関西演劇界のクセ者が集結『12人のお
かしな大阪人2023』今江大地&多和田
任益を迎えて開幕

2023年1月7日(土)1995年初演の伝説の舞台『12人のおかしな大阪人2023』が開幕した。
本作は、さまざまな出自の12人の陪審員たちが、ある事件の評決をめぐって丁々発止する、法廷劇の傑作『十二人の怒れる男』のオマージュ作品。
「陪審員を、全員大阪人にしたらどうだろう?」というアイディアをもとに東野ひろあきが脚本を書き、G2がプロデュース、演出を生瀬勝久が担当し、1995年1月に初演された。お笑いの街・大阪の人々が登場する作品だけに、話題はどんどん脇道にそれ、ボケとツッコミと冗談だらけのマシンガントークが繰り広げられる。これまで再演されることもなく、ソフト化されることもなく、なかば幻の作品となっていた。
そんな本作が、コロナ禍をきっかけに2020年にリモート朗読の無料配信が実現、2021年には大阪府枚方市の公立劇場【枚方市総合文化芸術センター】で26年ぶりに再演。そして今回は、リクエストに応えて3度目の上演となる。
さらに今作には新キャストとして、今江大地と多和田任益が参加。うえだひろし(リリパットアーミーII)、内山絢貴(劇団五期会)、大江雅子、大熊隆太郎(壱劇屋)、木内義一(テノヒラサイズ)、古場町茉美(Z system)、早川丈二(MousePiece-ree)、古川剛充(ゲキゲキ)、ボブ・マーサム(THE ROB CARLTON)、前田晃男(ボラ☆ボラ)という、関西を中心に活動する個性派俳優たちが続投する。
初日前にゲネプロが行われ、企画・台本・演出のわかぎゑふは「皆さま、あけましておめでとうございます。新年松の内からお芝居をさせていただけるという恩恵に浴しております」と挨拶し、「この芝居には、マッピングも出てこないし、殺陣もないし、ダンスもないし、歌もないし、素晴らしいストーリーもないんです。大阪人がただペラペラ話している、そんな初笑いのお芝居ですが、この人たちがめっちゃ面白いんで、どうぞ笑いに来てください」と呼びかけた。
ずらりと机とイスが配された“陪審員室”に、大学生やサラリーマン、妊婦、作家、喫茶店のマスターなど多彩な職種の“陪審員”たちが次々と集まってきて、ある殺人容疑について有罪か無罪を決める。
12人もの陪審員が登場するが、みんなクセ者揃いだ。怒涛のトークで他を圧倒する営業職のサラリーマン(うえだ)に、ギャグを連発して場を乱しまくる喫茶店のマスター(古川)、誰よりもしっかりしている小学生(古場町)など、個性豊かなキャラクターが次々に笑いを作り出していく。事件について議論すべき場であるにも関わらず、話は二転三転。関西弁からどこ出身かを探りあったり、“おばあちゃん”という呼び名で揉めたり…大阪人のノリ全開で展開する。
新キャストの今江は、愛嬌のある大学生役。陪審員たちが事件を再現するシーンでは、被害者役を熱演して存在感を発揮した。また、とある会社の会長役の多和田は、冷静に会話をしていたかと思えば、突然はっちゃけるなど、振り幅の広い役を見事に演じていた。
そうして全編に渡って爆笑トークを繰り広げながらも、時に陪審員たちの事件への考えも語られ、議論は進んでいく。劇中には何度も、決を採るシーンが登場するが、その度に「無罪」「有罪」の票数が変わり、陪審員たちが揺れ動く姿も丁寧に描かれていた。果たして、どのような評決が導き出されるのか。
ゲネプロの行われたこの日は、古川の誕生日ということもあり、カーテンコールには誕生日ケーキが登場。わかぎからプレゼントが渡され、出演者たちから祝われた古川は満面の笑みを見せた。
なお、警備員役の日替わりゲストとして、ゲネプロおよび初日は東野ひろあきが務めた。

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