エスム、ナンノの「闘う女っぷり」に
感銘を受ける:ドラァグクイーン”エ
スムラルダ連載38
エスムラルダの「勝手にワイドショー!」
連載第38回:エスム、ナンノの「闘う女
っぷり」に感銘を受ける
初代と二代目、二人のスケバン刑事(斉藤由貴と南野陽子)がそろい踏みした、今週月曜日(2月16日)の「ごきげんよう」(フジ)。みなさんはご覧になったかしら?
前回、「アタシは闘う少女モノが好き」と書いたけど、「スケバン刑事」はまさに、ハマリにハマった「闘う少女モノ」の一つ。原作の漫画やドラマのDVDはいまだにちょくちょく読み返したり観返したりしているし、あまりにも好きすぎて、「スケバン刑事ショー」まで作ってしまったほど(ちなみにそのショーは、アタシが一人で初代から四代目=松浦亜弥までのスケバン刑事に扮するという、かなり無理のあるもの)。……と熱く語っても、若い読者のみなさんにはまったくピンとこないと思うけど、とにかくアタシたちの世代(の、特にオカマ)にとって「スケバン刑事」は、青春の一ページであり、とても思い入れのあるドラマなの。しかも今まで、斉藤由貴と南野陽子(以下、ナンノ)が二人で何かに出演する機会はそんなになかったので、アタシのTwitterのタイムラインには「『ごきげんよう』、すげえ!」といった、狂喜乱舞するオカマたちのツイートで埋め尽くされていたわ(てか、平日の昼間にテレビ観られるなんて、みんな仕事してるのかしら……)。
ところで、その回の「ごきげんよう」は、斉藤由貴がひたすらマイペースを貫き、ナンノがチャキチャキと突っ込みを入れたりフォローをしたりするという、絶妙のコンビネーションが面白かったんだけど、一つすごく気になったのが、「最初のお給料はいくらだった?」という質問に、ナンノが「月給3万円」と答えていたこと。しかも、そこから寮費を3万円くらいとられていたらしく、それ、なんてブラック企業……? で、斉藤由貴がまたマイペースに(そして無邪気に)「なんていう事務所?」とか訊いていたんだけど、当然のことながら、ナンノも小堺一機もスルー。
しかし、伏せられるとかえって気になるのが人情というもの。というわけで、アタシいろいろ調べてみたんだけど……。今まで知らなかったけど、ナンノって相当な苦労人であり、相当なやり手でもあるのね。
まず、最初に所属した、そのブラック(?)な事務所に、まったく売り込みのノウハウがなかったため、 自らテレビ局や出版社に営業をかけ、「週刊少年マガジン」のグラビアの仕事、さらには「スケバン刑事」の主役をゲット。その後、事務所から独立したものの、元の事務所がナンノ名義で勝手に不動産投資をした挙句、倒産。数億円の負債をナンノが抱えることに。さらに芸能界での進路に悩んだ時には単身渡米し、ハリウッドのユニバーサルスタジオの裏門で、自分の写真を配布……。
とまあ、これらはあくまでもネットで得た情報。でもアタシ、なんとなく腑に落ちた気がするわ。昔からよく「ナンノは性格が悪い」という噂を聞いたり、「スケバン刑事の後、生意気すぎたためにナンノが一時芸能界を干され、芦屋(兵庫県の高級住宅地)の洋菓子店『アンリシャルパンティエ』でアルバイトをしたことがあるらしい」といった都市伝説(?)を耳にしたりしたものだけど、おそらくナンノの並外れた決断力と行動力、気の強さが、当時は「性格が悪さ」「生意気さ」ととられてしまったんじゃないかしら。そしてアンリシャルパンティエで働いたのも、「干されて仕事がなくて仕方なく」とかじゃなく、きっと本当にやってみたくて、気づいたら面接を受けていたんじゃないかしら(でもたぶん、お店の人は「え? ほんとにうちで働くの……?」ってびっくりしたわよね……)。
そんなわけで、昔から嫌いじゃなかったけど、今さらながらナンノの「男前さ」を知り、あらためて惚れ直しちまったアタシ。今年の頭に、「夫(2011年に結婚した実業家)が借金裁判に負け、自宅に差押え執行官がきたらしい」と報じられたりしていたけど(ナンノって……男運と金運がイマイチ悪いのよね……。でも、そんなところもなんか、いじらしい感じ)、きっとその程度のことは屁でもないはず。ナンノ、これからもアタシ、応援してるよ!
