読めばきっとライブを見たくなる MA
RiA(GARNiDELiA)、Hikaru、春奈るな
、0C(CODE OF ZERO)、茉莉奈(START
TO BLING)『LADY BEYOND』直前座談会

女性の、女性による、女性のための。ではなく、ジェンダーレスな時代のための、理想と希望を高々とを掲げるライブイベントがスタートする。11月21日、クラブチッタ川崎、その名は「LADY BEYOND」。6組の出演者はすべて女性ボーカルのソロ、ユニット、バンドばかり。百花繚乱のパフォーマンスで、ステージ上から力強くメッセージを発信する、画期的なライブイベントだ。

SPICEでは、イベントの第一回開催を記念して、出演者による直前インタビューを敢行。MARiA(GARNiDELiA)、0C(CODE OF ZERO)、春奈るな、茉莉奈(START TO BLING)、Hikaruに5つの質問をぶつけ、ライブへの抱負を存分に語ってもらった。読めばきっとライブを見たくなる、強く美しい女性たちの本音トークを楽しんでほしい。お楽しみに。そして11月21日、クラブチッタ川崎で逢おう。(※NightOwlのメンバーはスケジュールの都合で欠席)
撮影:荒川潤
――最初の質問は「単独ライブとイベントライブの違い」です。フェスやイベントに出る時は、「爪痕を残してやろう」と思うのか、「とにかく楽しもう」と思うのか、それぞれの経験を話してもらえたらと思います。
茉莉奈:私は、ソロライブだからとか対バンライブだからとか、ステージに立つ上での気持ちはそこまで大きく変わらなくて、「先陣切って誰よりも楽しんでやろう」っていうのが一番先にありますね。自分が一番楽しめないと、一緒にステージに立ってくれる人もお客さんも、たぶん楽しんでくれないと思うので。どっちかだからということではなく、誰よりも楽しんでやろうっていうふうに思ってます。
MARiA:えー、すごい。優しい世界ですね!。

撮影:荒川潤

――いい発言、最初に出ちゃいました。締めの言葉みたいな。
春奈るな:一緒です(笑)。以下同文です。
MARiA:以下同文でーす! いやいや、これじゃ終わっちゃっいますね(笑)。ほかにもあるでしょ、絶対。
春奈るな:最近はコロナもあってソロライブもなかなかできなくて、すごくもどかしい思いをしていて、逆にコロナがあったからこそオンラインライブの楽しさに気付けたということもあったんですけど、こうやって久々に対バンライブに呼んでいただいたので、爪痕を残してやろうというよりは、来てくれたリアルなお客さんたちと一緒に音楽を楽しめたらいいなっていうのがあります。オンラインでみんながコメントをくれるのもすごくありがたいけど、目の前にお客さんがいて音楽を届けることがこんな尊いものなんだなということを、最近すごく感じているので、その時間をみんなと一緒に、出演者のみなさんとも一緒に、楽しい時間を作るのが一番だなって思ってます。
撮影:荒川潤
――確かに、みんながその環境に飢えていたから、楽しみたいという気持ちがより強くなるのはすごくわかります。
春奈るな:ライブ一本に対する思いがすごく変わった気がしますね。ライブができなくなった期間が長かったぶん、ガツン!と行きたいなって思います。
――今のところ、「爪痕を残したい派」はいないですね。
春奈るな:ライブで爪痕って、なかなか難しいですよね。
Hikaru:ソロライブですら、お客さんに爪痕残すの、難しいですよ。
茉莉奈:ひっかくしかないですかね。
撮影:荒川潤
――そういうことですかね、物理的に(笑)。
MARiA:フェスやイベントって、いわゆるアウェーではあるじゃないですか。初めてのお客様さんがいっぱいいるのがフェスだから、私はどっちかと言ったら爪痕残したい派なのかもしれない。限られた時間の中で、いかにGARNiDELiAらしさをみんなに届けられるかは、常に考えていることではあって、逆にワンマンの時はすごい安心してステージに立てるんですよ。みんなが私たちのことだけを見に来てくれてるという信頼関係があるから、どういうセトリを組んでも「今日はこの感じで来たんだ」みたいな感じで受け取ってくれる。でもフェスの時って、すべった時は大すべりするから、「あれ? 全然刺さってないな」みたいな状態になる時もあるんですよ。逆に「え? この曲そんな盛り上がる?」みたいなことが起きたりするのも、フェスの面白いところだなと思ってて、それはそれですごい面白いし、すべったらすべったで面白いし、みたいなところはあるんですけど、どっちにしても「うちらにしかできないパッケージ」をどう作るか? っていうのはすごい考えます。その上でいかに楽しんでもらえるか? がポイントだと思うので、一曲でもいいから、いや、一曲も刺さらなくていいからGARNiDELiAの名前だけ覚えて帰って欲しいなって思います。
