スペインを舞台にした愛の悲劇、舞台
『血の婚礼』が上演中 木村達成、須
賀健太、早見あかり、安蘭けいなど出

2022年9月15日(木)より渋谷・Bunkamuraシアターコクーンにて、舞台『血の婚礼』が上演されている。本公演のオフィシャルレポート、公演動画を紹介する。
【10/2まで東京公演上演中】舞台『血の婚礼』ダイジェスト映像/木村達成、須賀健太、早見あかり安蘭けい
スペインの伝説的劇作家、フェデリコ・ガルシーア・ロルカによる最高傑作とも謳われる官能的な愛の悲劇『血の婚礼』。本作は、スペインのアンダルシア地方で実際に起きた事件を元に1932年に執筆され、世界中で上演が繰り返されている名作戯曲。
花婿:須賀健太  撮影:宮川舞子、サギサカユウマ
母親:安蘭けい  撮影:宮川舞子、サギサカユウマ
この古典とも呼べる作品を、独自の感性で観客に新鮮な驚きを与える気鋭の演出家・杉原邦生が、全く新しい『血の婚礼』を創り上げた。
舞台美術家でもある杉原が、トラフ建築設計事務所と共に創り上げた舞台美術がこの作品の独創性を表す。 舞台上に敷き詰められた、スペインを思わせる赤土と、 頭上の照明機材のアンバランスさが印象的。二幕ではそれがガラリと変わる。

(左から)レオナルド:木村達成、花嫁:早見あかり  撮影:宮川舞子、サギサカユウマ
(左から)母親:安蘭けい、花婿:須賀健太  撮影:宮川舞子、サギサカユウマ
(左から)樵役:大西多摩恵、南沢奈央、内田淳子  撮影:宮川舞子、サギサカユウマ
スペイン最高の詩人とも言われたロルカの戯曲は韻文…詩的な言葉の連続となるセリフが特徴的だが、それを時に歌で、時にコンテンポラリーダンスに合わせ、はたまたじっくりと言葉だけで聞かせるなど、様々な手法で熱量高く言葉を届ける。そのエネルギーに、客席は圧倒されていく。

(中央左から)安蘭けい、須賀健太  撮影:宮川舞子、サギサカユウマ
(左から)レオナルドの妻:南沢奈央、レオナルド:木村達成  撮影:宮川舞子、サギサカユウマ
望まぬ結婚をし、過去に愛した女性を忘れられず葛藤するレオナルドは、ミュージカルの新たなスターとして大作の主演を務め、映像作品でもその実力を魅せる木村達成。今までにない色気を漂わせ、 愛に苦しむ男を演じる。
レオナルド:木村達成  撮影:宮川舞子、サギサカユウマ
結婚式当日に、花嫁を奪われレオナルドと対峙することになる“花婿”は、数々の映像作品で活躍しながらその演技力を舞台でも発揮している須賀健太。心優しい息子が狂気へと走る姿が印象的。二人の情熱がほとばしるアクションは目を奪われる。
花婿役:須賀健太  撮影:宮川舞子、サギサカユウマ
早見あかりは、抑圧から逃れようと大胆な決断をする“花嫁”を神々しい力強さで演じる。
花嫁:早見あかり  撮影:宮川舞子、サギサカユウマ
そして、過去に囚われ息子を縛る“花婿の母親”を演じる安蘭けいは、この世界の加害者でもあり被害者でもある女性を体現し、もう一人の主役とも言える。
安蘭けい  撮影:宮川舞子、サギサカユウマ
母親役:安蘭けい  撮影:宮川舞子、サギサカユウマ
“愛”に対する力強いエネルギーと、抑圧された環境から抜け出そうとする葛藤が感じられる本作。“男らしさ・女らしさ”という因習に縛られたがゆえに悲劇を招く様子は、アイデンティティを発信していく時代へと変化の真っ只中にある現代の私たちに、新鮮な発見を与えてくれるだろう。
(左から)花嫁:早見あかり、レオナルド:木村達成  撮影:宮川舞子、サギサカユウマ

(左から)花婿:須賀健太、花嫁:早見あかり  撮影:宮川舞子、サギサカユウマ

ミュージシャン (左から)古川麦、 巌裕美子、 HAMA  撮影:宮川舞子、サギサカユウマ
上演時間は1幕70分、休憩20分、2幕45分、計2時間15分予定。本公演は、10月2日(日)までBunkamuraシアターコクーンにて上演、その後、10月15日(土)~16日(日)大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティで行われる。

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