MOROHAアフロ『逢いたい、相対。』ビ
ッケブランカのロジカルな思考、計り
知れない肯定力の根源、そしてMOROH
Aの音楽性を紐解く

MOROHAアフロの『逢いたい、相対。』第三十八回目のゲストはビッケブランカ。以前から交流の深い両者。同い年でお互いに心を許す友であり、お互いの才能を認め合う同士として話は親密に展開していく。中でも興味深かったのは「30歳近くでメジャーデビューを果たしたことに対する考え」「ビッケブランカのロジカルな思考と、計り知れない肯定力の根源」「MOROHAの音楽性を紐解く話」。そして6月20日(火)に開催される、MOROHA自主企画『怒涛』第二十二回に向けての構想など……たっぷりと対談の様子を紹介していく。
MOROHAアフロの『逢いたい、相対。』
メジャーデビューできなかったのは、自分の性格が原因だった
アフロ:今日は忙しい中、対談を受けてくれてありがとね。
ビッケブランカ:こちらこそ。でも、確かに最近は忙しいね。もはやメジャーデビューしてから、ここ6年間はずっと忙しいかも。
アフロ:俺たち今年36の年じゃん。6年ということは、30歳までまあまあ暇だった?
ビッケブランカ:まあまあというより、めちゃくちゃ暇だったよ。
アフロ:そう思うとさ、忙しいことはマジでありがたいよね。
ビッケブランカ:本当にありがたいよ。
アフロ:我々の仕事は、暇な時間が一番の恐怖じゃん? そんな中、心が折れずにいたのすごいよね。
ビッケブランカ:それは「明日食べるご飯がなかったらどうしよう」の怖さであって、「音楽でやっていけるのか?」の怖さではなかったんだよね。
アフロ:自分が作る音楽に、絶対の自信があったから?
ビッケブランカ:うん、そうだね。
アフロ:俺は楽器を弾けないから音楽的なところは、正直あまり語れない。ただ、ビッケブランカの何がすごいかって、30歳まで心折れずにいたことで。その強靭なメンタルはどこで培ったの?
ビッケブランカ:音楽しか選択肢がないんだよ。子供の頃からオカンに「あんたは天才だ、天才だ」というある種のマインドコントロールを受けながら、自信を培ってきてるから。
アフロ:お母さんすごいね! 何をされていた人なの?
ビッケブランカ:通訳の仕事をしてた。
アフロ:あ、そういうことか! いろいろ紐解けるね。だから耳がいいんだ!
ビッケブランカ:英語が得意だしね。
アフロ:お母さんからの授かりものなのね。
ビッケブランカ:性格もオカン譲り。
アフロ:ちなみに、最初に触った楽器を何だったの?
ビッケブランカ:フォークギターだね。家にあった親父のギターでイルカの「なごり雪」を弾いていたら、オカンが「あんたは才能がある。歌もうまい」と。そこで「俺はイケるんだ」と思い込まされてる。で、我が家の教えが「何か1つでも人に勝るものを見つけて、それを磨き続けるのが人生だ」と、まだ小学校低学年の俺に言い続けていて。それが教育の方針だったから、小さい頃から1番になれることを探したんだよ。まず「俺は足が速いんじゃないか」と思って、実際に速かったんだけど2、3年生になると、隣のクラスの青山くんが俺よりも速くて「じゃあ、走りは違うな」と。次に、勉強が得意だったから「学力なら勝てるんじゃないか」と。中学に上がった時、全校中間テストで1位を取るつもりで臨んだわけ。めちゃくちゃ高得点を取って、賢かった奴らに「何点だった?」と聞いたら、圧倒的に俺の方が点数が高くてさ。「これは1位やん!」と思ったら、まさかの2位だった。別の小学校から来た女の子が、俺よりも高い数字を出して1番を取った。「そうか、勉強でもないのか。じゃあ、俺が1番を取れるのは……」と模索していく中で、誰よりも得意で、誰よりも自分が輝いていると思えるものが音楽だった。
アフロ:走るにしろ勉強するにしろ、早いタイミングで自分の実力を察した。だけど音楽に関しては、メジャーデビューをするのに30歳までかかった。それって周りの人よりも遅いよね? 俺らもそうだけど、そこまで世に出れなかったことに対して、十何年間もやってこれたのはさ……。
ビッケブランカ:そうだね。
アフロ:それがすごくない?
ビッケブランカ:上京したのが18歳の時で、二十歳にはメジャーデビューをするつもりだったし、当然できるだろうと。まさか、25歳までデビューできないなんてことがあるか? そんなことあるわけがない、それならもう辞めた方がいい、とすら思っていたわけよ。で、蓋を開けたらメジャーデビューが30歳手前。二十歳からの5年ぐらいは、諦めるとか辞めるとかじゃなくて、なんでデビューできないんだろうって考えた。そこで気づいたのが、自分の性格がよくないってこと。
アフロ:音楽じゃないんだね?
