【七海ひろき インタビュー】
初めてのCDシングルは
特別な時まで取っておいた
2019年のデビューから4年。ついに到着した七海ひろき初のCDシングル「It’s My Soul」は、自身も声優として出演するTVアニメ『Helck』の第1クール オープニングテーマという初のアニメタイアップ作でもある。その曲名が表すとおり、熱く魂を燃やすようなロックチューンには、MVも含めて新たな挑戦が満載。テレビドラマに舞台と、役者としても幅広く活躍する七海ひろきの唯一無二の存在感が光っている。
好きな作品のオープニングを
歌えて夢のように嬉しい
デビューから4年になりますが、今回が初めてのCDシングルなんですよね。
そうなんです。今まではライヴツアーを意識して、まずは持ち曲を増やそうと、アルバムを中心に制作していたんです。おかげで“シングルを出す”というのは自分の中で特別なものになっていたので、何か特別なきっかけがある時まで取っておこうという気持ちがあったんです。今回、アニメのタイアップという大きなきっかけがいただけて、満を持してシングルのリリースができることになったので、喜びもひとしおです。
しかも、アニメとのタイアップ自体も初めてだとか。
アニメは小さい頃から好きで、いろいろなアニメのオープニング曲を今でもカラオケで歌っていますから、私にとってアニメのオープニング曲は特別なものなんです。『Helck』はもともと作品自体が好きで原作を読んでいたので、より嬉しさが倍増したというか。自分がアニメのオープニングを、しかも好きな作品で歌わせていただけるのは、本当に夢のように嬉しいです。
具体的に『Helck』のどんなところがお好きなんでしょう?
この作品って最初は少しギャグっぽく始まりながらも、どんどんキャラクターの関係性やストーリーが複雑に絡み合って、シリアスな展開になっていくんです。そのバランスが私はすごく面白いと思っています。主人公である人間のヘルクが“人間を滅ぼそう”と言っているのはなぜなのか、魔族と人間の関係性など気になる要素が満載ですし、白熱したバトルシーンも多くて、息もつかせぬ展開になっているのが私の好きなところです。
そのオープニングを飾る「It’s My Soul」は、まさに息もつかせぬ作品に相応しい熱のあるロックチューンに仕上がっていますよね。
『Helck』の世界観に合っていて、私自身がイメージしていた“ロック調で個性のある楽曲”というオーダーをして作っていただいたら、あまりにもぴったりの楽曲があがってきて! 壮大な前奏から少し不穏でミステリアスなシーンが目に浮かぶし、魔界と人間界の対立を描いたファンタジックな世界観が見事に表現されていて、“なんでこんなにぴったりなんだろう?”と驚きました。そしたら作ってくださった本田正樹さんご自身が、もともと『Helck』のファンだったそうで、“だからこんなにもイメージどおりの曲なんだ!”って感動しました。
ちなみにレコーディングでは作品に登場するキャラクターの目線で歌われたのか、もしくは『Helck』という作品の全体的な世界観を意識されたのか、どちらだったのでしょう?
後者です。1番で物語が始まり、2番では戦いや葛藤する気持ちを表現したいと考え、最後はどんどん物語が盛り上がっていくようなイメージで歌いました。とにかく『Helck』の世界観自体を表現したかったので、レコーディングの前夜には原作を読み直してから挑みました
しかも、七海さんご自身がエディル役としてアフレコに参加されていますから、より世界観を理解した上でレコーディングに臨めたはずですよね。
そうですね。それぞれのキャラクターを演じてらっしゃるみなさんがどういうお芝居をされているのか…特に主人公のヘルクを演じられている小西克幸さんが表現されている力強さ、大きさというものをアフレコで感じた上で歌えたのは、とても良かったと思います。
そう言えば、4月の「林檎の花」に5月の「FATE」と、直近にリリースされたデジタルシングルも2曲ともロックでしたが、もしや七海さん的に最近はロックブームだったりするんでしょうか?
ロック調の曲を歌いたいと意識しています。というのも、最初の『GALAXY』(2019年8月発表のアルバム)や、チャレンジをコンセプトに作った『FIVE STAR』(2021年7月発表のミニアルバム)を経て、ロック調が自分自身に合っていると感じたんです。ただ、毎回ソウルフルな楽曲にしたいと思っているので、レコーディングで歌い終わったあとは…かなり疲れました。“歌いきった!”という達成感と、いい感じの疲労感を得ました(笑)。
おかげで歌唱からもギリギリ感が伝わって、作品世界を表現した歌詞とうまくハマっていると感じました。
本当にレコーディングも白熱したというか、かなり力の入ったものになりました。曲を作ってくださった本田さんと、もっと情熱的にしたほうがいいかもとか、ロック曲だから言葉を立てたほうがいいんじゃないかとか、かなりこだわって試行錯誤しながら作っていきましたね。