【琴音 インタビュー】
聴いた瞬間、
自分の曲になるような歌を歌いたい
実はラブソングを作るのが
脳みそが痛くなるくらい苦手
では、自作曲の「ライト」についても教えてください。
この曲は最初にサビが思いついたんです。デモの段階ではその部分をAメロにしたかったので、それに合うようにBメロとCメロを作っていったのですが、Aメロがお気に入りすぎて他が霞んでしまって。それをプロデューサーの若菜拓馬さんにご相談したところ、“ここはサビに聴こえるよ”って言われたんです。その時点で、このメロディーが使えるならどこに配置されてもいいと思っていたので、“じゃあ、サビにします!”と(笑)。
それだけ気に入るメロディーが生まれるのは素敵なことですよね。
はい。歌詞を書く時に若菜さんがアレンジしてくださったデモを聴いていたら、懐かしい故郷の香りがしたんです。私の地元は新潟なのですが、田んぼの淵に座っているイメージだったり、“個人で活動をしている時、こういう曲をギターで弾き語りしていたなぁ”と思い出したりもしました。とはいえ、歌詞が全然思いつかず、友達にデモを聴いてもらったりもして、当初はウェディングソング系をイメージしていました。そこで改めて若菜さんにご相談したところ、21歳なりの結婚観なのか、大衆的な結婚式の曲にするのかで、だいぶ変わってくると言われて腑に落ちたんです。その時に、分かりやすいウェディングソングというよりかは、ささやかな幸せというか、恋人や家族と一緒に過ごす“日常”の中で感じる小さな幸せを歌にできたらいいなと思いました。実は私、ラブソングを書くのが本当に苦手なんですよ。
そうなんですか!?
めちゃくちゃ苦手です(笑)。脳みそが痛くなるのが分かるくらい、絞り出さないと書けないんですよ。なので、どうしても書かなくちゃいけない時は内省をしまくって、深く深く考えて、時間をかけるんです。でも、この曲に費やせる時間はそこまでなかったので、本当にいろいろなラブソングをたくさん聴いて、インプットして、客観的にどういうラブソングがいいのかなどを研究して、ようやくこの歌詞に辿り着きました。どちらかと言うと、職業作詞家さんのような書き方をしたので、いつもとはまた違う感覚で曲を作ることができて、それはそれで新鮮でした。
世の中はラブソングだらけですが、やっぱり苦手でしたか。
苦手でした(笑)。ちょっと話が脱線するのですが、私が高校生の時の古典の先生が、すごく理詰めで厳格な方だったんです。でも、私は結構好きだったんですね。その先生が古典の和歌は8割が恋愛ソングだから、恋愛をしている人、恋心が分かる人、女心が分かる人は有利かもしれないと言っていて、“あぁ、私には無理だ…”って思ったんです(笑)。それと同時に、J-POPだからラブソングが多いというレベルじゃなくて、古典の時代からみんながラブソングを好きなんだっていう衝撃を受けたんです。
これはもう逃れられないですね(笑)。
逃れられないです! なので、苦手と言っている暇はないと思い、毎回挌闘しています(笑)。
それにしてもバラエティー豊かな一枚になりましたが、改めてどう聴いてもらえたら嬉しいですか?
私は聴いてくださった方自身の中に、その曲を取り入れてほしいなと思っています。例えば、私が歌っている時、歌詞を書いている時、曲を作っている時、歌をレコーディングしている時のイメージが、お客さんが聴いた時に想像するものと同じではダメだと思っていて。私は田舎の田んぼやお世話になっているライヴハウスを想像するけど、お客さんには自分の恋人や家族などを想像してもらいたいんです。そういう聴いた瞬間にその人の曲になるような曲を作れる人、歌える人になりたいと思っているので、聴いてくださったみなさんが各々の中に取り入れていただけると嬉しいですね。
さて、ライヴも決まっているんですよね。
はい。今年6月末から7月頭にかけて、東京と大阪の2会場でワンマンライヴが決まっています。それぞれ会場も素敵なところだと聞いているので、今からとても楽しみです。ぜひ遊びに来てほしいです!
取材:吉田可奈
「君に」MV
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