Hikaru:私は、ステージの上で自分が出せる最大限を短い中に凝縮しつつ、そのフェスやイベントの色みたいなものを取り入れたいなと思う方なので。今回だと「自分らしく生きる」とか「女性ならではのカッコよさを表現する」とか、そういうものをセトリやMCに入れたりとか、前後の流れも意識していこうと思ってます。自分のライブは自分で構成して流れを作れるけど、フェスやイベントはそうはいかないので、やっぱ当日になって帳尻合わせじゃないけど、前の方アーティストさんがこういう感じでやったから、自分ではこういうセトリを組んだけどその中でどう調整していこうかなとか、この場をみなさんに楽しんでもらうためにはどうすればいいのか?を考えながらやるのがフェスやイベントかなっていう感じはします。
0C:もう全部みなさんに言っていただいた感じなんですけど…フェスっていうか、対バンとソロライブの違いは、流れができるというところで、予期せぬ流れがあったりだとか、お客さんの盛り上がり方が変わるとか、そこはもうほんとに読めないんで。私はけっこう、その場でセットリストを変えちゃったりするんですけど。
春奈るな:えー!
0C:で、怒られます(笑)。よく怒られるんで、それを良しとしてくれるチームかどうかということも大事だったりするんですけど(笑)。でも本当に、「この流れで来たか」と思ったら、一曲目を変えたりするので、そういう意味では「爪痕派」かもしれないです。
MARiA:一曲目を変えるってすごいよね。
0C:今回の「LADY BEYOND」というのは、私のすごく好きなテーマっていうか、女性らしさでもあり、それを超える瞬間であり、というものを、みなさんがライブ当日に絶対見せてくれると思うんで、その時に自分が感じるものを吸収して出したいので、超楽しみです。
撮影:荒川潤
――二つめの質問に行きますね。「今回共演されるアーティストの中で注目している人は?」という、これは具体的な名前でもいいですし、ライブでは各アーティストのどういうところをポイントとして見てみたいとか、そういうことでもいいんですけど。
0C:Hikaruさんもおっしゃってたんですけど、今回の「LADY BEYOND」っていうテーマに対して、みなさんがどういうふうに思ってステージに立たれるのかっていうのがすごい気になるし、そこが本当に楽しみです。楽曲もそうだし、楽曲の中で伝えてるものだったり、MCでも何を言われるのかなっていうのは楽しみだし。言いたいことを先に言われたら、「うわぁ!」ってなると思いますけど(笑)。まったく知らんふりして同じことを言ったら、絶対恥ずかしいんで、そこでもう全然違うことを言うのか、さらに盛り上がるように言うのか、もうちょっと別の表現にしようとか、そういうことは考えると思うんで。みなさんの「LADY BEYOND」の解釈はそれぞれ違うと思うんで、それがどういう風にステージに出るのかがめっちゃ楽しみです。
Hikaru:私は、人のステージを見ることがけっこう久しぶりなので、みなさんがどうやってお客様に対して向き合ってるのか、どういうふうに届けたいと思ってるのか、それを見るのがすごく楽しみだなと個人的には思ってます。たぶんみんな、その場の雰囲気を自分のライブの色に持っていくために何かしら仕掛けていくとは思うんですけど、それがライブを見ててすごく楽しいところだなって個人的に思うので、そこが注目ポイントかなとは思っています。
MARiA:年齢層もね、色々だし。
Hikaru:そう。今の若い人たちはどういう音楽を聴くんだろう?とか、どういう風に発信されたらグッとくるんだろう?とか、やっぱり人のライブを見たり、新しい音楽を聴かないと、そういうのって取り入れられないので、そこは自分も勉強だなって思います。先を見た時に、どうやって自分が歌っていきたいか?ということを考えながら、今後のための勉強としても毎回ステージに立ってるつもりなので、こういう機会があるのはすごくありがたいですし、自分の中ではそういうところが注目すべきところだなとは思っています。
撮影:荒川潤
――どうします? Hikaruさんに、ステージのソデからガン見されたら。
0C:うれしい…(照)。
Hikaru:隙あらば共演者さんのステージを見たいですよね(笑)。
春奈るな:みんな、ソデでずっと待機してる(笑)。