ビッケブランカ:音楽はいいものを作ってると思っていたし、俺は1人で何でもできる人間だった。それなのに、1年おきに事務所とかレーベルを解雇されていたんだよ。ジャーニーマンだったわけ。すぐに次の事務所があったのは、何か可能性のある音楽を作っていたからだと思う。ディレクターの人とか、マネージャーの人が拾ってくれて繋いでくれて、今はavexに出会えたんだけど、そういう居場所があったのもデカイと思うよ。フリーランスで5年間やっていたら分からなかった。
アフロ:1年ごとに事務所が変わったとしても、その場をしのがさせてくれたという意味では、これまで面倒を見てくれた事務所やレーベルはありがたい存在だね。
ビッケブランカ:そうそう。転機となったのは、Superflyさんやウルフルズさんがいたタイスケという事務所にいた時。ある日、副社長から「お前、性格悪すぎ」って言われたの。
アフロ:それはいくつの話?
ビッケブランカ:26、7歳だね。「曲を作る分には、お前はすごい。だけど、例えば俺たちが「ここをこうしたらいいんじゃない?」と提案した時に、決まって「じゃあ自分で作れば?」って言うじゃん。そういうことじゃないんだよ。「外から見て分かることもある」のを知ってほしい。誰かのアドバイスを受ける、という扉を開けてくれ」って面と向かって言ってくれたの。ずっとデビュー先のない時間を過ごしてる渦中だったから「確かにそうだな」と思って、その日から人間が変わった。
アフロ:「アドバイスをするくらいなら、自分でやりなよ」と言うのは、つまり「俺の聖域に入ってくるんじゃねえ」ってことだよね。
ビッケブランカ:そういう気概があったね。
アフロ:つまり、自分の感覚だけが頼りだったわけで。俺にも思い当たる経験があってさ。周りはどうにかしようとしてくれてるけど、ぶっちゃけ素人だから「歩兵を横に動かせ」程度のことを言ってくるんじゃん。それに対して、じゃあ自分でやってみろよって。俺たちは盤を作るところから、駒に役割を与えるところから作っているのに、自分ができないことを外野が言うんじゃないよって。その考えはめっちゃ分かる。でも、どうにかしたいという気持ちとか「歩兵を横に動かせ」と言ってることを聞いて、こっち側が「俺にこうなってほしくて言ってくれているんだな」という想いを掬えるかどうかだよね。
ビッケブランカ:以前の俺は、意見を汲み取る気がなかった。もはや「あんな奴と仕事したくない」とみんなが思うぐらい、自分の音楽にしがみついている人間だった。だから「こうした方がいいんじゃない?」と言われても、ピントがずれていたり「歩兵を横に動かせ」ぐらいのアドバイスだと「この人では俺のことをコントロールできんかも」と見切りをつけてしまっていた。何とかしてくれようとして、その先にはどんな想いがあるのかを汲みとるマインドは、25歳になるまでずっとなかった。
常に自分を肯定してるから、全然辛くない
アフロ:自分を変えるために、何から始めたの?
ビッケブランカ:日にち薬で徐々に治したわけじゃなくて、副社長と喋った日から変えたね。言われたことを全部やるとか、どういう意図で言ってるのか質問するとか、他者とのコミュニケーションを徹底した。そしたら色んなアドバイスくれる人たちって、音楽的な話の奥に「お前には、こんな人間になってほしい」という、さらにもう1つの願いがあるってことが見えた。翌日から変わったね。
アフロ:翌日!? はやっ! それはさすがに言いすぎだろ!
ビッケブランカ:本当に、その日から人間が変わったんだよ。ただ、扉を大開きにしたものの、適当なことを言う人もいるし、センスのない人もやっぱりいて。そういう時は、ちょっと扉を閉めるんだよね。そしたら核心を突いたことを言う人が、より輝いて見えるようになってきて。その人たちの言葉は、俺の音楽だけでなく、性格とか生い立ちも含めたアドバイスだってことが分かるわけ。
アフロ:俺、この質問をするのが好きなんだけど、ミュージシャンをやってきて一番嬉しかった夜って覚えてる? 俺は1stアルバム(『MOROHA』)を出すって決まった日なんだけど。
ビッケブランカ:うーん……パッと思いつかないってことは、まだないんだと思う。ここに至るまで時間がかかったし、のらりくらりしてる20代があったからさ。一生懸命音楽を作ってるとはいえ、いっぱい寄り道もしてるわけよ。だから遅れるのも当たり前だと思ってるところもあって。ある程度、大人になって色んな人間とも接して、人生経験も積んだ上でメジャーデビューをした。そうするとさ、メジャーデビューの日とか前日もスタッフの人たちと、現状よりもその先の話をするじゃん。
アフロ:それは分かる。基本的にツアーファイナルって、次の催しの発表しなきゃいけないんだよね。だからツアー最終日の前日には、そこで発表する情報の確認をしたり、Twitterに投稿する文章をセッティングしたり。つまりツアーファイナルを心から祝うよりも、ゴールテープの真下には次のスタートラインが引かれている。その感覚でメジャーデビューをしたのか。
ビッケブランカ:余韻に浸るよりも、先々のことを考える。俺はずっとそれだね。
アフロ:喜びに浸れないのは辛い?
