【BLUE ENCOUNT】ブルエンにしか作れ
ない、10秒で泣けるロックバラード完
成
L→R 江口雄也(Gu)、高村佳秀(Dr)、田邊駿一(Vo&Gu)、辻村勇太(Ba)
今年1月にアルバム『THE END』をリリースし、現在全国ツアー中のBLUE ENCOUNTが、映画『ラストコップ THE MOVIE』の主題歌でもあるシングル「さよなら」を完成。切なくも力強いロックバラードとなった今作について訊く。
取材:フジジュン
シングル「さよなら」をリリースするBLUE ENCOUNTですが、現在はアルバム『THE END』を携えてのツアー中ですね。
辻村
今回のツアーはいろいろと新しいことにも挑戦しているんですが、次はこうしようとか、反省点もしっかり見えていて。ツアーの途中ですが、まだまだ可能性を感じています。挑戦して失敗してを繰り返して、ファイナルに向けていい状態に持っていければいいなと思っています。
江口
単純に久しぶりのワンマンで楽しいし、新曲がたくさん入ったセットリストもすごく新鮮だし。バンドの底力が上がってきてるなというのも、やりながらすごく感じてますね。
高村
僕は曲がどんどん育っているのを実感できるのが、すごく嬉しくて。ファイナルになったらどうなってるんだろう?と思うと、今からすごくワクワクしています。
俺はライヴを観てただ盛り上がるだけじゃなくて、“演奏ヤベェな!”とか、音楽的にもうひと下げしたところで、楽曲も演奏も楽しめるステージができてると思いました。
田邊
2017年はBLUE ENCOUNTの音楽性をしっかり出していきたいです。去年はいろんな場所で世に出る機会があったんですけど、イメージが先行してしまったところがあったので。今年は音楽性も含めて、自分たちのイメージを壊していくってことをしていきたいなと思っています。
ブルエンの音楽的なイメージって、人それぞれで全然違っていて。その多面性をひとつの作品にまとめたのが『THE END』であり、固定概念をぶっ壊したのも『THE END』なんですよね。
辻村
BLUE ENCOUNTって未知数なんですよね。バンドとしてこうなりたいって姿はもちろんあるけど、それをどこから見せていったらいいか?ってところが難しくて。そこは常に考えていかなきゃいけないし、これまでと同じような曲を出すんじゃなくて、常に超えていかなきゃいけないと思ってます。
そこで『THE END』に続く新曲がメロウなバラードソングというのもすごく驚いたし、ブルエンらしいと思いました。『THE END』のあとが「さよなら」ってのもすごいけど(笑)。
江口
“やっぱり解散するんだ”って言われますよね(笑)。
田邊
もう、次のシングルも「GOOD BYE」とか「SO LONG」とか、今年は別ればっかり歌っていこうかな?(笑)
辻村
別れさせバンド? 嫌だなぁ、それ。
“ブルエンを聴くと縁が切れる”とか(笑)。この曲は映画『ラストコップ THE MOVIE』の主題歌ですが、ちゃんと映画館で響く壮大さや胸に染み入るサウンドも想像して、タイアップに寄せられているのがすごくいいなと思っていました。
田邊
まさにそうで、僕の中では毎回良い意味で裏切っていきたいというのもありますし。『ラストコップ』に関わらせていただいたことで「LAST HERO」もたくさんの人に知ってもらえたし、『ラストコップ』の主題歌をまたブルエンがやるってことで“この曲もブルエン!?”って驚いてくれたらいいなと思います。
悩むことなく作れましたか?
田邊
僕は映画が好きで20年くらいずっと観続けていて、映画や音楽を自分なりに理解してるつもりで。僕にとっては奇跡のようなこの依頼に、今までで一番早いくらいのスピードで曲ができたんです。そしたら、プロデューサーさんからも“10秒で泣けました”という感想と“ブルエンが『ラストコップ』のチームで良かったです”と言っていただいて。
お~、素晴らしい。「さよなら」のテーマは作品に寄せて?
田邊
もちろんそれもあるんですけど、ちょうど曲を作ってた年末年始のタイミングで、ずっとお世話になってた事務所のスタッフさんがチームを離れたり、親戚のおばちゃんが亡くなったり、“さよなら”を言う機会が重なったんです。自分の気持ちに整理を付けるために書いた歌詞でもあったりして、“ブルエンって運命を背負ってるな”と思いました。そういう真っ当な流れで言葉たちが出てきたからこそ、“さよなら”の一歩先に進む曲になったのかなって気はします。
辻村
俺も昨年、ずっと支えてくれたおばあちゃんが亡くなったんです。“大切な人を失ったからこそ、忘れちゃいけないことがある”ってことをこの曲から田邊に教えられた気がして。その強さも演奏に出せたと思うんで、やさしさと強さを携えた、他のバンドには出せない音が出せていると思います。
うん。重厚さもあって、ロックバラードなんだよね。
高村
そうです。そこは絶対譲っちゃいけないところで、バラードと言ってもいろいろあるけど、ブルエンらしさはちゃんと残したくて。耳馴染みはいいけど、やさしく包まれるだけの音にはしちゃいけないというのは、みんなで意識しました。
辻村
あと、イントロのメロディーね。あのメロディーがすごい耳に残って、聴いたあとにみんな口笛吹いてたもんね(笑)。
田邊
前からこういうイントロが作りたくて、僕の中でずっと大事にしていたメロディーなんです。それがすごく光りました。
“10秒で泣ける”ってところでも活きましたね。
江口
僕もイントロのメロディーがすごくいいなと思って、それをいかに壮大に膨らますかをテーマにしていたので、フレーズは作りやすかったです。デモの段階であれだけイメージが浮かぶことも珍しかったんですが、田邊に明確な世界観があったから僕らも世界観を共有できたんだと思います。
田邊
イントロ含め、全てのメロディーがちゃんとしてないと、J-POPってところでは戦えないと思うんです。僕らはJ-POPもロックもしっかり聴けてきたいい世代だと思うんで。そんな世代が書ける、バックボーンがしっかりしたバラードになったし、J-POP好きにもロック好きにも響く、いいとこ取りのバラードソングになりました。
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