自己流で多肉植物を育てる女にウンン
ザリ:鈴木詩子連載26
ため息が全部お金になったらいいのに…
鈴木詩子の「私が出会ったウンザリ女」
鈴木詩子の「私が出会ったウンザリ女」
第26回「自己流で多肉植物を育てる女に
ウンンザリ」
ちょっとした辛い事があった時、皆さんはどうしてますか?
私の場合、そんな時には花屋さんに行って多肉植物をゆっくりじっくり選んでいちばん気に入ったヤツを買ってもいい、という自分ルールあるんですが…最近どんどん数が増えてきて置き場に困っているんですよ。多肉植物って見た目が面白いし、ぽこぽこ殖えるし、それなりに手間もかかるところがとても可愛いんですよ!
そんな私に
「多肉植物にハマるなんて、病んだおばさんみたいだから止めな! よけいモテなくなるよ」
と、言っていた主婦のJちゃんなんですが…どうやら『植物男子ベランダー』というドラマにどハマりしたらしく急に態度を一変させ
「私も多肉が欲しい…」
と言い出したのです。
Jちゃんが多肉に興味を持ってくれた事が嬉しくて、私はさっそく多肉を分けてあげる事にしました。
多肉を分ける(殖やす)方法は、挿し木、株分けの他に「葉挿し」というやり方があって…まず、葉っぱをちぎって乾燥させます。するとその葉っぱから直接、根や子供が出てくるんですが(凄くないですか?)それを土に根づかせていくんですよ。
それが何だかとても不思議で観察するのが楽しいので、是非Jちゃんにも体験してもらいたいな、と思い…とりあえず葉っぱ3種類、と挿し木2種類の計5種類を用意したんです。
それからJちゃんに会う度に
「多肉は元気にしてる?」
と、聞いたのですがなぜか何にも教えてくれないんですよ…。
(もしかして、速攻で枯らしちゃったのかな?)と思っていたら…
ある日、ニヤニヤしながら
「ついに私の多肉園が完成したから、見せてあげるね」
と言ってきたので
(あぁ…きっと超順調に育っていて、その成果を自慢したいんだなぁ…)と思い、
Jちゃんの家に行きました。
「ジャーン!どうよ…詩子の家の多肉より立派に育ってるでしょ?見てよ、この伸びっぷり!!」
「…う、うん」
「私、多肉と超相性いいのかも!」
「あ、あのねJちゃん…言いにくいんだけど、こんな風にひょろひょろに伸びちゃうのは日光不足が原因なんだよ…ちゃんと日光あててる?」
「あててるもん!直射日光は良くないと思って窓越しにだけど…」
「て、いうかこの多肉のそもそもの姿知ってる? コレだよ…」
「えっ…何コレ…全然違うじゃん…」
私はJちゃんに多肉の本を見せてあげました。そこには、お花みたいに葉っぱが密集した可愛い多肉の写真が…
「ウソでしょ? 何で私のは、こんなに茎ばっかり長くて葉っぱが1個1個離れてるの…」
「だから、日光不足だって! 日光が欲しくて上に上に伸びていっちゃって…本来の姿を崩す程、緊急事態だったって事だよ!」
「えーーーーー!!」
唖然とするJちゃん…。
その後、Jちゃんが多肉に
「ごめんね…」
と、声をかけてるのを見て…つい、可愛いなぁと思ってしまいました。
そして、ちょっと悔しくなってしまったのでした…ウンザリ☆
【鈴木詩子:プロフィール】
すずきしいこ…漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなアイドルは嗣永桃子。著書に『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)
チヤホヤされたい女子高生・桃子は、いつだって残念な感じだった。でも、そんなのもうイヤ! 立ち上がった桃子の熱い想いは、クラスのみんなに届くのか!?
オススメコミック:『女ヒエラルキー底辺少女』[コミック](青林工藝舎)/著:鈴木詩子
私の場合、そんな時には花屋さんに行って多肉植物をゆっくりじっくり選んでいちばん気に入ったヤツを買ってもいい、という自分ルールあるんですが…最近どんどん数が増えてきて置き場に困っているんですよ。多肉植物って見た目が面白いし、ぽこぽこ殖えるし、それなりに手間もかかるところがとても可愛いんですよ!
そんな私に
「多肉植物にハマるなんて、病んだおばさんみたいだから止めな! よけいモテなくなるよ」
と、言っていた主婦のJちゃんなんですが…どうやら『植物男子ベランダー』というドラマにどハマりしたらしく急に態度を一変させ
「私も多肉が欲しい…」
と言い出したのです。
Jちゃんが多肉に興味を持ってくれた事が嬉しくて、私はさっそく多肉を分けてあげる事にしました。
多肉を分ける(殖やす)方法は、挿し木、株分けの他に「葉挿し」というやり方があって…まず、葉っぱをちぎって乾燥させます。するとその葉っぱから直接、根や子供が出てくるんですが(凄くないですか?)それを土に根づかせていくんですよ。
それが何だかとても不思議で観察するのが楽しいので、是非Jちゃんにも体験してもらいたいな、と思い…とりあえず葉っぱ3種類、と挿し木2種類の計5種類を用意したんです。
それからJちゃんに会う度に
「多肉は元気にしてる?」
と、聞いたのですがなぜか何にも教えてくれないんですよ…。
(もしかして、速攻で枯らしちゃったのかな?)と思っていたら…
ある日、ニヤニヤしながら
「ついに私の多肉園が完成したから、見せてあげるね」
と言ってきたので
(あぁ…きっと超順調に育っていて、その成果を自慢したいんだなぁ…)と思い、
Jちゃんの家に行きました。
「ジャーン!どうよ…詩子の家の多肉より立派に育ってるでしょ?見てよ、この伸びっぷり!!」
「…う、うん」
「私、多肉と超相性いいのかも!」
「あ、あのねJちゃん…言いにくいんだけど、こんな風にひょろひょろに伸びちゃうのは日光不足が原因なんだよ…ちゃんと日光あててる?」
「あててるもん!直射日光は良くないと思って窓越しにだけど…」
「て、いうかこの多肉のそもそもの姿知ってる? コレだよ…」
「えっ…何コレ…全然違うじゃん…」
私はJちゃんに多肉の本を見せてあげました。そこには、お花みたいに葉っぱが密集した可愛い多肉の写真が…
「ウソでしょ? 何で私のは、こんなに茎ばっかり長くて葉っぱが1個1個離れてるの…」
「だから、日光不足だって! 日光が欲しくて上に上に伸びていっちゃって…本来の姿を崩す程、緊急事態だったって事だよ!」
「えーーーーー!!」
唖然とするJちゃん…。
その後、Jちゃんが多肉に
「ごめんね…」
と、声をかけてるのを見て…つい、可愛いなぁと思ってしまいました。
そして、ちょっと悔しくなってしまったのでした…ウンザリ☆
【鈴木詩子:プロフィール】
すずきしいこ…漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなアイドルは嗣永桃子。著書に『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)
チヤホヤされたい女子高生・桃子は、いつだって残念な感じだった。でも、そんなのもうイヤ! 立ち上がった桃子の熱い想いは、クラスのみんなに届くのか!?
オススメコミック:『女ヒエラルキー底辺少女』[コミック](青林工藝舎)/著:鈴木詩子
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