ビッケブランカ:常に自分を肯定してるから、全然辛くないよ。そこがアフさんと俺の決定的に違うところかもしれない。常に日々の幸せを掴もうとしているから、今までの辛さが解放されることはなくても、毎日が嬉しいんだよ。それは育った環境があるのかも。母親の溺愛があったとか、自信満々のくせに何の結果も出せん奴が、常に大人に見つけてもらって面倒を見てもらって……ということが心を豊かにしてる部分があるんだよ。だから大きな幸せを求めてない。日々、いい曲を作って、曲ができた瞬間ぐらいは幸せを感じるけど、その日だけだね。そうやって俺は小さい幸せを何度も経験してるんだよ。
アフロ:俺は高校生の頃に彼女がいなかったり野球部の補欠だったり、結構悔しい思い出が多くてさ。それに対しての復讐心から、20代はとにかく音楽をやって、手にするはずだったものを取り返そうと思ったの。でも高校時代に彼女がいなかったことって、取り返しがつかないんだよね。つまり、ゆずが響かないってこと。もちろん全曲じゃないよ。だけど「夏色」とかはさ、明らかに高校生カップルのそれじゃん。
ビッケブランカ:いくら音楽を頑張っても、その時の思い出とリンクしないからね。
アフロ:同じように、20代で爆発的に音楽業界でバーっと行った奴の体験ってさ、どうしたって取り返せないんだよね。ビッケもその感覚ってある?
ビッケブランカ:あるある。
アフロ:どう折り合いをつけてる?
ビッケブランカ:若くして華やかな世界に行けなかったのは、しょうがないじゃん。そりゃあ、夢見たところもあるよ。結果30歳手前でメジャーデビューした時に、こっちの方がよかったと思えてる。何も分からないまま20代の時にメジャーデビューするよりも、自分で人生も音楽もコントロールできていて、信頼すべき人と避けるべき人とか、いろんなことが見えるようになった時に、ピークを迎えているのが一番よくないか? 今がいいと思うから、そこに対する復讐心はないね。
アフロ:ビッケの言ってることはその通りだなと思いながら、なんで俺がそういう思考になるのかって考えたら、おそらく妄想が激しいんだよね。長野県の田舎にいて、ずっと東京に対しての妄想を広げていたのと同じように、20代で売れて行ったバンドマンに対しても「どんな日々を過ごしていたんだろう?」という妄想を広げてしまう。
ビッケブランカ:うんうん、分かるよ。
アフロ:でもさ、今や「赤身の肉がいい」とか言い始めたわけ。
ビッケブランカ:この年になると、カルビとか脂身の多い肉は食えないよね。
アフロ:俺は意地で食ってる。ようやくちょっとはいい肉を食べられるようになったのに、今食えないのがどうしても許せなくて。だから次の日の胃もたれを覚悟して「絶対に取り返すんだ、あの時に食えなかった分を」って。
ビッケブランカ:それは意識したことないな。もし20代で自分が結果を出したとしたら、やっぱり無茶をするはずなんだよ。若い頃の俺にいろんなものを与えないほうがいいし、枯渇してるくらいでよかったと思う。人間として成熟しないまま、例えばお金や名声を得たとなったら、そもそも自制の利く人間じゃなかったから、何をしでかしていたか分からん。絶対に今がいい、100%今がいい。
人選を間違えないことが俺の責任
アフロ:その肯定力はすごいね。そんなビッケがしょんぼりすることもあるの? 
ビッケブランカ:そうだな……前に「Black Catcher」のMVを撮るにあたって、チャンバラシーンの絵コンテが送られて来たんだ。「チャンバラはやりたくない。素人がやるとダサくなるから」と言ったら「チャンバラにならないから大丈夫。ちゃんと計算してるから」って監督が言うわけ。いざやってみたら、やっぱりただのチャンバラだったの。だけど、そのMVがYouTubeの再生回数が1番回っていて。なんで俺はこの手綱を握れんかったかなって。明らかに回るMVということは分かっていたわけよ。実際に5,500万回ぐらい再生されているからね。だけど、その撮影をコントロールできなかった自分。絶対にいいMVにしようって意気込んでいたのに、それをえられなかった自分にしょんぼりする。しょんぼりというか、自分にムカつくね。
アフロ:映像のできや成果よりも、そこでの自分の在り方みたいなところに。
ビッケブランカ:それで監督に腹が立つとかは一切ないよ。俺が責任を持ってコントロールすべきじゃん。でも、それができなかった。
アフロ:つまり、その場を自分がコントロールしたいわけだよね。それってさ、相手を信用するか否かっていうところも関わってくるし、「自分がやった方が早い」という言葉とも関連づいたりするよね。そことはどう向き合ってるの?