【エスムラルダ:プロフィール】
えすむらるだ…1972年生まれ。94年よりドラァグクイーンとしての活動を開始し、各種イベント、メディア等に出演。2002年、東京都の『ヘブンアーティスト』ライセンスを取得。脚本家・ライターとしても活躍している。
前回、「アタシは闘う少女モノが好き」と書いたけど、「スケバン刑事」はまさに、ハマリにハマった「闘う少女モノ」の一つ。原作の漫画やドラマのDVDはいまだにちょくちょく読み返したり観返したりしているし、あまりにも好きすぎて、「スケバン刑事ショー」まで作ってしまったほど(ちなみにそのショーは、アタシが一人で初代から四代目=松浦亜弥までのスケバン刑事に扮するという、かなり無理のあるもの)。……と熱く語っても、若い読者のみなさんにはまったくピンとこないと思うけど、とにかくアタシたちの世代(の、特にオカマ)にとって「スケバン刑事」は、青春の一ページであり、とても思い入れのあるドラマなの。しかも今まで、斉藤由貴と南野陽子(以下、ナンノ)が二人で何かに出演する機会はそんなになかったので、アタシのTwitterのタイムラインには「『ごきげんよう』、すげえ!」といった、狂喜乱舞するオカマたちのツイートで埋め尽くされていたわ(てか、平日の昼間にテレビ観られるなんて、みんな仕事してるのかしら……)。
ところで、その回の「ごきげんよう」は、斉藤由貴がひたすらマイペースを貫き、ナンノがチャキチャキと突っ込みを入れたりフォローをしたりするという、絶妙のコンビネーションが面白かったんだけど、一つすごく気になったのが、「最初のお給料はいくらだった?」という質問に、ナンノが「月給3万円」と答えていたこと。しかも、そこから寮費を3万円くらいとられていたらしく、それ、なんてブラック企業……? で、斉藤由貴がまたマイペースに(そして無邪気に)「なんていう事務所?」とか訊いていたんだけど、当然のことながら、ナンノも小堺一機もスルー。
しかし、伏せられるとかえって気になるのが人情というもの。というわけで、アタシいろいろ調べてみたんだけど……。今まで知らなかったけど、ナンノって相当な苦労人であり、相当なやり手でもあるのね。
まず、最初に所属した、そのブラック(?)な事務所に、まったく売り込みのノウハウがなかったため、 自らテレビ局や出版社に営業をかけ、「週刊少年マガジン」のグラビアの仕事、さらには「スケバン刑事」の主役をゲット。その後、事務所から独立したものの、元の事務所がナンノ名義で勝手に不動産投資をした挙句、倒産。数億円の負債をナンノが抱えることに。さらに芸能界での進路に悩んだ時には単身渡米し、ハリウッドのユニバーサルスタジオの裏門で、自分の写真を配布……。
とまあ、これらはあくまでもネットで得た情報。でもアタシ、なんとなく腑に落ちた気がするわ。昔からよく「ナンノは性格が悪い」という噂を聞いたり、「スケバン刑事の後、生意気すぎたためにナンノが一時芸能界を干され、芦屋(兵庫県の高級住宅地)の洋菓子店『アンリシャルパンティエ』でアルバイトをしたことがあるらしい」といった都市伝説(?)を耳にしたりしたものだけど、おそらくナンノの並外れた決断力と行動力、気の強さが、当時は「性格が悪さ」「生意気さ」ととられてしまったんじゃないかしら。そしてアンリシャルパンティエで働いたのも、「干されて仕事がなくて仕方なく」とかじゃなく、きっと本当にやってみたくて、気づいたら面接を受けていたんじゃないかしら(でもたぶん、お店の人は「え? ほんとにうちで働くの……?」ってびっくりしたわよね……)。
そんなわけで、昔から嫌いじゃなかったけど、今さらながらナンノの「男前さ」を知り、あらためて惚れ直しちまったアタシ。今年の頭に、「夫(2011年に結婚した実業家)が借金裁判に負け、自宅に差押え執行官がきたらしい」と報じられたりしていたけど(ナンノって……男運と金運がイマイチ悪いのよね……。でも、そんなところもなんか、いじらしい感じ)、きっとその程度のことは屁でもないはず。ナンノ、これからもアタシ、応援してるよ!
【エスムラルダ:プロフィール】
えすむらるだ…1972年生まれ。94年よりドラァグクイーンとしての活動を開始し、各種イベント、メディア等に出演。2002年、東京都の『ヘブンアーティスト』ライセンスを取得。脚本家・ライターとしても活躍している。
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