ゆいにしお『mid-20s的生活』

ゆいにしお『mid-20s的生活』

ゆいにしおの
『mid-20s的生活』
- #1 mid-20sと結婚事情 -

1997年生まれのmid-20s・シンガーソングライターのゆいにしおが、mid-20sあるあるな生活や恋愛模様を本人のイラストとともにご紹介。「mid-20s(ミッドトゥエンティーズ)」とは、20代中盤の世代のこと。あっというまに去っていった20代前半を惜しみつつも、mid-20s以降の生活に向かってたくましく生きるエッセイをお届けします。

ストッキングを脱ぎ散らかして、髪もそのままにソファーに横たわる。美味しいご飯と幸せムードにあおられて、少し飲みすぎちゃったみたい。
連写しまくった写真をLINEのアルバムにまとめながら、700mlの水をがぶ飲みする。

今日は友人の結婚式だった。
我々mid-20sの恒例イベントといえば、友達の結婚式である。みんなタイミングを示し合わせてたのではと思うほど、ポンポンと結婚していった。驚くほどに。
毎日が「結婚するって本当ですか」状態である。

友達の結婚式に行った帰り道や寝る前は、自分だったらどんな結婚式にしたいかというイメージが、ぐるぐる頭の中を駆け巡る。
やっぱりご飯は美味しいものがいいとか、乾杯の挨拶は絶対あの人にやってもらいたいとか、このタイミングでこの曲を流してほしいとか。(余談だが私はnever young beachの「明るい未来」で登場したい。)

だけど、詳細な段取りやヘアメイク、ドレスに至るまですべてが理想の結婚式を思い描けるのに、肝心な新郎の顔だけが1ミリも思い浮かばない。
挙げ句の果てに我々は「普通の人でいい」とかなんとか抜かしだす始末。
「普通の人」を探し、さらに結ばれるのは大変なことである。なぜなら「普通の人」というのは存在しないからだ。

考えれば考えるほど、「結婚とはなにか」のアマゾンの奥地から帰って来られなくなるばかり。

お母さんは、「こういう(結婚して子供を授かる)人生は良かった」と言っていた。もうすぐお母さんが結婚した年齢に近付いている。
今のところ、お母さんが選ばなかった方の道をのしのし歩いている。
一旦今は、独身のmid-20sを謳歌するとしたい。

この記事が公開される頃には26歳を迎え、20代後半がスタートする。
mid-20s的にはお姉さん的立ち位置となりますが、どうぞよろしくお願いします。
ゆいにしお プロフィール

ユイニシオ:透明感の中にも深みのある声と、心地良いメロディーが持ち味のシンガーソングライター。2016年から愛知県にて弾き語りで活動をスタート。18年に開催された日本コロムビア主催『半熟オーディション supported by Eggs』でグランプリを獲得。2021年10月にTVアニメ『真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました』のオープニングテーマに「息を吸う ここで吸う 生きてく」が起用された。22年10月にメジャー1stフルアルバム『tasty city』をリリースした。ゆいにしお オフィシャルHP

OKMusic編集部

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