ビッケブランカ:一生懸命、人を選ぶことしかできないよね。例えば、MVも任せられる人にお願いする。最近公開した「革命」というMVに子供たちのドラマシーンがあるんだけど、そこは小田切明広監督に全部任せた。監督を含めて人選を間違えないことが俺の責任だと思ってる。
アフロ:「ここまでが自分の仕事だ」というのを色濃く線引きをして、それをとにかく全うするんだね。
ビッケブランカ:ようやくそれができた。
アフロ:それは孤独感も付きまといそうね。
ビッケブランカ:でも、それが心地いいんだよね。失敗したら自分のせいだし、上手く行ったら自分のおかげだから、めちゃくちゃ分かりやすい。そんでもって、俺はああだこうだ言うし、自分のこだわりもガンガン言うから、本当にうるさいんだよ。それでも6年間一緒に居てくれるスタッフがいる。もう、ありがたくてしょうがないよね。その人の人生の6年間を俺は借りちゃった感覚がある。だからお互いの結束も強まっていく。より、その人のことを信頼できるようになって「わかった。○○さんが言うなら、それで行こう」と進められる。それは30歳前でメジャーデビューをするまでに、いろんな経験をしたからできたことだと思う。
作詞で守るべきポエジーは残しつつ、極力伝わりやすいようにしたい
アフロ:俺はUKと2人でMOROHAを始めて、今年15周年なんだけどさ。ビッケもそれぐらいやってるでしょ? 
ビッケブランカ:ビッケブランカになって8年で、本名の山池純矢として活動していた期間も入れると……確かに同じくらいかな。当時は恵比寿の天窓でライブをやってたよ。
アフロ:その時代の話も聞きたいね。今よりもツンツンだったわけでしょ? 
ビッケブランカ:ツンツンだし、一切MCをしないスタンスだったからね。今は理解できるけど「いいステージ」というのは、その人の放つエネルギー、言葉、振る舞いも含めた総合評価だから、音楽だけじゃないんだよね。でも、そんなことも分からない時代があった。
アフロ:当時、打ち上げは出てた?
ビッケブランカ:出るわけじゃないじゃん(キッパリ)。
アフロ:対バンのライブも観ず?
ビッケブランカ:観るわけないじゃん! 「何を吸収できるの? 何も学ぶことがないよ」っていう。
アフロ:さっきの話に戻るけど、UKと15年一緒にやっていてさ「俺らはツーカメだ」という話をしたの。俺は俺の道のりをすべて見てるけど、そんな俺を見ることはできない。でも、ずっと隣で見てくれているUKがいて、ある意味でメモリーカードみたいな感覚もあるんだよ。ゆえに、2人編成で責任を分割できるのもそうだし、それに対しての安心感もある。ぶっちゃけ俺は、UKがいいって言ってくれたら全部オッケーなところがある。それが最初で最後のハードルだし、最近の俺はUKが望んだ人間になっていってる感じがする。
ビッケブランカ:それはいいね。2人でツーカメだから、UKにとってのメモリーカードはアフさんなんだね。ただ、俺の場合はカメラは要らなくて。もちろんスタッフを信頼してるし、アドバイスも聞くよ。お客さんが「何々して」と言ったら、「アイドルじゃないんだから」と言いつつコミュニケーションも図るけど、あまりにも大勢すぎるし、今まで自分がやってきた道のカメラにまではならないんだよ。で、ならなくていいと思ってる。ソロなんだから、1人の人間には1カメでいいんだよ。でも、それが難しいとなった時は、俺が見てる人生、俺が作るべきもの、応えたいスタッフへの願いとか。全力で自分の景色をよくすることが、2次的にみんなを幸せにすると信じてる。だから正解を探す作業がないのよ。これを越えたらOKというハードルもなくて、ただ理想を作り続けて進み続ける。「間違ってるかな?」「この方向は合ってる?」と聞く必要はないんだ。それはギャンブル。これが正解かどうか分かんない。ただ、俺は責任を持って音楽をやり続けて、自分がやるべきライブ、絶対にいいと思う曲を作り続ける。逆に、みんなには「俺の音楽によって、周りの人たちみんなが幸せになっていて」という感覚が一番近いかな。
アフロ:THEソロアーティストだね! すごく強い意志を感じるよ、やっぱり。
ビッケブランカ:見守り合いながら高めていくんじゃないんだ。見えないまんま、ただ突き進むことしかできない。曲作りにしても、俺の中のVKが「お前はもっとバラードを歌う人間だよ」と言ったら、バラードを歌う人間になれたかもしれない。でも、それがいないから、バラードも、ダンスも、ロックも、ラップの曲も作るわけだよ。そして、自分のやったことがなんとかみんなを幸せにしててほしい。とはいえ、1カメだから確認する術がないんだ。だからこそ全力で、自分であり続けることが俺のスタイルだし、あるべき姿だと思う。
アフロ:曲を作って最初に聴かせる人って決まってる?
