大泉洋の原点「水曜どうでしょう」

大泉洋の原点「水曜どうでしょう」

水曜以外に見るのもどうでしょう?大
泉洋の原点「水曜どうでしょう」

純朴な青年からダメオヤジ、コメディセンスからシリアス演技までと、いまや日本を代表する俳優のひとり、大泉洋。そんな彼の原点は、北海道ローカルのテレビ番組「水曜どうでしょう」。
低予算でもおもしろいテレビはできる! ということを証明したこの番組、「一生どうでしょうします」と大泉洋も宣言。数年に一度という不定期ではあるものの、現在も絶賛制作・放映中。そんな「水曜どうでしょう」の魅力を、ここであらためて紹介しましょう。

レギュラー出演陣はわずか4人。うち2人
はスタッフ! 手持ちカメラの前で見せ
る素のリアクション。 

出演は“北海道の星”、大泉洋に、企画も手がけた“ミスターどうでしょう”こと鈴井貴之。他は、ナレーションもつとめる藤村忠寿(通称ヒゲ)と、撮影の嬉野雅道(通称うれしー)のディレクター陣というわずか4人がレギュラーメンバー。
初回放映から1年ほどで、旅番組という内容で番組は確立。ひょうひょうとした大泉洋と、ここぞというところでポカをやるミスター。ふたりの過酷な旅の道中に、声だけ出演(ときどき見切れる)ディレクター陣。体力ぎりぎりの旅が多いこともあり、彼らのリアクションは素に近い。
たとえば、“サイコロの目に従って、行き先と交通手段を決めて北海道に帰る”、というご無体な名物企画「サイコロの旅」シリーズ。2日連続で深夜バスで移動するという超過酷な道中、壇ノ浦PAで大泉洋とミスターの悲痛な叫び。「2晩バスはつらい」「テレビでは編集されて乗ってここ写って降りて終わり」「違うんだよぉ」「本番は寝てるときなんだよ」と語るふたりの表情は、ツライけどなぜか笑ってしまう! ファンからは“伝説の壇ノ浦レポート”として記憶に刻まれているのです。

ゲスト出演にTEAM NACSのメンバーたち
! 

大泉洋の大学時代の演劇仲間で、共に劇団を立ち上げたTEAM NACSのメンバー4人。出演頻度の差はあれど、彼ら全員がゲスト出演しています。中でも準レギュラーといっていい活躍ぶりが、安田顕。
同番組制作局のHTBマスコットキャラクター“onちゃん”の着ぐるみを着たスーツアクターとして、なかなか顔出しさせてもらえない中、ふなっしーばりのキレッキレな動きで、場面持ってきます。そのほか、早飲み競争やワカサギ釣り競争、ろくろ回しなど、体を張った不器用なシーンも見どころ。

「前枠」「後枠」もお楽しみ。撮影ロケ
ーションは、いまや札幌の観光スポット

その日の番組の簡単な紹介および締めのコーナーで、大泉洋かミスターがカメラ目線で視聴者に話しかける一方、話しかけていない方が画面後ろの方で物まねをしたり、竹馬で何歩歩けるかといった一発挑戦ものをしたり。
「前枠」「後枠」だけでご飯3杯くらいいけます。ちなみにロケ場所は平岸高台公園。比較的最近のものでは、大泉洋自身が出演していた某時代ドラマをパロってました。「鳥かご、ちーとも売れん!」

レギュラー放送最後のシリーズ。いろい
ろ仕込んでくるベトナム。でも最後は大
号泣。

1996年に始まったこの番組も、2002年でいったん終止符を打ちます。ラスト・ランとして放映されたのが、この「水曜どうでしょうClassicベトナム縦断1800キロ」。ハノイからホーチミンまでの1800キロを、無謀にもカブで縦断するふたり。
映像の多くはカブに乗るふたりの後ろ姿が中心ですが、それでも抜群におもしろい!ふたりの行く手を遮るのは、カブの集団、石、対向車、アヒル、牛、強烈スコール、からの猛暑。もう仕込みじゃないの?! と思うくらい、次から次への難関。「やっぱりやめませんか?」「私は今インパラの心です」と、大泉洋が次々放つトークがすごい。隠れ良キャラは、ベトナム人のニャンさん。「ベトナム、ホーチミン」の歌声が印象的。

番組は続くよどこまでも。

2002年以降も数年に一度、というペースで「水曜どうでしょう」の新作は作られます。ロケーションはマレーシア、西表島、イタリア、スペインを中心としたヨーロッパ数か国、さらには東京~高知、そしてついにアフリカ大陸(ケニア・タンザニア)まで。
安定のバカバカしいトークと過酷な旅の様子がそれでもこんなにおもしろいのは、私たちの誰もが通ってきた道をどこか思い起こさせるからでしょう。学生時代に経験した、友だちとのアホ話。明太子ひと袋に卵はいくつ入ってるか数える! というくだらないことに本気だしてたあの頃。でも、それが完結したときの喜びは本物。笑いの他になつかしい感情まで思い出させるのが、この「水曜どうでしょう」シリーズなのです。
大泉洋の原点「水曜どうでしょう」

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