ふじを「我儘姫」歌詞の意味を考察!血みどろキュートなわがままソング!

ふじを「我儘姫」歌詞の意味を考察!血みどろキュートなわがままソング!

ふじを「我儘姫」歌詞の意味を考察!
血みどろキュートなわがままソング!

「プロセカ」にも追加された大人気ボカロ曲

TikTokの「踊ってみた動画」やYouTubeの「歌ってみた動画」で話題の、ふじを feat. 初音ミク『我儘姫(読み方:わがままひめ)』。
2021年5月にリリースされた、ふじをのボカロPとしてのデビュー曲です。
キュートでダークなMVも大人気で、2023年5月にはYouTubeのMV再生回数が1000万回を突破しました。
▲ふじを feat. 初音ミク-我儘姫【OFFICIAL MUSIC VIDEO】
さらに『我儘姫』は同年に3周年を迎えた大人気リズムゲーム「プロジェクトセカイ カラフルステージ(通称、プロセカ)」にも追加収録され、その人気が再燃しています。
可愛くて闇深いお姫様を描いた歌詞ににじむのは、キュートと狂気。
今回は、そんな愛らしく狂おしい『我儘姫』の歌詞の意味を考察します。
何もかも許されるプリンセス
まずは前半の歌詞から見ていきましょう。
我儘姫 歌詞 「ふじを feat. 初音ミク」
https://utaten.com/lyric/nm21052501
「らんらんらん〜」と愉快に口ずさみながら登場した「わたし」。
「わん、つー、すりぃ」や「不思議なステップ」などからは、ぎこちなく踊る可愛いお姫様の姿が想像できますね。
ちなみにここの数字がひらがな表記なのは、ふじをがボカロP・すりぃのファンだからなのだそうです。
それはさておき、続く歌詞は「今宵輝くネオンの下で光るわたし」。
このフレーズは人目がある所での姫の姿を表していると考えられます。
2番は「今宵月明かりの下で」と静まり返った真夜中のような雰囲気なので、それまでの活気がある夜をイメージするとよいでしょう。
可愛らしくステップを踏む「わたし」ですが、次の歌詞からはそのわがままっぷりが目立ち始めます。
我儘姫 歌詞 「ふじを feat. 初音ミク」
https://utaten.com/lyric/nm21052501
「かわいいKawaii召使いたち」という表現から、姫には人種や年齢が異なるたくさんの召使いがいることがうかがえますね。
そしてその召使いたちは「あの子はどこに?」と誰かを探している様子です。
2番の歌詞では姫が人を殺める描写があるので、ここでの「あの子」はすでに姫に殺されて行方不明になっているのかもしれません。
そうとも知らず右往左往する召使いですが、一方の姫は「うだうだごろごろだらだらにゃんにゃん」。
「何もしたくない!」と宣言し、召使いたちに過剰な要求をぶつけ始めます。
我儘姫 歌詞 「ふじを feat. 初音ミク」
https://utaten.com/lyric/nm21052501
「“甘い甘い”チョコ」や「“ほくほく”のパン」など、最高の状態の物ばかりを要求する姫。
満足して「うとうとおやすみなさいzzz」と眠りについたことから察するに、姫は少なくとも物質的には不自由のない幸せを享受しているのでしょう。
続くサビでは、そんな姫の心の内が描かれているようです。
我儘姫 歌詞 「ふじを feat. 初音ミク」
https://utaten.com/lyric/nm21052501
「誰も逆らわないで ワタシかわいそうでしょ?」には、十分満たされているのに同情を誘おうとする強烈なわがままっぷりが感じられます。
ただ、姫が満たされているのは物質的な側面なので、孤独感や空虚感などの精神面において「かわいそう」なのは間違いではなさそうです。
そんな心の穴を埋めるためにも、きっと姫は欲しい物すべてを要求するのでしょうね。
そしてそれを正当化できるほど可愛い「私」は、どんなわがままも許される孤高のプリンセスなのです。
狂気!一番可愛い血みどろの姫
続いて、後半の歌詞を見ていきましょう。
我儘姫 歌詞 「ふじを feat. 初音ミク」
https://utaten.com/lyric/nm21052501