ビッケブランカ:昔はオカンに聴かせていたけど、今は妹かな。でもね、妹は厳しいよ。もう完パケしてMIXも終わってるのに「ここが分かりずらい」とか容赦なく言うからね。
アフロ:もう変更できない状態で聴かせるの、めっちゃ怖くない? 
ビッケブランカ:中途半端な状態で聴かせるのも嫌だし、「ここの歌詞はまだ適当だから」と説明するのも嫌じゃん。だからでき上がった音源を聴かせる。「革命」に<その痛みを その軋みを 今に解き放て>という歌詞があって。マスタリングが終わった後に「「軋み」じゃなくてよくない?」とか言うわけよ。もっと分かりやすい言葉があったんじゃないかって。
アフロ:例えば「夜の帳」という言葉があるでしょ。有線で流れた時に、その言葉の意味って全国でも半数……いや、もっと分かる人は少ないかもしれない。そうなった時に、俺なら「夜の闇」をチョイスするの。これは自分の野心の表れなんだよね。「夜の帳」の意味につまづいちゃった時に、お客が聴くのをやめちゃうのが怖い。もしも「俺はアンダーグラウンドでいい」と思っていたら帳を通したと思うんだけど。その線の引き方はいつも気をつけていて。
ビッケブランカ:意味が分かるから「夜の闇」の方がいいよね。俺自身、MOROHAが大好きだから「闇」をチョイスしてくれてありがとうって思う。それが「帳」だと、確かに少しつまずくのは分かる。
アフロ:「MOROHAのリリックは超集中して聴くことに意味があるし、絶対に解読するんだ」というモードが日本中に浸透した時は「帳」の刀を抜いていいと思う。その時は、もうみんな聴くことに前のめりじゃん。でも今は、まだ俺らに対して大衆が前のめりじゃないから、守るべきポエジーは残しつつも極力伝わりやすいようにしたいなって。
ビッケブランカ:こっちから心を刺しに行かないといけないもんね。その時に分かりにくい武器では刺しづらいよね。
アフロ:そういう感覚ってある?
ビッケブランカ:めちゃくちゃあるよ。例えば「夜の闇」と「夜の帳」のどちらを書くかで悩む以前に、夜の暗い部分とか包まれた部分をどうするか? 仮に「夜の闇を彷徨い歩く」と書いたら、その後に何をするかで歌詞の深みって十分出せるよね。となると「闇」でいいかなって選択を俺もよくする。その登場人物がどんな物語を歩むのかは、歌詞の行動で説得したい。「帳」の持つ複雑さは、分かりやすい例えでめっちゃいいけど、俺はいらないと思う。闇でいいと思うな。
ソロだからというよりも、それがビッケブランカなんだよね
アフロ:歌詞の話でいうとさ、ビッケの曲を聴き返したんだけど、今俺の中のビッケの曲ランキング第1位は「オオカミなら」。めっちゃよくない!?
ビッケブランカ:アフさん、分かってる! めっちゃいいんだよね!
アフロ:最初は「ビッケにそんなシャイな気持ちがあるわけねえだろ!」って思いながら聴いていたのよ。でもよくよく考えてみれば、そんな部分もあるかもなぁ、と思わせられる繊細な一面もあるよね、ビッケは。
ビッケブランカ:あの曲は俺も大好きで、リード曲にしたかったんだけど、大人の人に「古臭いからダメ」と言われた。
アフロ:そこが俺はツボだった。あの古臭い部分をビッケの歌唱力で歌うことや、アレンジとかも含めて新しかったよね。
ビッケブランカ:歌詞もいいんだよ。登場人物がいてさ、ちゃんと本人の心が動くやんか。あれは、俺の本当の気持ち。目の前にあまりにも魅力的な女性が現れて、思わず尻込みした時に「いや、行けよ! お前なら行くべきだろ」というのを歌にしてるね。実体験じゃないんだけど、例え話をするならーー女性芸能人を前にしたとして、画面越しに観ていた人が目の前にいるとする。信じられないぐらい可愛いよね。そんな時に、素でいられない自分がいる。普段通りに振る舞おうとするけど、ぎこちなかったりとか、何かちょっと違うわけ。音楽もそうだけど、いつでも自分で居続けたいわけよ。どんな場所でもその感覚はある。
アフロ:最近思ったんだけど、それって相手のことを人として見ていないっていうことにも繋がってるよね。芸能人というモンスターに仕立て上げてるというか。
ビッケブランカ:うんうん、そうだね。
アフロ:普段、街中でMOROHAのお客に声をかけてもらうことがあって。でもその人の中で俺像が完成していて、ちょっと神格化に近い状態で話しかけられると、こちらもスイッチを入れざるを得ないというか。時にそれに疲れちゃったりするのね。その感覚を相手にも味わせてしまっているんじゃないか、ということに気づいてね。俺は女性芸能人に限らず、男の芸能人に会う時も同じような緊張があるんだけど、ちゃんと対人間として向き合わないと失礼だな、と思うようになったの。何より俺たちのステージを見てもらえたら、ちゃんといっぱしの人として向き合ってもらえる、という自信もある。それによって、少しずつ向き合えるようになったかも。
