L→R 山﨑浩二朗(Dr)、シンディ(Ba)、はやしゆうき(Fl)、猫田ねたこ(Vo&Key)、だいじろー(Gu&Cho)

L→R 山﨑浩二朗(Dr)、シンディ(Ba)、はやしゆうき(Fl)、猫田ねたこ(Vo&Key)、だいじろー(Gu&Cho)

【JYOCHO インタビュー】
どれだけ音楽的に面白くても
楽曲として良くないと意味がない

抒情性と高度なテクニック、哲学的な歌詞などを巧みに融合させた独創的な音楽性が世界規模で高い評価を得ているJYOCHO。最新作『導き、捧げて e.p』はTVアニメ『真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました 2nd』のEDテーマソング「導き、捧げて」を筆頭に、最新のJYOCHOの魅力を味わえる4曲が収録されている。必聴と言える新作を掘り下げるべく、バンドの中枢を担うだいじろー(Gu&Cho)を直撃した。

希望に向かって
進んでいくことを表現した

新曲の「導き、捧げて」はTVアニメ『真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました 2nd』のEDテーマソングですが、曲調や歌詞の狙いはどのようなものでしたか?

今回の『真の仲間 2nd』は1st Seasonと内容が異なるので、担当させていただいた前期のエンディング曲「みんなおなじ」(2021年11月発表の配信シングル)から印象を変えて、明るめでアップテンポの曲調にしました。歌詞に関しては、注意しながらも基本的に自由に書かせてもらいました。

「導き、捧げて」は牧歌的な温かみや躍動感があって、光を感じさせる曲に仕上がっていますね。

そう受け取ってもらえることを意識して作りました。結構明るめということはありつつ“周りから見て美しくなくてもいいから、自分の祈りや望みの方向を信じて突き進んでいきたい、いってほしい”ということを歌っていて、そういう想いを楽曲と歌詞に込めました。

歌詞だけではなくて、楽曲にも込めるというのはJYOCHOらしいです。「導き、捧げて」は“おっ!”と思うポイントがたくさんありまして。まずリズムが変拍子なのか、そうではないのかちょっと分からなかったりします。

インターパートは変拍子で、サビは複合拍子です。

サビは変拍子ではないんですね。バンドは6/8拍子ですが歌メロは違うリズムで、ちょっとポリリズムっぽくなっていませんか?

そこまで聴いてもらえて嬉しいです。僕はどれだけ音楽的に面白くても、楽曲として良くないと意味がないと思っているんです。なので、まずは楽曲の良さを聴かせられることに重点を置いた上で、そういう細かいことも考えています。この曲は手拍子の兼ね合いでタッタッタッ・タンというリズムがいろんなところに散りばめられていて、それがキックになっていたり、後半のAメロはドラムのリムショットになっていたりするんですね。そういうずらされ方をしているので、それでポリリズムになっているように感じるんです。

おおっ! やりますね。心地良い曲でいながら、実は凝ったことをしているのは最高です。メロディーの良質さも注目で、この曲はメロディーから作られたのでしょうか?

曲を作る時はメロディーから入ることもありますが、今回はアコギの弾き語りみたいな感じから入っていきました。なので、メロディーとコードを同時にかたちにしていった感じで、わりとメロディー重視で作ってはいますね。

美しいメロディーと温かみのあるヴォーカルのマッチングが本当に魅力的です。そして、この曲はアコギの弾き語りが入口だったのでアコギを弾かれているんですね?

楽曲の方向性としてアコギでいこうということは、わりと最初の段階から決めていましたね。アコギから入って、その後エレキギターに変えることはJYOCHOではしばしばありますが、この曲に関してはアニメの世界観を考えた時にアコギ一択だと思ったんです。

煌びやかなアコギの音が世界観を深めていますし、間奏のアコギ2本による立体的なアンサンブルも聴きどころです。

間奏は自分の引出しの中の好きなポイントを持ってきたというか。アコギが鳴ることで旅感があって、それが牧歌的な雰囲気を作ることにもつながると思うんですね。あと、“未来は明るい”というイメージでリフを上がっていくコード進行にして、希望に向かって進んで行くことを表現しました。
L→R 山﨑浩二朗(Dr)、シンディ(Ba)、はやしゆうき(Fl)、猫田ねたこ(Vo&Key)、だいじろー(Gu&Cho)
配信EP『導き、捧げて e.p』

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

新着