MARiA:このイベント、きっとそうなりそう(笑)。いい意味でヒリついたイベントだなというか、それぞれ信念を持ったアーティストが揃うライブだから、ステージングにも個性が出るだろうし、それぞれが生きてきたものがたぶん見えるんだろうなって思うから、楽屋にいるのはもったいないフェスですよね! お客さんの層も違うだろうし、アーティストごとに空気がかなり変わると思うから、会場がどんなテンションなのかはステージに立つまでわからないと思います。楽曲を演奏していく中で「あ、こういうのが好きな人たちなんだな」というものが見えてくるような、ライブはナマモノだということを強く感じられるライブになりそうだなって思ってます。みんな同じ界隈で、見たいものが定まってるイベントとはまた違うので、「この人誰だろう?」みたいな感じで見てる人たちも必ずいると思うんです。
春奈るな:やだー。怖い怖い。
撮影:荒川潤
――お客さんの顔って、けっこう見えるんですか。
MARiA:めちゃくちゃ見えてます。なんなら、少しつまらなそうにしてる人の方がよく見えてしまったりします(笑)。会場中が「イエーイ!」ってなってる中で「…」みたいな人とか。
0C:私、それライブ中に指摘しちゃったことがあったんですけど。関係者さんでした。
全員:あははは!
茉莉奈:それはしょうがないよね、お仕事だから。
0C:でもなんか言っちゃうんですよ。手を上げてなかったりとかすると「そこ!」みたいな。
MARiA:みんなの顔ちゃんと見えてるよ! って。逆にそうした人をいかにつかんでいくかも、気持ちいい瞬間だったりするじゃないですか。つまんなそうだった人がめっちゃ手を振ってくれるようになったとか、アーティスト側からすると、すごく気持ちいいタイミングだったりする。その会場の風景をどれだけ自分色に染められるか、今回はそれがすごくわかりやすく出るイベントになるんじゃないかなと思います。
春奈るな:私は、もちろんみなさんのパフォーマンスは気になるんですけど、お客さんのノリかたが気になりますね。アニソン界隈だけだと、アニソンのノリかたでライブが終わっていくんですけど、他の界隈のファンの方が混じるとすごい化学変化が起きるというか、けっこうそれを感じたことがあるので、今回もそんなことが起きるんじゃないかな?っていう感じがしてますね。ここでこんなコールが入ってくると、この曲がこんな変わるんだとか、歌って本当にナマモノで、生きてるんだなというふうに感じるので。今回は違う界隈のファンの方が来てくださると思うので、その変化を味わうのも楽しみです。
茉莉奈:私自身も、いつもと違うアーティストさんと絡ませていただくことで、新しい発見があると思いますし、お客さんの側も新たな発見というか、こういう音楽の時はこういうファンの方々がこういう音楽の楽しみ方をしてるんだっていうのを、すごい楽しめるんだろうなって思います。私は元々、対バンとかフェスの時って、客席でお客さんと一緒にウェイウェイやってる側なんですけど、今回もそうなるだろうなって思います。

撮影:荒川潤
――では三つめの質問。「LADY BEYOND」というタイトルに引っかけて、「こんな女性になりたい」という理想像を、アーティストでも他のジャンルの方でも誰でもかまわないので、語ってもらおうかなと思います。誰から行きます?

0C:はい! 私はアーティストだったらシンディ・ローパーさんがすごい好きなんですけど、そこを語るよりも、憧れということで言うと、自分のおばあちゃんがすごい好きなんです。うちのおばあちゃん、めっちゃ怖くて、でもおもろいんですよ。優しい感じの人ではないし、すごく怒るので、周りに賛否あるところもあるんですけど、でも自分の考えに超忠実に生きてる感じがすごい好きで、あんまり人の意見も受けないし、強いなっていうところが本当に好きなんです。私もいつも怒られてるんですけど、私のことを思って怒ってるなっていうのがわかるし、芯が一本通ってるところが好きなので、そういう人になりたいです。
――いいおばあちゃんですね。
0C:はい。最初におばあちゃん枠、取らせていただきました。
茉莉奈:じゃあ次の枠取っていいですか(笑)。私もシーちゃんと似てるところがあって、憧れてるアーティストさんは椎名林檎さんで、強くて格好いい素敵な女性として尊敬してるんですけど、私にとってのおばあちゃん枠というか、昨日ちょっとお母さんとたまたまLINEしてて、ふと思い立って聞いてみたことがあるんです。うちの母親は資格をめちゃくちゃ取る人で、なんでその歳になってその資格を取るの?っていうくらい、いろんな資格を取るんですよ。
撮影:荒川潤
――それは、たとえば?
