【MAN WITH A MISSION
ライヴレポート】
『MAN WITH A MISSION Presents
Break and Cross the Walls
Tour 2022』
2022年11月06日 at 有明アリーナ
6人のストリングスと鍵盤奏者を配し、5匹のオオカミたちが姿を見せると、「Break and Cross the Walls II」でショウはスタートした。壮大な幕開けで観客を驚かせ、すかさず「Dive」へと突入。緩急をつけた疾走感あふれる曲調の中、“テメエラ、全員デカカッテコイヤー!”とJean-Ken Johnny(Gu&Vo&Raps)は煽りを入れ、会場の温度は急上昇。「All You Need」に入ると、ここでもストリングスの演奏が映え渡り、華やかさの中にダークなメロディーが照り輝く。ミクスチャーロックの爆発力を魅せつける「Get Off of My Way」を経て、エモーショナルな歌心に射抜かれる「Blaze」に移る流れにも興奮せざるを得なかった。
“コノツアーデヤッテナカッタ曲”とJean-Ken Johnnyが言うと、バラード曲「Rain」を披露。観客はスマホのライトで会場中を灯す。壮大かつ劇的な曲調に深く感動したのは言うまでもない。「Emotions」「Dark Crow」とつなぎ、続いて「blue soul」をプレイ。この曲ではSpear Rib(Dr)がカホンを叩き、Jean-Ken Johnnyは弾き語りバージョンで豊かに歌い上げていく。そして、YouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』のパロディー動画で観客を笑わせ、ショウは後半戦へ。明るい高揚感に包まれた「Tonight,Tonight」を放ち、会場のテンションをさらに押し上げていく。「Take What U Want」「The Soldiers From The Start」を挟み、アコースティックバージョンで「小さきものたち」を披露。ピースフルな音色はコロナ禍、戦争など混乱する世界に対し、オオカミたちによる”祈りの歌”として心に響いた。「Take Me Under」「 Raise your flag」に進むと、“一緒二歌オウゼ!”と呼びかけ、♪ウォー!ウォー!〜の合唱で観客と一体化する場面にはグッとくるものを感じた。
“アナタタチノオカゲデ、イイツアーニナッタ!”(Jean-Ken Johnny)と改めて感謝の言葉を述べ、本編ラストに「More Than Words」を解き放つ。スクリーンに歌詞が流れ、《いつだって僕らは旅を続けるのさ/つなげる そう夢をつないでく そのために》という言葉に胸を突かれる想いだった。アンコールに応えるとスタジアムロック風の大振りなリフを用いた「Rock Kingdom」、言わずもがなのライヴアンセム「FLY AGAIN -Hero's Anthem-」を最後に投下。アリーナをひとつに束ねる凄まじい熱狂振りで、全18曲を駆け抜けたオオカミたち。『Break and Cross the Walls II』は”戦い抜くこと””平和への希求”など深いメッセージを込めた楽曲が多かった。どんな困難な時代になろうとも、一歩ずつ前に進んで行くんだ!というパワーは、ここに集まった大勢の観客に伝わったことだろう。これまでになくタフな意志を極上のエンターテイメント性で包み込んだパフォーマンスは“圧巻”以外の何者でもなかった。
撮影:酒井ダイスケ/取材:荒金良介
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