千葉翔也

千葉翔也

【千葉翔也 インタビュー】
ソロデビュー曲には
その時にしかできないことがある

昨日の自分を味方につけて
明日に進みたい

では、まず「Blessing」について聞かせください。

「Blessing」はデモの段階で歌詞に“風”という言葉が入っていたのですが、作詞をする上で“自分にとって風って何だろう?”と考えました。風は目に見えないし、屋内では感じられないけど、外に出ると背中を押してくれたり、頭に血が上っていたら冷ましてくれたりと、いろんな表情を見せてすごく近くにある。そこからさらに連想を進めて、風のように自分の中で近くにあるものは何かと考えたら、“昨日の自分”が一番近いんじゃないかと思いついたんです。歌詞に《24時独りだった》《ため息で身動きの取れない部屋に》といった深夜の描写が出てくるんですけど、深夜ってもう明日だけどまだ明日じゃないし、でも今日はもう終わっているから、ちょうど境目の時間だと思って。明日に進むために昨日の自分を捨てることは簡単だけど、捨てるのではなく、肯定して味方につけて明日に進みたい…そういう自分の考え方をリンクさせて書きました。

歌詞に《スポットライト》《リハーサル》《ステージ》とライヴをイメージさせるワードが出てくるのは、学生時代から音楽に慣れ親しんできた千葉さんらしいと思いました。

ありがとうございます。《もう見ているだけのリハーサル辞めて》は…自分も出る側として焦りや鬱屈した気持ちを抱える時もあって、そういう気持ちを“次への準備だ!”と無理矢理肯定するのもいいけど、それはネガティブすぎると思って“リハーサル”という言葉に置き換えました。“いつまでもリハーサルばかりしていないで、本番を迎えよう”という前向きな気持ちを歌っています。ライヴの最後に歌ったら一番映える曲にしたいと思って作りました。

歌詞に“Blessing”という言葉は入っていませんけど、どうしてこの曲名に?

歌詞からではなく、この曲を聴いたみなさんの中で何かが始まるきっかけになったり、単純に祝福できるものであればいいなと思って、それで“Blessing”とつけました。

海外ではくしゃみをする時に言いますよね。

“God Bless You”って言いますよね。だから、“Bless You”でもいいかなって思ったんですけど、スタッフさんとくしゃみを想像されてしまうかもねと話してやめました(笑)。

曲の最後に台詞っぽく“Blessing”と言うところがカッコ良かったです。

ありがとうございます。レコーディング当日に制作チームが提案してくれて、急遽入れることになったんですよ。ソロデビュー曲になるわけだし、声優としての僕をここに感じてもらえたらいいなと思いました。ショートバージョンのMVが公開された時、そのパートをうまく使ってくださっていて、すごくインパクトのあるものになりました。

MVではギターを弾きながら歌うシーンもありましたね。

はい。MV撮影のために買った私物です。ただ本当に見た目に惹かれて買ったので、ライヴで弾くとしたら、その時は別のギターになっているかもしれません(笑)。

そして、千葉さんが作詞をしたもう1曲の「I’ll be」は♪WOWWOW〜と歌うコーラスパートがあって、ライヴではみんなで盛り上がりそうですね。

ぜひみんなで歌ってほしいですね。このコーラスにはちょっとしたこだわりがあって、最初から大勢で歌うのではなく、曲の後半からどんどん人数が増えていくんです。どの曲もそうですけど、最初から曲として完成しているのではなく、通して聴いて初めて“こういう曲だったんだ!?”と分かるのが良くて。

「I’ll be」は「Blessing」の話に出た“風”みたいに、作詞のモチーフとなったものはありましたか?

モチーフは特になくて、自分が活動を通して伝えたいことを表現しています。ここで書いているのは“今持っている手札を変えなくても、見え方を変えればそれは素敵なものに変わる”ということで。誰もが何にでもなれる可能性を持っていることを、みんなに気づいてほしいと思って書きました。だから、定義するという意味の“define”や“answer”という言葉が出てきます。

本来は“I’ll be there”とか“I’ll be back”など、“I’ll be”のあとに言葉が続くわけですけど、続く言葉を聴いた人それぞれで考えてほしいですね。

それ、めちゃくちゃいいですね(笑)。でも、正直言うと、タイトルはデモの時点でついていたものをそのまま使っているんです。曲を聴いて未来に向かう姿が感じられたので、“I’ll be”をフックに歌詞を広げていったので。

「Hi-Five!」も小野貴光さんの曲ですね。

集めていただいた曲を選んだら、これも小野さんの曲だったという。小野さんは『東京カラーソニック‼』や『アイドルマスター SideM』などで曲を作っていただいていて、本当に愛を込めて作ってくださったと感じます。そもそも曲をオーダーする時に、ライヴで盛り上がれる曲というのがひとつあって、それもあってタイトルの“Hi-Five!”はハイタッチを意味しています。

《「出会えてよかった」 そんな台詞〜》という歌詞がグッときます。

そのDメロの歌詞は僕もお気に入りで、最後に《あふれ出してくる 願い込めて 今》と続くんですけど、その“願い”が何なのかには触れていないところが好きです。きっと聴いてくれる人それぞれの中でいろんな願いがあると思うし、僕自身も自分が出会えて良かったものは何かと考えたら思い浮かぶものがありました。だから、僕も含めたみんなの願いに重ねて、自分のこととして聴いてもらえるなって。シンプルだけど実は深い、純粋に“いい曲”って感じですね。

OKMusic編集部

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