茉莉奈:最初は色彩検定を取って、そのあとケアマネージャーの資格を取って、マッサージ系の資格を取って、あと薬局で働ける薬剤師系の資格も取って。どれも一か月くらいで取れるような簡単なものじゃなくて、半年とか3年とかかけて取って、それをちゃんと仕事に繋げてたりしてるので。そのやる気の源って何だろう?って思って、昨日の夜LINEで聞いてみたんですけど、今朝返ってきた返事が「教えない」って。
MARiA:教えてくれないんですね(笑)。
茉莉奈:あんたも歌うたってて、大勢の前で頑張っててすごいじゃんみたいな、なんかお互いをほめ合うことで終わっちゃったんですけど。自分が今頑張ってることとかも、どこかしらでずっと見てきた母親の面影だとか、頑張って勉強して、寝ずにずっと机に向かってる姿がたぶん脳裏に焼き付けられてて、それが自分の活力というか、やる気につながっているんだろうなっていうふうに思って、今朝すごい尊敬してたんです。母親に対して。という、母親枠を取りました。
MARiA:理想とする女性の家族枠はもう埋まったかもしれないですね。あとはお姉ちゃん枠とか(笑)。
春奈るな:私は、こういう女性になりたいというよりは、自分らしくありたいなって思うことが強いです。アニメやゲームに救われた人生を過ごしてきてるので、それこそおばあちゃんになってもコミケに始発で行けるような人生でありたい。コミケの時は必ず始発で行って、始発ダッシュできるような、年齢とか性別にとらわれたくないというか、やっぱりこういうオタク的な趣味とかロリィタファッションとかって、「いくつまでやってるの?」ってすごく聞かれるジャンルなんですよね。でもそれが「春奈るな」を形成してるすごく大切なものなので、その気持ちに嘘をついて生きていきたくないし、ありのままの自分をいくつになっても貫き通していきたいので、自分らしさをありのまま表現できる女性でありたいなっていうのがすごくありますね。
MARiA:かっこよ!
茉莉奈:おばあちゃんになっても、始発でコミケ行ってほしい。
春奈るな:そのためにもずっと健康で元気で、推しのために生きていきたいなって思ってます。
Hikaru:私は…今の世の中はジェンダーレスと言われて、男女関係なくその人が出来ることをやろうよっていう世情だとは思うんですけど、女性にしかできないこともやっぱりあるし、男性にしかできないこともある。そうやって、差別じゃなくて区別をして、女性だからできることをちゃんと自分の信念を持ってしている人は、すごくいいいなって思いますね。とらわれすぎず、だけどちゃんと理解して動いてるっていうのがかっこいいなって思います。
撮影:荒川潤
――はい。なるほど。
Hikaru:女性だからできることって何かを考えるとけっこう難しくて、それって男性にもできるじゃん、でも女性がやるから格好いいじゃんっていうこともある。枠にはめるんじゃなくて、枠を取り払う意味で、「女性ってこうだよね」って考えられるようなイベントが「LADY BEYOND」だと思うんですね。だから、難しいけどやりがいはすごくあるイベントだと思ってます。
MARiA:みなさんのすごく素敵なお話の後にあれなんですけど…私がなりたい女性というのは、身近に思い浮かぶ人物像がいるわけではなくて、小さい頃からすごい変身願望あって、セーラームーンとかキューティーハニーとか、全然違う自分になってキラキラしてる女の子にすごい憧れがあったんです。だからMARiAがステージに立つ時は、ビジュアルコンセプトもめちゃくちゃ凝るし、衣装も自分でプロデュースする。それは小さい頃の憧れから始まってるんだろうなと思うんですね。自分がなりたい女の子にMARiAがなってほしいという、なんか不思議な目線なんですけど、ステージにいるMARiAのプロデューサーとして、「MARiAはこうあってほしい」というものをずっと作り続けてきた感じなんです。
――ああー。それはライブを見ていて、わかる気がします。
MARiA:まだ全然追いついてないですけどね。でもそこに近づけるように努力してきたから、目でも耳でも楽しんでもらうっていうのがGARNiDELiAのライブコンセプトなんです。音と視界とセットでみんなでワクワクする世界を届けていきたいなっていうのが自分の根底にあるもので、それは小さい頃に見た、キラキラした憧れに向かって自分は歩んで行ってるんだろうなって思ってます。ちっちゃい頃に見たものって、ずっと残ってたりするじゃないですか。いくつになっても自分らしさとか、あの時好きだった感情を忘れないで、ずっとキラキラさせていたいなっていう気持ちがありますね。