ビッケブランカ:女性は別として、男には緊張も何も感じないな。ドリカムの正(中村正人)さんと会った時も、ひたすら嬉しさしかなかった。……あ! 唯一、緊張したのはナイナイの矢部(浩之)さんだ。子供の頃から芸能人として見すぎていたから、どうしても緊張したね。2年前、『アウト✕デラックス』に呼ばれたんだけど、俺がとった対処法は本番前にナイナイさんのデビュー当時の宣材写真を見ること。「矢部さんにもあくせく頑張っていた頃もあるんだ」「俺と同じ人間なんだ」と思ったら、本番も平常心で喋れたね。
アフロ:解決策を具体的に生み出して、自分を導くのが本当に上手だよね。
ビッケブランカ:案外簡単だった。
アフロ:1人で具体的な解決策を見つけられるのは、ソロだからというよりも、それがビッケブランカなんだよね。
ビッケブランカ:そうね。相談相手がいるようでいないから、やっぱり1人で解決する癖がついてるのはある。
アフさんの歌は、ドラマーが一番理解できないのよ
アフロ:なんで女性芸能人があんなに可愛いかって話をしてもいい? やっぱり人に見られ続けてるってすごく大きいと思っていて。
ビッケブランカ:自分のいいところを理解して、伸ばしていくことになるしね。
アフロ:多くの人に見られるって大事だよね。中でもビッケは日本でトップレベルに「自分を見て!」のパワーが強い。
ビッケブランカ:ハハハ。しかも、自分を見て欲しい時は喋らないからね。黙ってステージに立っていると「次は何をするんだろう」と、みんなの視線が俺に集中するんだよ。その快感を知っちゃった。この前も『FM802 MEET THE WORLD BEAT 2023』で、1万人を相手に沈黙を作って視線を浴びてきたけど、最高だったよ。無言で立ってるだけなのに、みんなが叫んでくれるの。……アレは気持ちいいよね。
アフロ:矢部さんの話とか、沈黙で注目させる話もそうだし、独自のロジックがあるじゃん。その法則に頼らないというか、頼れない瞬間ってあるの?
ビッケブランカ:ライブ中は頼らないよ。基本的に演奏中は何も考えてないから、そこにロジックはない。ライブ中は一瞬一瞬の反射神経で反応することもあれば、反射的にもうひと回ししてる時もあるし。その場でもう一回いけると思って動く判断は、意外と直感的なことが多いね。
アフロ:曲作りに関してはどう?
ビッケブランカ:そこはロジカル。最近は建築だと思っている。直感的に魂で歌うこともあるじゃんか。ピアノとかギターの弾き語りスタイルもある中で、俺はいろんな楽器が演奏できることを生かして、1つの美しい建物を作っている感覚があるね。
アフロ:UKともそういう話をする? 
ビッケブランカ:フレーズとか曲作りの話もするよ。ただ、UKは抜きん出てるじゃん。UKの作曲能力はちょっと次元が違うね。あれを1つの楽器でやっちゃうのは、技術どうこうの次元じゃない。あれは才能なのよ、メロディーメイクのずば抜けた才能。
アフロ:昨日SPICEのインタビューがあって、あいつも「曲作りは建築」みたいなことを言ってた。「感情で曲を作るのは、あるタイミングで諦めた」って。そこからはどういうメロディーが心を震わすのかを研究して、ロジックでやってるらしいの。で、人間性が関与してるとすれば、その曲をよしと思えるかどうか。曲ができ上がった後にゴー・ストップを出すタイミングの時だけ人間性が作用してる、と言ってて。
ビッケブランカ:そこまで俺はロジカルではないかな。感性で作ったものを建築していくっていう順番。最初はまだ感性に頼っていて「ここでこういう風に来てほしい」「次はこう持っていこう」みたいなのは感性で作る。だから繋がらないんだよね。バラバラにでき上がっていくのよ。
アフロ:いいレンガを感性で作って、そこからロジックで積み上げていくんだ。
ビッケブランカ:それだね! レンガは感性で作って、そこから客観的に組み立て方を考えて、綺麗な建物にしていく感じ。とはいえ、ちょっと客観視できるぐらいだと「ここのつなぎ目があんまりよくない」とかで、綺麗に作れたどまりなんだけど、真剣に客観視すると、その歪さを許す許容も出てくるんだ。さらに本気の俯瞰をすると「ここの歪さが最高だから」という見方ができるようになってくる。ちょっと奇抜な建築物もよしとできる。曲作りにおいては、その域まで行けている自信はあるね。
アフロ:「本気の俯瞰」っていい言葉だね。本気の主観と本気の俯瞰で生きているってことだ。
ビッケブランカ:マジでそう。
