「サワソニ」主催者SAWAが発見したア
イドル現場が盛り上がる理由

 2015年第一弾となる「サワソニVol.9」が1月16日に原宿ストロボカフェで開催されたが、この日もKOTO、じゅじゅ、おやすみホログラム、ライムベリーと、アイドルの枠に収まりきらない気鋭の4組が集結。それぞれが圧倒的な個性を放ちながら競い合うように熱いステージを繰り広げ、SAWAも晴れ着姿で自らDJとして曲を繋ぎながら全20曲を歌うという離れ業を披露してトリを飾った。

 3月15日に「サワソニVol.10」を開催するSAWA氏に、イベント誕生のエピソードを始め、サワソニの裏側を語ってもらった。――サワソニを始めたキッカケを教えて頂けますか。

SAWA 第1回が2013年の11月6日なんですけど、その日は私の誕生日であり、会場となった代官山LOOPさんの誕生日でもあるんです。LOOPさんから「何かやろうよ」って声をかけられたのがキッカケで、その頃からアイドルの楽曲を手掛けるようになっていたので、楽曲提供したワンリルキスさん、シブヤDOMINIONさん、Especiaさんを集めて、イベント名は「サワソニでいこう!」と(笑)。

――それまでアイドル現場に行ったことはあったんですか。

SAWA そこまでガチの現場はなかったですね。イベントで一緒になるのもNegiccoさんやEspeciaさんなど、アーティスト寄りのアイドルと一緒になることが多かったんです。だから、ものすごいヲタ芸を観たことはなくて(笑)。サワソニもアイドルとアーティストの間を行く方たちをお招きすることが多いんですけど、そのラインが難しくて。あんまりアイドルアイドルしたブッキングにしてしまうと、完全に客層も分かれてしまうんです。――キャスティングからブッキングまで全てご自身でやっているんですよね。どのように出演者を決めているんですか。

SAWA 始めた頃はアイドルに詳しくなかったので候補も少なくて、現場で一緒になったとか、知り合いに共演経験があったとか、自分の周りに声をかけていたんです。最近はTwitterでよく目にする名前とか、巷で話題になっている人などを見つけて、動画などを調べます。あとファンの方から「ぜひ○○を呼んでください」って教えていただくこともあります。――SAWAさん自身、最初からアイドル現場でのライブには馴染めたんですか。

SAWA サワソニに出ていただくようなアイドルとは親和性があったんですけど、小桃音まいさんのイベントに出させて頂いた時に、サワソニに似ているようで全然違ったんです。完全にアイドル寄りだと私の曲は浮くんですよ。その理由を、いろんなアイドル現場を観て研究した結果、BPMが重要だと気付いたんです。アイドルの現場って、それほど知名度のないアイドルでもお客さんは盛り上がることもあって、盛り上がる曲に共通しているのは「BPM160」が多いんですけど、私の曲はBPM130前後が中心だから、お客さんは持て余してしまうんです。それだと「オイ! オイ!」とかMIXも打てないですからね(笑)。まあ私はMIXを討たれるわけではないですが、乗りたい気持ちがあっても、どう乗っていいか分からずに戸惑うんでしょうね。そこに気付いて、どんな現場にも対応するためにもBPM160の曲を作ろうと思ってできた曲が昨年リリースした「RingaRinga」です。

――「RingaRinga」はメロディーもキャッチーですけど、振付も覚えやすくて、サワソニで一緒に踊るお客さんもいますよね。

SAWA 思った以上に「RingaRinga」はアイドルファンの方にも暖かく迎えて頂きました。アイドルの現場を経験するうちに痛感したのは、可愛くないからダメとか、知名度がないからダメとか、人気がないからダメとか、そういうことじゃないんだなと。自分が周りに適応できることが大切だし、メッセージ性を分かりやすく伝えることで、思いをお客さんと直に共有することが一体感に繋がっていくんです。――今後のサワソニの抱負を教えてください。

SAWA これからも才能豊かな新しい人を紹介して、自分自身もアップデートして、いずれは野外フェスを開催したいですね。


〈インタビュー・文/猪口貴裕 写真/山本宏樹〉【イベント情報】
『サワソニVol.10』
日時:3月15日(日)
場所:渋谷Glad
出演:出演:妄想キャリブレーション、むすびズム、じゅじゅ、maison book girl、南波志帆、drop、WHY@DOLL、SAWA

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