ライブ・スペクタクル『NARUTO-ナル
ト-』~忍の生きる道~オフィシャル
稽古レポートが公開 中尾暢樹、佐藤
流司らが最後の最後までさらなる進化
を目指す
※稽古レポートにはネタバレ要素が含まれるのでご注意ください。
この日は、うずまきナルト率いる忍連合軍のもとに歴代の火影とうちはサスケ・大蛇丸が駆け付け、うちはマダラ・うちはオビトと戦うシーンの稽古が行われるとあって、稽古場には多くのキャストが集まっていた。
この日本を代表する漫画を舞台化したライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」シリーズでは、単行本で全72巻にも及ぶ原作の物語を、初演(少年編)、「暁の調べ」、「うずまきナルト物語」、「忍界大戦、開戦」と分割して2015年から上演してきた。
今作「忍の生きる道」はその最終章、これまでの争いの全てが決着する完結編である。
(c)岸本斉史 スコット/集英社 (c)ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」製作委員会 2023
ッフのディスカッションが繰り返される。
およそ3時間という上演時間の中で、原作の単行本で64~72巻にあたる物語の全てを描き切ることは不可能だ。舞台で上演するにあたってどの要素をピックアップし、どのように見せるか、稽古が始まってからも脚本には日々調整が加えられ、より良い表現の追求が続く。
“ライブ・スペクタクル”と冠される通り、舞台『NARUTO』では芝居やアクションの他に、忍術を表現するための様々なギミックや、映像技術、ビジュアルポイ等の道具を用い、更には歌や踊りも盛り込んで原作の世界を再現している。
稽古の中には、それらの要素を舞台上で実現するため必要な“検証”という作業もある。決められた音楽の拍数の中で移動が可能か、高さのある舞台セット上での戦いに危険がないか、加えて、映像とキャストの動きを合わせるための、ミリ単位、秒単位での緻密な調整も必要となる。検証と調整を繰り返し、徐々にシーンが作り上げられていく。一つのシーンが完成するまでに、気が遠くなるほどの細かい確認が行われるのだ。
(c)岸本斉史 スコット/集英社 (c)ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」製作委員会 2023
うずまきナルト役の中尾暢樹は2021年上演の「うずまきナルト物語」からの参加だが、2015年の初演からうちはサスケ役を演じる佐藤流司や、春野サクラ役の伊藤優衣、はたけカカシ役の君沢ユウキら、長く出演するキャストとも既に気心の知れた仲。中尾と同じく「うずまきナルト物語」から加わった波風ミナト役の北園 涼や、うちはオビト役の伊勢大貴も頼もしさを見せる。また、2019年の「暁の調べ」以来の出演となる大蛇丸役の悠未ひろの存在感や、昨年からうちはマダラ役として出演し強さを見せつける中村誠治郎、そして、完結編にして初出演となる“初代火影”千手柱間役の姜 暢雄ら、ベテラン勢もしっかりとカンパニーを支えている。キャストが“劇団NARUTO“と称するこのカンパニーでは、年齢や出演歴に関わらず、全員で助け合って作品を創り上げようという意識が強い。それはまるで、ナルトと仲間たちを結ぶ強い信頼関係のようだ。
稽古はスムーズに進むことばかりではなく、変更・調整の繰り返しなのだが、キャスト・スタッフが作品をより良くするために互いに提案し、頭を寄せ合う様子を何度も目の当たりにして、改めて本作に懸けるカンパニーの想いを強く感じ、胸が熱くなった。
かつての仲間、師弟、親子が再び出会い、長く続いた争いに決着を付け、絆を取り戻していく今作の物語。
『NARUTO』の面白さは、「忍者の少年が戦いながら夢に向かって成長していく物語」ということに留まらず、今この時代に生きる我々にも通ずる、人と人との繋がりを深く描いた部分にあると思う。
「忍び耐える者に一番大切なもの、それは才能じゃない、大切なのは諦めないこと。」
仲間を信じ、お互いに想いを託してきたライブ・スペクタクル『NARUTO-ナルト-』の集大成であるこの完結編が、どのように舞台上に描き出されるのか。全ての要素が完全に組み合わさり、映像や照明、様々な舞台効果が加わった時、劇場という空間に放たれる計り知れないエネルギーを想像すると身震いがするほどだ。
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