L→R mao(Ba)、324(Gu)、赤飯(Vo)、ミト充(Dr)、ぽにきんぐだむ(Gu&Vo)

L→R mao(Ba)、324(Gu)、赤飯(Vo)、ミト充(Dr)、ぽにきんぐだむ(Gu&Vo)

【オメでたい頭でなにより
インタビュー】
面白くて楽しめるものを目標にして
楽曲制作をスタートできた

個人的には5年前くらいにライヴを初めて観た時から“この人たちはいつか天下を取るだろう”とマジで思っているバンド、オメでたい頭でなによりがニューアルバム『オメでたい頭でなにより4』を完成させた。おもちゃ箱をひっくり返したような、ラウドでダンサブルでポップで多幸感に満ちた新作の制作背景を、赤飯(Vo)と324(Gu)にうかがった。

文字どおりゼロからのスタート、
もう一度、一から積み直していく

前作『オメでたい頭でなにより3』(2022年9月発表)はコロナ禍で制作されたことが関係して、焦燥感や苛立ち、反発が楽曲に反映されたアルバムであったと、当時のインタビューでみなさんは語っておられました。そこから2年。コロナも5類へと移行し、日常も戻った2024年に発表される新作『オメでたい頭でなにより4』は、どこかバンドの臨む姿勢がリセットされたかのような、清々しさすら感じるアルバムになったと感じています。メンバー自身はどんなふうにとらてえていますか?

324
本当におっしゃるとおりで、コロナ禍で思うようにライヴができなくなって、前作『オメ3』の制作期間は焦燥感とかめっちゃあったんですけど、昨年の頭くらいから規制も緩和されていったり、4月には『大寿祭』という我々主催のワンマンライヴで声を出したり、大暴れもOKというライヴをまた始めることができたり、わりと初期衝動に近いようなものを再び感じられるようになって。騒いで楽しく、みんなでハッピーになれるようなライヴハウスが戻ってきたので、それがモチベーションになって今作の制作はやっていましたね。なので、原点回帰というか、温故知新というか、ライヴで盛り上がれる楽曲をしっかり作っていこうとか、ライヴをどういう光景にしたいのかっていうところから、面白くて楽しめるものを目標にして楽曲制作をスタートできたので、そこの違いが出ているというのは自分らでも思っています。

赤飯さんは『オメ3』のインタビューでは“敗北感”という言葉を使ってアルバム制作を振り返っていらっしゃいましたが、今作はそれに比べたら精神的には相当に開放された印象はありますよね。

赤飯
おっしゃるとおりです。自分、“敗北感”って言っていましたよね(苦笑)。いやぁ、ひどい精神状態でした。その“敗北感”から今は“やってやるぞ感”がすごくあるので、落ちたことでそれをバネにしてビヨーンとジャンプしているという。高く跳ぶ前には深く沈む必要があるってよく言うじゃないですか。『オメ3』はそんな振りだったのかなと自分ではとらえています。

『オメ4』収録曲の歌詞を見ますと、自らの方向性であったり、ライヴの必要性であったり、自分たちが今やるべきことを問うているものがありますよね。具体的に言うとM1「鼓舞激励」、M7「Move your Heart」がそうだし、M11「花魁ドリルスピン」もそうでしょうか。音楽熱、バンド熱があふれているように思います。

赤飯
おおっ! なるほど。確かにそうかもしれないですね。意識的にアクセルを踏む…ではなくて、気づいたらそうなっていましたね。無理に絞り出すことができないんですよ。それは前作で証明されたとおり、やっぱりその時の心境であったりメンタルであったりは、どうしても表現の中に出ちゃうんです。その中で今回は時を経てまた我々がこういう精神状態に戻ってきていて、“何なら前作を越えていけるような熱量で!”っていう気持ちが自然とあふれたんでしょうね。

あと、先ほど324さんもおっしゃられていましたが、今回はリセット感があって、「Move your Heart」に《ゼロからやり直す俺らルーキー》とあり、「ADVANCE TiME」にも《ゼロから紡ぐSTORY ここから始めるONLY》とあります。一から出直すくらいの感じはちょっと興味深かったです。

324
その辺はぽにき(ぽにきんぐだむの愛称)の歌詞なんですけど、ぽにきはライヴのMCでも“コロナ禍前の景色を取り戻すんじゃなくて、新しい自分たちのライヴハウスのかたちを模索していこう!”と言っていて、ぽにきの中では戻るんじゃなくて新しく作っていこうという姿勢であったり、ゼロから始めるマインドが大いにあるんじゃないかっていうのは、メンバーとして感じています。
赤飯
基本的にぽにきがアツさであったり男気であったりを、一番うちのバンドで担っているんですよね。自分はどっちかって言うと、フロントマンとしてはちょっと女々しいところがあるので、ぽにきの男気についていくような気持ちでやらせてもらっているところはあります。正直言って、コロナ禍で全部積み上げてきたものがゼロになっちゃったのは本当なんですよ。そこまで丁寧に積み上げてきて、“さぁ、飛ぶぞ!”というタイミングで羽根を折られちゃった感じなんで。そういう意味でも、本当に文字どおりゼロからのスタートだし、もう一度、一から全部を積み直していく…そんな気持ちでいます。

『オメ3』のラストは「すばらしい時代」ですが、あそこでひと区切りついたというか、『オメ4』で一から始まる感覚かもしれないですね。

赤飯
そうです。「すばらしい時代」は自分の中での戦後なんで、そのとおりです。

今、『ゴジラ-1.0』という映画が流行ってますが、あれも戦後の話で、なおかつタイトル通り、マイナスからのスタートみたいな内容ですけど、何か今回のオメでたい頭でなにより(以下、オメでた)と符合しますね。

赤飯
戦後ってマイナスではあるんですけども、これより悪いことがなくて、“何がどうなっても、ここからポジティブにしかいかねぇじゃん!”っていうエネルギーに満ちてる瞬間なんですよね。…っていうところで好きなのかもしれないです。そういうとらえ方が。
L→R mao(Ba)、324(Gu)、赤飯(Vo)、ミト充(Dr)、ぽにきんぐだむ(Gu&Vo)
アルバム『オメでたい頭でなにより4』

OKMusic編集部

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