撮影:荒川潤
――それぞれの理想が、本当にそれぞれっぽくてすごく面白いです。では4つ目の質問。「女性アーティストであるメリットとデメリットは?」というものなんですけど、デメリットって言葉はちょっと語弊がありますかね。何て言ったらいいか。
Hikaru:衣装を着替える時に困るというところはデメリットじゃないかな? 男性はその場で着替えられるけど、私たちはTシャツだけ着替える時とかも一回衣装部屋まで引っ込まなきゃいけないから(笑)。メイクとかは男性でもする方はいるから、変わらないんですけど、服を脱ぐっていう行為は、女性側が良くても男性が気を遣ってくださるパターンもあるから。
MARiA:早替えの時に、気を使うのはあるよね。
春奈るな:私、何も思い浮かばない…。
0C:物理的なことにになっちゃうんですけど、バンドは機材が多いので、男性メンバーと一緒に運んだりする時に、自分だけめっちゃ疲れてるなっていうのはあります(笑)。筋力がないから。それをデメリットって言っていいのかわかんないですけど、「申し訳ない、すみません」みたいな。
撮影:荒川潤
――茉莉奈さんは、隣でギターを弾いてる、いかつい男の人がいるじゃないですか。ちゃんとレディとして扱われてますか。
茉莉奈:レディとしてはたぶん扱われてないかなという気はしています(笑)。でも私は音楽をやる上で、女性と男性のメリット/デメリットってそれぞれあると思うんですけど、女性アーティストとしてのメリット/デメリットについて、そこまで考えたことはあんまりなくて。いつも申し訳ないなと思うのはメイクの時間と着替えの時間で、時間と場所を一番とってしまうから、そこは申し訳ないなと思ってますけど。
MARiA:メイク時間はどうしても長くなってしまいますからね。
茉莉奈:あと、アンコールになって、Tシャツに着替える時も、みなさんバーッて脱ぐじゃないですか。私も同じようにやったことがあるんですけど、Hikaruさんがおっしゃってた通り、「あ、ダメなんだ」って(笑)。
MARiA:こっちが気にしなくても向こうに気を使わせてしまいますね。
茉莉奈:それはやっぱダメだよなって思いました(笑)。でもそのほかは、もちろん男性アーティストもすごくカッコいいなって思いますし、一緒に音楽やってるメンバーも男性としても魅力的だなって思うけど、音を合わせる上では男と女っていう感覚はあんまりなくて、一人の人間として見てるって感じですね。それぞれの魅力をそれぞれが見てる、そういう交わり方をしています。
0C:私がよく聴いているのは女性のアーティストさんばっかりなので、メリットっていうのかわからないですけど、女性の歌声にすごく惹かれる部分はありますね。男性のアーティストも格好いいなって思うんですけど、やっぱり聴いてるのは女性の歌ばっかりなので、本当にこの「LADY BEYOND」というライブが楽しみだし、女性の声はすごく魅力的だなと思います。
MARiA:女の子だからお行儀良くしなきゃとか、見られ方が男性アーティストと女性アーティストで違うなとは思いますね。男性アーティストの友達も多いから、思うことでもあるんですけど。
Hikaru:たしかに品は求められるかもね。
MARiA:そうそうそう。男の子なら「やんちゃでいいね」って言われるところが、女の子だと「ちゃんとしてください」みたいな。私は「え? 別によくない?」って思っちゃうタイプなので、その感じを壊していきたいなと思ってたくましく生きております(笑)。
茉莉奈:私、お弁当を歩きながら食べてたら、メンバーに怒られました(笑)。
MARiA:私もよくメンバーに怒られる。「女の子なんだから」みたいな。立ち居振る舞いとかも、たとえば脚を広げて座ってたら、「はい、脚閉じてください」みたいな、そういうのってあるじゃないですか。まあ、脚は閉じたほうがいいんですけど(笑)。逆に気にさせちゃってすみませんみたいな感じなんですけど、そういうのはちょっとあるなって思う。でも私は自分らしく生きていきたいと思います!