1番は「わん、つー、すりぃ」のステップでしたが、2番はカウントダウンで始まります。
ダンスの「Beat」は怪しげな「鼓動」へ、「輝くネオン」は「月明かり」へと変化しました。
皆が寝静まった夜、血に飢えた姫が「誰を◯る?」と動き出します。
度が過ぎた「我儘姫」の暴虐の始まりです。
我儘姫 歌詞 「ふじを feat. 初音ミク」
https://utaten.com/lyric/nm21052501
ギロチン、銃殺、火あぶり、切腹。
残酷な殺害方法が列挙されていますね。
「お好きなオプションで」と、まるでゲームでもしているかのような姫の態度には、いっそうの残虐性が感じられます。
もはや無敵状態の姫ですが、「つ、ま、ら、な、い」から察するに、ついには惨殺にさえ飽きてしまった様子です。
続く歌詞では、姫の要求がさらにエスカレートします。
我儘姫 歌詞 「ふじを feat. 初音ミク」
https://utaten.com/lyric/nm21052501
チョコやパンを求めていた姫はどこへやら、MVにモザイクがかかるほどのグロテスクな物が要求されています。
人を食べて取り込もうとしているとすれば、ただ残虐なだけでなく、姫は「若さを永遠にしたい」と考えているのかもしれません。
いずれにせよ姫の残忍なわがままは止まることを知らず、次の歌詞でも狂気の描写は続きます。
我儘姫 歌詞 「ふじを feat. 初音ミク」
https://utaten.com/lyric/nm21052501
どうやら姫は、殺して食べることにも満足できなくなった様子。
「歪んだFaceもっと見せて?」という言葉からは、殺す相手がもだえ苦しむ姿を楽しもうとする姿勢が伝わってきます。
それでも「まだまだ足りないわ」と軽快なノリで話すさまは、残虐の極みです。
狂気の描写が続く2番。
しかし次の歌詞では「我儘姫」の本音が吐露されます。
我儘姫 歌詞 「ふじを feat. 初音ミク」
https://utaten.com/lyric/nm21052501
身を切るような「孤独」に涙し、眠れぬ夜に秒針を眺める日々。
姫はそんな毎日を過ごしてきたようですね。
「私が1番可愛い」と思っているのに王子様が現れないのは、姫にとっては相当な異常事態だったのでしょう。
そんな事態を容認できず、姫は今日も明日もわがままを言い続け、わがままな自分を愛してくれる殿方を待ちます。
最後の歌詞はこちら。
我儘姫 歌詞 「ふじを feat. 初音ミク」
https://utaten.com/lyric/nm21052501
残虐行為に明け暮れる自分を「怖がらないで」と要求するのは、それこそ無理な「わがまま」ですね。
欲しい物を何でも手に入れ、人を殺し、その血をすする「我儘姫」。
1番ではまだ可愛げがあった他のフレーズも、もはや「人の生き血をくれ」や「誰を◯っても許される」のような意味合いに聴こえてきます。
そして最後のフレーズは「やっぱ私が1番可愛いんだから♥」。
開き直ったような「可愛い」宣言は、自分の「かわいそう」を引き立てる武器であり、すべてのわがままを正当化する魔法であるかのようです。
この「我儘姫」が本当に誰よりも可愛いとすれば、それはきっと自分より可愛い女性を食い尽くしてしまったからなのでしょう。
誰かに甘えたい「我儘姫」の孤独
今回は、ふじを feat. 初音ミク『我儘姫』の歌詞の意味を考察しました。
曲の前半と後半でキュートと狂気の落差が激しい歌詞でしたね。
わがままで残忍な描写も目立ちましたが、姫を身勝手たらしめているのは強い「孤独感」でした。
寂しくて誰かに甘えたいと考えるのは珍しいことではありません。
『我儘姫』が大流行したのは、可愛さと狂気のギャップはもちろん、誰もが共感できる寂しさが根底にあるからなのかもしれませんね。
とはいえ残虐行為は純然たる悪行なので、「我儘姫」を反面教師に、私たちはわがままもほどほどにして愛すべき人を見つけましょう。

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