【オメでたい頭でなにより
インタビュー】
今のご時世もあり、
これを表現しないと
今後ふざけられない
この文化は廃れていないし、
変わらずにやっている奴らがいる
楽曲単位でも話をうかがいたいのですが、「超クソデカマックスビッグ主語」はSlipknotのオマージュを入れつつ、今作の中ではかなりラウドな曲調ですね。
324
ヘヴィな曲は好きですからね。この曲があることでラウドロックの体裁は守られているかなと。これは僕が1から10までやった曲で、デモは2019年頃にあったものなんですよ。
歌詞はネット社会をチクリと刺し、息苦しい世の中を皮肉した内容ですよね。
赤飯
真っ直ぐ皮肉しているという意味では「すばらしい時代」もそうですね。このタイミングだから出てきた曲だと思います。高峰秀子さんの「銀座カンカン娘」を聴き、誰かが書いたレビューを読んで、Aメロの着想を得ました。あの時代は焼け野原やったけど、“ここからまた作っていけばいいじゃない!”という希望にあふれていて。今の時代は物はあふれているけど、心が焼け野原になっていて、この状況は皮肉やなって。昔の人が今の時代を見たら何て言うのかなと。
あと、「HAKUNA MATATA」はエレクトロ強めの新しい曲調ですね?
赤飯
KSUKE(DJ/DANGER×DEER from コロナナモレモモ(マキシマム ザ ホルモン2号店))にお願いして作ってもらったんです。今までのうちらにはない世界観で、すごく面白い曲になりました。ライヴでぽにきんぐだむがホイッスルを吹くんですけど、それもハマっているなと。初見さんでも楽しめるし。
324
サウンドがめっちゃいいよね。俺も打ち込みで作るけど、昨今のミクスチャーバンドはガチのトラックメーカーがいて…例えばBring Me The Horizonもキーボード奏者が加入してアリーナバンドになりましたからね。この曲では俺たちに足りない部分をKSUKEくんが担ってくれました。
赤飯
KSUKEは“お客さんをどんなふうに楽しませればいいのか?”を体感でアップデートしている人やから。その熱量のままやってくれたし、“最後にホイッスルを入れたほうがいいですよ”というアドバイスも彼がくれたんですよ。
そうだったんですね。「プレシューズ」は赤飯さんが好きな歌謡テイストが色濃く出ていますね。
赤飯
それもありつつ、めちゃめちゃストレートなJ-POPですね。歌詞の内容はmaoからお父さんへのお手紙という感じです。それを324がサポートして。これもうちらになかったテイストですね。
324
デモ自体は昔からあったけど、なかなかハマらなかったんですよ。今回、maoがこの曲で歌詞を書いてみたいと言い出したから。
これは亡くなったお父さんに向けたものですか?
324
そう! 存命のうちに書いておきたい焦りがあったみたいで。
赤飯
どこまでしゃべっていいか分からないけど、ここに書いてあることはノンフィクションで、それがモチベーションになったみたいですね。人生はいつ終わるか分からないし、その大切さに彼が気づいたという。
《そばにいることは当たり前じゃない》というフレーズはコロナ禍にも通じる内容だなと。
赤飯
確かに。324のアドバイスもあって歌詞はまとまったと思う。
324
彼は初めての挑戦で拙い部分もありましたからね。“そこは全部説明しなくていいよ”みたいな(笑)。
赤飯
その流れで言うと、「意味ない歌」はシライシ紗トリさんにお手伝いしてもらったんですよ。
324
そう! アレンジだけではなく、作詞に関しても助言をいただいたんです。シライシさんは間口を広げて、キャッチーにすることが得意なんですよ。最初は自己の反省の曲で相手はいなかったけど、“明確に相手がいて、その人に言ってあげる感じで書いたらどう?”と言われて挑戦してみました。その結果、ラブソングになったんです。
《孤独も 悲観も 残さず 貰うよ/選んでくれた事 報いたいと願うだけ/だから傍においでよ》という直球の歌詞もいいですね。
324
真っ直ぐな歌詞は書かなかったけど、過去に「ピ」(『オメでたい頭でなにより1』収録曲)というラブソングがあったから。バンドでは初めてではないので、少し安心して書けました。
324
今までにない雰囲気だからね。しっかりした歌モノにホーンを入れることもなかったので楽しかったです。
この曲のヴォーカルはすんなりと歌えました?
赤飯
そうね。300テイクぐらい録って、取っかかりを掴みました。
324
赤飯はエグいシャウトや女声で注目されているところもあるけど、そうじゃなくて、素のストレートな声で歌ってほしかったんですよ。
赤飯さんのリラックスした歌声がまたいいですね。
では、10月から今作のレコ発ツアーが始まりますが、どんな内容にしようと思ってます?
赤飯
結成6周年ライヴで得た気づきも反映させつつ、新旧織り交ぜたセットリストに加えて、新鮮味も欲しいですからね。1曲目の「きなしゃんせ。」ではアドリブを入れて、各地で台詞を変えようかなと。その街に行って感じたことや思ったことを言えたらいいですね。
324
フリースタイルね。各地を回るツアーは久しぶりなので、全18カ所噛みしめたいですね。
赤飯
地方の人でライヴハウスに足が遠のいた方もいるかもしれないけど…この文化は廃れていないし、変わらずにやっている奴らがいるんで思い出してほしいなと。来てくれたら最大限に楽しませる自信しかないので。
取材:荒金良介
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アルバム『オメでたい頭でなにより3』2022年9月28日発売
PONY CANYON
『オメでたい頭でなにより 全国ワンマンツアー ~今 いくね くるね 3~』
10/02(日) 三重・松阪M’AXA
10/05(水) 千葉・LOOK
10/22(土) 熊本・Django
10/23(日) 福岡・BEAT STATION
10/29(土) 新潟・NEXS
10/30(日) 石川・金沢AZ
11/02(水) 秋田・Club SWINDLE
11/03(木) 岩手・盛岡CLUB CHANGE WAVE
11/05(土) 北海道・札幌ペニーレーン24
11/19(土) 大阪・なんばHatch
11/20(日) 愛知・名古屋DIAMOND HALL
11/23(水) 長野・CLUB JUNK BOX
12/01(木) 静岡・UMBER
12/03(土) 香川・高松MONSTER
12/04(日) 広島・CLUB QUATTRO
12/10(土) 宮城・仙台Rensa
12/11(日) 栃木・宇都宮HEAVEN’S ROCK VJ-2
【2023年】
1/08(日) 東京・EX THEATER ROPPONGI
オメデタイアタマデナニヨリ:2016 年8 月29 日始動。赤飯(Vo)、ぽにきんぐだむ(Gu&Vo)、324(Gu)、mao(Ba)、ミト充(Dr)の日本一オメでたい5組ロックバンド。ライヴに足を運んでくれた人たちがひとりでも多く“楽しく、幸せに騒げる、底抜けに自由でオメでたいバンド”をコンセプトに活動中。18年4月4日にシングル「鯛獲る」でポニーキャニオンからメジャーデビュー。23年からは『大寿祭』と題したワンマンシリーズを立ち上げ、各地で“新しいライヴハウスの形"を作り始めている。オメでたい頭でなにより オフィシャルHP
3rd ALBUM
「オメでたい頭でなにより3」trailer