アフロ:そんな人がさ、『関ジャム 完全燃SHOW』でMOROHAのことをめっちゃ褒めてくれて。
ビッケブランカ:あれは言い過ぎたなって、ぶーやん(渋谷龍太)と後悔したよ。MOROHAの回になっちゃったじゃん。
アフロ:いやー、まじでありがとう! おかげで俺達もスタジオに行けたのよ! で、ビッケはさ、色んな音の要素を操って構築する音楽でしょ。MOROHAは全体で見た時に釘1本で作っている音楽じゃん。全然違うのに好きでいてくれてるのはなんでなんだろうね。
ビッケブランカ:『関ジャム』で言ったことが全てだけど、自分一人でああだこうだ言いながらレンガで建物を作って、歌詞も考えて、その時の気持ちを歌って……といろいろやってきた中で、そんな俺から見るとMOROHAは小細工なしに見えるわけよ。もちろん曲ができ上がる間には、UKの作曲ロジックがあり、アフさんの建築的な作詞能力もある。でも、2人の表現がパっと出る時には、1つのデータになっている。その曲を聴いた時に受ける印象は、本当に生まれながらに尖った刀。逆に、輝きすぎて無傷の刀にも見える。ライブはいわゆるグルーヴとか、いろんな音楽の要素があるじゃんか。そういうものが上手く絡み合って、ファンキーなニュアンス、歌詞の雰囲気、ボーカルの佇まいとか、いろんな要素が絡み合っていいステージができるというものじゃなく、たった2人が出て行って、それぞれが1つの楽器をやって、あの時間とあのパワーを生んじゃうのはマジで奇跡なんだよ。 アレは真似できないんだよ。そんな2人が出会ったのは、奇跡の出会いだよ。さっき「対バンのライブなんて観ない」と言ったじゃん。今でもその癖は抜けていなくて。あまりにも仲がいい人とか、どうしようもなく観たいライブじゃない限りは、基本的には観ない。でもさ、MOROHAのライブは袖で見とって「なんだこいつら」となった。それは後にも先にも1回きり。例えば、いいライブを見たら楽しそうだと思うよ。でも、芯を食いちぎられたのはMOROHAしかいない。それは音楽の才能なのよ。UKの作るフレージングやバッキングのリズム、アフさんの声やリリック。全部のレベルが高いから、2人でも成立しちゃうわけ。
アフロ:気持ちええやんけ! うれし! ちなみにさ、冒頭でも言ったけど俺は楽譜も読めないし、楽器も弾けないから音楽理論が全く分かんないのよ。けど、そんな中でUKが「アフロのラップは詩的なリリックとは別で、拍に面白さがあるよ」と言ってくれてるんだけど。
ビッケブランカ:それは俺も言ってるじゃん。
アフロ:いまだに理解できないんだよ。UKに聞いても「分からないままの方がいい」って。ちょっと触りだけでも教えてくれない?
ビッケブランカ:リズムというものがあるじゃん。アフさんの歌は、ドラマーが一番理解できないのよ。つまり、あなたのリズムはどれにも当てはまらない。
アフロ:朗読はそうじゃん。オフビートでやる意味合いとも違うの?
ビッケブランカ:朗読の要素もあるんだけど、音が当たるところは当たるの。だから意味不明なんだよ。音を捕えるところは、UKのフレーズと完璧に合うわけ。入りも合うし、フロウもある。だけど、あなたのフロウは名付けられない。意味が分からないんだ。例えば四小節を歌うとして、一小節目は二拍三連のリズムをとってるよね。二小節目はシャッフルして跳ねてるよね。四小節目は下手づきでいってるよね。五小節目はめちゃくちゃフリーテンポになってるよね……でもないのよ! あなたのリズムはカテゴライズできない。それでいてバラバラだとかいうすごさでもないんだ。グルーヴが1つの種類に分類できない、でもないのよ。1個1個のグルーヴが何にも言い表せられない。表現が難しいけど、それがすごいよ。
続けることに意味があるというか、有利になっていく
アフロ:めっちゃ褒められて嬉しい! ビッケはこの感覚で「俺を見て!」で生きてるわけね。これは気持ちいいわ!
ビッケブランカ:いいでしょ。俺はずっと褒められてきてる。「褒めて褒めて」と言ってるもん。
アフロ:面白かったのがさ、メジャー1stアルバム(『FEARLESS』)のアー写でグラミー賞を獲ったみたいな写真にしてたでしょ? いきなり自分で自分のことを褒めてるじゃん。あれは人間性が顕著に出てるよね。
ビッケブランカ:ハハハ、そういう人間なんだよね。最後までその人間性で愛してもらえるところまでいく。みんなに愛される、みんなの役に立つ存在になるってことに必死ってだけ。
アフロ:目標はあるの?
ビッケブランカ:これまでのインタビューでも「目標はない。目の前の、次の1秒とか次の作品がよければいい」みたいなことを言ってきたんだけど、やっぱり今もないわ。
アフロ:欲しいものはない?
