄大なスケールで聴かせる「Now here,Now where」「midnight cruising」とつなぐと、観客もじっくりと聴き入っていた。“辻村、ブルエンを辞めてニューヨークに行くらしい(笑)”とGEN(Vo&Ba)も山中に続いてイジっていた。現在、フォーリミは最新作『Harvest』レコ発ツアー中であることにも触れ、“一番仕上がっている状態”と報告。中盤は2ビートで攻める「message」を筆頭にキレキレの演奏を叩きつけていく。「fiction」を挟むと、「Finder」〜「Galapagos II」と新作の楽曲を立て続けにドロップ。男臭くも自由度の高いロックで武道館を縦に横に揺さぶり続け、“やっと長いトンネルを抜けそうで、反撃の狼煙を上げていきましょう! 新しい景色を見に行く辻村に贈る!”と告げて「Horizon」へ。《始まりの光浴び 旅路を行く》という歌詞を含め、メッセージ性の強い楽曲でエールを送っていた。
- 01. Keep going
- 02. Kitchen
- 03. Now here, No where
- 04. midnight cruising
- 05. message
- 06. fiction
- 07. Finder
- 08. Galapagos Ⅱ
- 09. Horizon
- 10. monolith
- 11. swim
- 12. Remember
■ BLUE ENCOUNT ■
2023年2月10日 at 日本武道館/BLUE ENCOUNT(Pshoto by 浜野カズシ)
『ONAKAMA 2023』の大トリを務めたBLUE ENCOUNTは「1%」でショーをスタート。重厚なコーラスで武道館を温め、「HAPPY ENDING STORY」につなげる。辻村は“ONAKAMA! ONAKAMA!”とコーラスを入れ、観客のテンションを押し上げていく。次の「NEVER ENDING STORY」では観客のシンガロングが響き、会場をひとつに束ねていた。MCタイムに入ると“誰が『田辺農園』や! この日に限って黄色(※イエローカラーのトレーナーを着用)…”と呟いて会場は爆笑。「LIVER」ではタオル回しの光景が広がり、続く「VS」でお祭りムードは急上昇! “まだいけるだろ?”と田邊駿一(Vo&Gu)は煽り、「バッドパラドックス」では辻村によるスラップベースが主張し、また田邊は澄んだ裏声を存分に発揮する。“『ONAKAMA』、またやろうね。俺らにとって大事な場所です!”というMCを経て、「PLACE」を演奏する流れも感動的であった。
2023年2月10日 at 日本武道館 Photo by 浜野カズシ
BLUE ENCOUNTは新しい道を選択するまでに不安もあったようだ。しかし、“遠距離バンド”として変わらず4人で活動することを決定した。最後を「灯せ」で締め括ったあとに“音楽を愛しすぎたゆえに…これからも追求していきたい”と辻村が決意を述べた場面がそれを物語っていた。次回の『ONAKAMA』はいつになるのか分からないが、この3バンドの“成長ぶり”を確認する場所になることは間違いない。辻村の新たな旅立ちを仲間たちで祝福するかたちとなった本公演。ファンにとっても忘れられない一夜になったことだろう。
撮影:ハタサトシ、浜野カズシ、ヤマダマサヒロ/取材:荒金良介
ブルーエンカウント:熊本発、都内在住の4人組バンド。2014年9月にEP『TIMELESS ROOKIE』でメジャーデビュー。15年1月にリリースしたファーストシングル「もっと光を」は、新人ながら全国35局でのパワープレイを獲得した。また16年10月には日本武道館ワンマン公演『LIVER’S 武道館』を大成功に収める。さらに17年1月にはセカンドアルバム『THE END』をリリースし、バンド史上最大規模であり幕張メッセ公演を含む全国ツアー『TOUR2017 break”THE END”』を大盛況のうちに終了させた。19年11月にはシングル「ポラリス」をリリースする。 BLUE ENCOUNT オフィシャルHP
04 Limited Sazabys プロフィール
フォーリミテッドサザビーズ:2008年に名古屋にて結成された4ピースロックバンド。15年に1stフルアルバム『CAVU』をリリースしメジャー進出。16年からは毎年春に地元・愛知県にてバンド主催の野外ロックフェス『YON FES』を開催しており、19年にはさいたまスーパーアリーナで単独公演『YON EXPO』を初開催。23年4月8日(土)&9日(日)に『YON FES 2023』を主催し約2万人を動員。そして、バンド結成15周年を記念し、11月11日(土)&12日(日)に日本武道館ワンマンライブを開催。GEN(Vo&Ba)の少年のようなハイトーンヴォイスから繰り出されるグッドメロディーかつ疾走感あふれる楽曲と、圧倒的なライヴパフォーマンスは観る者の心を掴む。04 Limited Sazabys オフィシャルHP
THE ORAL CIGARETTES プロフィール
ジ・オーラル・シガレッツ:2010年6月結成。精力的なライヴ活動、山中拓也の内面からあふれ出すリリックを緻密に計算されたアレンジで料理した楽曲が話題を呼び、地元の奈良はもちろん関西圏で一気に知名度を上げる。12年、『MASH A&R』オーディションにてグランプリを獲得。13年8月には待望の全国流通盤となるミニアルバム『オレンジの抜け殻、私が生きたアイの証』をリリース、14年7月16日に1stシングル「起死回生STORY」でA-Sketchよりメジャーデビューを果たした。THE ORAL CIGARETTES オフィシャルHP