L→R HIDEKiSM、Takassy、Kamus

L→R HIDEKiSM、Takassy、Kamus

【ENVii GABRIELLA インタビュー】
“エンガブは
こういう音楽をやっている”
というベーシックとなる作品

3人組オネエユニットの“エンガブ”ことENVii GABRIELLAから待望のメジャー1stフルアルバム『ENGABASIC』が到着! さまざまな時代のエッセンスを取り込み、圧巻のヴォーカルとスキルフルなラップを最新のビートに乗せて聴かせてくれる。そんな同作の楽曲にまつわる話や夏に行なわれる6大都市ツアー『ENVii GABRIELLA TOUR 2023 ENGABASIC』について語ってもらった。

まるで文化祭のよう
スペシャルなMV

メジャー1stフルアルバムですが、どんなイメージで制作しましたか?

Takassy
これまでシングルなどいろいろリリースしてきましたが、フルアルバムをリリースするのが初めてなので、改めて初心に返ろうという気持ちがありました。“エンガブはこういう音楽をやっている”というベーシックとなる作品になったらいいなということで、タイトルに“ENGABASIC”とつけて。新曲を6曲収録しているのですが、先行シングルをたくさん収録することが決まっていたので、それとサウンドや歌詞のテーマが被らないようにバランスを考えて制作しました。

個人的には「90's」がグッときました。90年代にヒットした曲のタイトルが歌詞に入っていたり、当時を象徴するようなことも盛り込められていて。昨今の90年代リバイバルもあって、世代によって懐かしくもあり新鮮さもある曲だと思いました。

Takassy
私たちが音楽に触れ始めたのが90年代後半で、CD屋さんやレンタル屋さんに行っていろんな音楽を吸収していた90年代は我々にとっての青春時代です。当時はインターネットはおろかサブクスやYouTubeもなかったので、お小遣いをはたいて買ったCDは死ぬほど聴き込んだし、一曲に対する情熱が半端じゃないから未だに歌詞カードを見ないで歌えるし。90年代の音楽にはそういった思い入れがたくさんあるので、それを歌詞に詰め込みました。
Kamus
当時は音楽番組がたくさんあって、それを観て“こういう曲がヒットしているんだ!”とかの情報を吸収していて。レンタル屋さんで借りたCDをMDに録音して、自転車に乗りながら聴いていたことを思い出します。
HIDEKiSM
私は高校時代ギャルだったので、「SWEET 19 BLUES」(安室奈美恵)の《maybe STRAY CATS 路地裏の....》じゃないけど、街を徘徊していたなって(笑)。ルーズソックスとか、当時流行ったブランドが今再燃しているのも超胸アツだし、それを考えると音楽やファッションも時代が回るわけで、このタイトルでこの曲を出すなら今しかないなって。

曲調がミディアムでノスタルジックな気持ちになるのもいいですね。

Takassy
あえてアップテンポではなく、私のルーツであるR&Bをベースにしたトラックで、今で言うところの“チルソング”のようなイメージで作りました。聴いた人が昔を思い出しながら“明日頑張ろうかな”と思ってもらえる曲になったらと思いました。

《携帯と希望はバリ3》という歌詞もいいですね。そう言えば、当時はアンテナで髪をなでると電波が入るようになるという都市伝説もありました。

HIDEKiSM
あった~!
Takassy
それで言うと、アンテナを口に咥えて指をクルクル回すと電波が入ると聞いて、ずっとやっていました(笑)。

サビの歌詞は「However」とか「夜空ノムコウ」などの90年代の曲名のみでできていますが、そこは何を入れるかは3人で相談して?

HIDEKiSM
歌詞は基本的にTakassyが全部書いているんですけど、この歌詞ができた時は内容のチェックじゃないけど、“どういう曲名が入っているか当てるゲーム”みたいなことをやりました。
Takassy
全部90年代で、1曲もアーティストがかぶらないように書きました。名曲揃いなので、90年代を知らない若い世代の方は調べて聴いてもらえたらいいなって。私は懐かしい思い出に浸りながら、ほろ酔いで歌っているようなイメージでしたけど(笑)。あと、振り付けをしてくださった方には“TLCっぽい感じにしてください”とお願いしたので、ぜひライヴパフォーマンスにも注目してほしいです。

リード曲の「オワッテンネ」はすごく耳に残って癖になります。ジェンダー問題についてユーモアたっぷりに言及もされていて。

Takassy
私たちはトランスジェンダーやLGBTQ問題の当事者ではあるのですが、なるべく自分たちのYouTubeチャンネルでは取り上げないようにしていて。と言うのも、誤解を生んでしまったり、知らない間に誰かを傷つけてしまう可能性があるからで。ただ、もしもやるとしたらエンターテインメントとしてやるというのが私たちのスタンス。結構ギリギリのことまで書いていますが、最終的に言いたいのは“人を傷つけるようなことは言うべきじゃないよね”っていうこと。“そんなのは子供の頃に親から習ったでしょ!”って。“それを言ったら傷つく人がいるって分かっているのに何で言うの?”っていう人、いるじゃないですか。そういう人たちに対することも含めて、“思いやりを持ちましょうね”という曲です。

MVは人気ドラァグ・クイーンのドリアン・ロロブリジーダさん、“宅トレ”クリエイターの竹脇まりなさん、美容系クリエイターのマリリンさんなど、さまざまな人気ユーチューバーが登場していて話題になっていますね。

Kamus
“人が集まる”ということがだんだん戻ってきた感覚で、かかわる人間の数が増えたのは感慨深かったです。仲が良い人やダンサーさん、カメラマンさん含め、大所帯で撮影できたことが嬉しかった。
HIDEKiSM
撮影は一日がかりだったのですが、すごく楽しくて、とてもスペシャルな一日になりました。私たちがやっているYouTubeチャンネルでコラボしたことのあるユーチューバーやインフルエンサーたちにご協力いただいたのですが、いつもは私たちとどなたか一組というかたちでコラボさせていただいているので、全員が一堂に会するなんて初めてのことで。もう文化祭のような楽しさでした! 曲の中で“キョンシーダンス”と呼ばれる簡単な振り付けがあって、もともとはそこだけをみんなに踊ってもらう予定だったのですが、当日になって私たちがサビを全部踊ってほしいと提案したら、みなさん“え~!”って言いながらも必死にその場で覚えてくださって。全員で踊っているラスサビはぜひ観てほしいですね。
L→R HIDEKiSM、Takassy、Kamus
HIDEKiSM
Takassy
Kamus
アルバム『ENGABASIC』【KING e-shop限定豪華盤】(CD+Blu-ray+PHOTO BOOK(20P))
アルバム『ENGABASIC』【通常盤】(CD+Blu-ray)

OKMusic編集部

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