撮影:荒川潤
――素敵です。そして5番目の質問、というか、これはみなさんへのお願いです。いよいよ11月21日、クラブチッタ川崎、「LADY BEYOND」のライブが近づいてきました。今これを読んでいる人に「行ってみようか」と思わせる、最後の一押しになる言葉をお願いします。

0C:月曜日は一週間の始まりの日なので、みんなちょっと憂鬱じゃないですか。なので逆に、来たら火曜日からも頑張れるかもしれない。来たほうが元気よくなって活力が…。
Hikaru:生まれる可能性も。
0C:平日は忙しいかもしれないですけど、(急に低い声で)でも、来た方が逆に、一週間頑張れると思うな。
MARiA:圧!!(笑)
0C:スマホ見てるより、やっぱり生でライブ見るほうが、すごいエネルギーに満ち溢れてるじゃないですか。絶対感じることがあるじゃないですか。感じることがあってほしいと思って、こっちも全力で伝えるので、来ないよりも来た方が絶対楽しいです。それはもう土曜日でも日曜日でも月曜日でも、どこでも一緒だと思います。
撮影:荒川潤
MARiA:すごく信念のある、強さの種類の違う強い人たちが揃ったイベントだなと思ってて、異文化交流じゃないですけど、おのおのが生きてきたものが一度に揃うイベントっていうのも、なかなかないかなって。しかもこんなに強くたくましい女性たちが揃うこともなかなかありませんので、ここでしか見られないステージングだったり、ここだからこそ持ってくる楽曲とかも絶対あると思うんですね。他のフェスでは出さない曲とか、「LADY BEYOND」というテーマだからこういうふうにはめてきた、みたいな作り方を、おのおのがしてくるんじゃないかなって思ってて、絶対に来ないと後悔するよって言っておきます。
春奈るな:それこそジャンルもバラバラだし、いろんなテンションになれると思うんですけど、やっぱり音楽って生で体感するのが一番楽しいし、私もそれをこの2年ですごく痛感したので。ライブが開催されるのって当たり前ではなくて、このメンバーが揃うのもめぐり合わせというか、良い一日になると思うので、ぜひそれを体感しに来てほしいです。私は、対バンで呼んでいただく時ってあんまりバンドでやらないんですよ。基本的にオケでやることが多いんですけど、今回はバンドなので、ザ・音楽のライブっていうものを体感していただけると思いますし、アニソンもバンドも、いろんなジャンルの音楽を一気に楽しめる日になると思うので、ぜひ遊びに来てほしいなと思います。
撮影:荒川潤
茉莉奈:いろんなイベントが毎月行われていく中で、「LADY BEYOND」という女性にフォーカスしたコンセプトがあって、そのコンセプトに賛同してくれた人たちが出るイベントだと思うので。今日いらっしゃれなかったNightOwlさんも含めて、それぞれの持ってる魅力だとか、それぞれの持ってる女性のカッコよさっていうものを、目の前で実際に体感していただきたいなっていうふうに思っています。つまり、「来いよ!」っていう話です。
Hikaru:かなり強めな圧が(笑)。私は、音楽っていうものに基本的には性別はないと思っていて、「LADY BEYOND」というタイトルがついてますけど、だからこそジェンダーレスのこの時代をもう一度考えてみるきっかけにもなると思うし、ただ音楽を楽しみに来るっていうのもいいと思います。コロナによる制限は少しずつ緩和されつつあるけど、まだストレスの発散の仕方が難しい世の中だと思うので、そのための一つの癒しとか、パワーとかにしてもらえたらいいなって思います。当日、音を聴いて、体感して、いろいろ受け取って帰っていただけたらうれしいです。
ぜひ、会場でお会いしましょう。
撮影:荒川潤
取材・文:宮本英夫 撮影:荒川潤

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