ビッケブランカ:どこかの国の永住権。やっぱり海外が好きだなって思うね。こないだもサウジアラビアでライブをして、イタリア、フランスでもやって。まだ言えないけど次の予定も決まってる。海外でライブするのが自分の性に合ってるんだよ。親の通訳のおかげで、たまたま英語が喋れるのも大きいしね。となると、日本に留まってる理由がなくなってくるんだよ。いろんなところへ行く時間がほしい。時間と永住権。自分の人生の選択肢を増やしたいね。海外に住んでもいいんだよっていう状況で、日本に住んでいたい。
アフロ:全ての辻褄があってるね。ビッケブランカのネーミングは海賊でしょ? だから海を越えたいっていう。
ビッケブランカ:越えちゃったね。
アフロ:ぜんぶが集約してるね! 
ビッケブランカ:この変化はスタッフのおかげなんだよ。スタッフが変わって、全部の流れが変わったの。「俺の仕事は、自分が自分としてあり続けることだ」と言ってるけど、大きく影響を受けている。海外のライブを決めたり、曲作りに関してもそう。影響を受けながら、それにぶら下がらないようにするだけ。ソロとして、自分の責任は最後まで自分で追う。あくまでみんなは協力者でしかないって感覚を、クールなように見えるけど、ある程度はしっかりと持って、でも信頼はして。という感じだね。
アフロ:「続けることに意味がある」って言葉をよく聞くじゃん。定型文みたいで好きじゃなかったんだけど、それは確かにあるような気がして。30歳になってからメジャーデビューしてよかったのもそうだけど、続けることに意味があるというか、有利になっていく感じがすごくあるよね。こっちのスペックも上がって行くし、付き合う人のスペックも上がってる人しか残ってないから。「意味がある」というふわっとしたことよりも、もっと打算的な意味合いでどんどん有利になって行って、やれることも自分の中で増えて行ってる感覚がすごく強いし、そういう場所にしたいよね。
ちゃんとケジメをつけられない俺ってどうなんだ
アフロ:最近もアコギは弾いてるの?
ビッケブランカ:ずっと弾いてるよ。でも、MOROHAの曲しか弾かないな。
アフロ:どの曲のリフが一番好き?
ビッケブランカ:今は「夜に数えて」だね。
アフロ:UKが一番難しいって言ってたよ。「どうしてこんな曲を作っちゃったんだろう」って、ライブで演奏する度に言ってる。
ビッケブランカ:ちなみに「奮い立つCDショップにて」は楽勝で弾けるようになった。なんなら、今度のライブの時にやりたいな。
アフロ:1回やろうとしたんだっけ?
ビッケブランカ:そうそう、2人で路上ライブした時にね。
アフロ:そうだ! あの日は怒られたね。
ビッケブランカ:下北沢の駅前で路上ライブをやって、俺だけが警察に止められてさ。その様子をTwitterにあげられて、会社の人にめっちゃ怒られた。人生で路上ライブをやったのは、あの1回きり。
アフロ:バスケをやった帰りに、ビッケがノリで「路上ライブをやろう」みたいに言ってさ。実は「ライブはそんな軽くやるもんじゃないだろう!」ってちょっとカチンときたんだよね。
ビッケブランカ:路上ライブはノリでやるもんでしょ? のマインドに。
アフロ:でも、そんな気持ちを込めた「ストロンガー」がめっちゃよかったんだよね。
ビッケブランカ:UKが「あのアフロは絶対にスイッチが入ってた」と言ってた。
アフロ:カチンときたのは、ビッケにというよりも使命感を背負ってるというかね。ここでカチンとこない俺ってどうなんだって。いや“カチン”とくるって言い方じゃないね。そこに対してちゃんとケジメをつけられない俺ってどうなんだ、って。
ビッケブランカ:「ノリだから生半可にやる俺ってどうなんだ」ってこと?
アフロ:ここでビッケに引かれるぐらい本気でやらないと、そんな俺をビッケだって好きじゃないよなって。演奏が終わった後に「アフさん、そのノリじゃないって言ったじゃん」と言ったけど、また1個こいつに好かれたなと思った。この感じ分かる?
ビッケブランカ:確かに、中途半端にやってほしくないなって思ったよ。
アフロ:6月20日(火)に対バン(MOROHA自主企画『怒涛』第二十二回)するけど、どうする?
ビッケブランカ:ギター弾きたい!
アフロ:MOROHAの曲? 
ビッケブランカ:俺がギターを弾いてアフさんがボーカル。
アフロ:リミックスってこと?
ビッケブランカ:フルでやるさ。
アフロ:だったらさ、ギター2本でできることないかな?
ビッケブランカ:アフさんが真ん中で歌って、両サイドで俺とUKがギターを弾いてるのはいいかも。
アフロ:めっちゃいいね! UKに連絡してみる
文=真貝聡 撮影=suuu

SPICE

SPICE(スパイス)は、音楽、クラシック、舞台、アニメ・ゲーム、イベント・レジャー、映画、アートのニュースやレポート、インタビューやコラム、動画などHOTなコンテンツをお届けするエンターテイメント特化型情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着