「デュラララ!!×2 承」大森監督イ
ンタビュー(その3)~顔がないセル
ティが一番カワイイ!?~

 
――なるほど! では、話は変わりますが、すでにストーリーを把握している原作ファンでもビックリできる要素は盛り込まれているのでしょうか?
大森:まずはキャスティングですね。オーディションを重ねて、自信のある布陣になりましたので、注目していただきたいです。赤林海月役の山口勝平さんは、僕の監督デビュー作である「赤ちゃんと僕」で、小学6年生の榎木拓也くんを演じてもらって以来の再会なんです。そんな勝平さんが、今度はヤクザのオヤジを演じるということが、とても新鮮でしたね(笑)。「勝平さんにこんな引き出しがあったんだ!」という驚きを、ファンのみなさんにも伝えられればと思っています。
 
――大森監督は、音響監督も兼任されているんですよね。音響的な注目ポイントはありますか?
大森:キャスティングの妙はもちろん、音楽的な聞きどころとして「実はつながっている」シーンに同じBGMを使ったりしています。「この曲、前にも聞いたことがあるな」って思いだしてくれると嬉しいですね。ここでも“見せられている”のではなく“見ている”という感覚を大事にしたいと思っています。
 
――声優さんたちによるアフレコの様子はいかがでしたか?
大森:みんなが楽しんでキャラクターを演じてくれていることが、ひしひしと伝わってきましたね。狩沢絵理華役の高垣彩陽さんが、しきりに「楽しい!」と言ってくれていたのが、とても印象的でした。
 
この4~5年の間に、みなさん売れっ子になってしまったので、スケジュール調整はなかなか難しいのですが(苦笑)。また、お芝居にも貫禄が付いているので、前作を見なおして当時の演技に近づけるよう、みなさん努力されているようです。もともと感情を控えめにしゃべる杏里や、キャラクターがそのまんま宮野真守さんの正臣などは、まったく問題ありませんでしたね(笑)。
 
――では、「承」で注目すべきキャラクターはいますか?
大森:(六条)千景ですね。前期で言うと門田(京平)の立ち位置で、一番まともな感覚の持ち主です。そのくせ、ただの女好きなんですが(笑)。彼の動向は見逃せません!
 ほかには、ヴァローナにも注目していただきたいです。最初はマシーンのような女性なんですが、徐々に……。原作を読んでくださっているファンの方々には、これでわかっていただけると思いますが、未読の方にはネタバレになってしまうので、このへんにしておきましょう(笑)。
 
――それとは別に、大森監督の個人的なお気に入りキャラクターは?
大森:みんな好きなんですが、描いていて楽しいのは(折原)臨也ですね。あとはセルティ。前作――特に前半――は、セルティをミステリアスに描かなければならないという制約があったのですが、「承」では最初からはっちゃけたセルティを描けるので、とても楽しいですね。ほかにイケメンや美少女はたくさん登場するのに、どういうわけか、顔がないセルティが一番カワイイです(笑)。この点は、成田さんもとても意識された点でしょうから、僕もそれを踏襲させていただいています。
 
 


(C)2014 成田良悟/KADOKAWA アスキー・メディアワークス 刊/池袋ダラーズ

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