上戸彩インタビュー アリスの世界に
没入できる『特別展アリス』は飽きさ
せない展覧会になりそう

2022年7月16日(土)から10月10日(月・祝)まで、 東京・六本木の森アーツセンターギャラリーにて『特別展アリス―へんてこりん、へんてこりんな世界―』が開催される。本展は、ルイス・キャロルによる物語の構想や挿絵を手掛けたジョン・テニエルの挿絵から、ディズニー映画のアニメーションセル、バレエなどの舞台衣装やファッションなど、アリスにまつわる作品や資料約300点を展示。遊び心あふれる没入型展示演出で紹介する。展覧会サポーターを務めるのは、ドラマやCMをはじめ、吹き替え声優などでも活躍する女優・上戸彩だ。意外にも音声ガイドのナレーションを担当するのは今回が初めてだという彼女に、アリスとの関わりや本展の魅力を聞いた。
やりたかった音声ガイドの仕事、アリス役にも挑戦
ーー音声ガイドを担当するのは今回が初めてと伺いました。ナレーションの収録はいかがでしたか?
音声ガイドはやってみたいなって思っていたお仕事のひとつだったので、今回お話をいただいたときはもう、「やるやる〜!」という感じでした。今回のナレーションでは、アリス役になって話しているところもちょこちょこあったり、クイズ形式のパートがあったりします。私は普段、美術展や展覧会に足を運ぶタイプではないのですが、音声ガイドってこういう感じなんだ〜っていう新たな発見もあって。自分が収録をしてみて、他の展覧会でも音声ガイドを聴いて回ってみたいなぁって思いました。
ーー資料をご覧になって、実際に見たい作品はありますか?
《ドードーの複合骨格》が展示されるそうなので、それは生で見てみたいです。あとはやっぱりファッションですね。ヴィヴィアン・ウエストウッドの衣装や、ロイヤルバレエ団のアリス衣装はぜひ見てみたいです。
ーー上戸さんのおっしゃるとおり、本展は資料だけでなく、アートからファッションなどさまざまなアリスを網羅した展覧会です。本展の期待のほどはいかがでしょう?
絶対飽きさせない展覧会だと思います。この『特別展アリス』に関しては、原作の資料はもちろんですけど、その原作を通していろんな方々がインスパイアされて製作したものも展示されるので、いろんなものが一気に楽しめるというのが魅力ですよね。お茶会のシーンはプロジェクションマッピングで展示されるみたいなんですけど、それもまたそそられます!
“いつのまにか” 自分の周りにあったアリス
ーー上戸さんがアリスの物語に出会ったのはいつ頃でしょうか?
いつのまにか、ですね(笑)。小学校のときに見て凄く衝撃的で……っていうよりは、いつのまにか自分も見ていて、いつのまにか周りの友達もみんなが好きで、いつのまにか誰かがコスプレしていて、誰かがグッズを持っていて、という感じ(笑)。今回このお仕事をいただいて改めて振り返ってみたんですけど、私自身もいつのまにかアリスがデザインされてるTシャツワンピを持っていて、娘もアリスのコスプレ衣装を持っていて、家には本が何冊もあって、仕掛け絵本も日本語、英語バージョンがそれぞれ置いてあって……と、自然と周りにあるものでした。アリスが大好きだからと集めていたわけじゃなくても、生活の中にポンポンと潜んでいるので、私たちもたくさんの影響を与えられていることがわかりましたし、自分の家を見渡してみても本当にいろんなところに散りばめられていたんです。
ーーご自宅にある本では、お子さんに読み聞かせを?
仕掛け絵本とかは一緒によく見ていたんですけど、娘は本が好きなので、今では自分で勝手に読んでいます。そういえば、娘が毎日教科書の音読をしてくれるんですけど、このあいだ「じゃあママが読むから丸付けして」って言って、私がやってみたんです。そしたら、娘からの評価は表現が△、表情も△をいただきまして。スラスラとかは○だったんですけど、私の本職が……(苦笑)。まだまだだな〜と思いました。結構本気で読んだんですけどね、難しいです(笑)。
娘と一緒に見比べてみた、作品ごとの違い
ーーアリスの世界にはたくさんのシーンがひっきりなしに出てきます。お好きな場面はありますか?
「涙が池」はインパクトがあったのですごく覚えています。実は今回、原稿を読むときに「涙の池」なのか「涙が池」なのか、イントネーションもどこに置くのかなど色々気になっていて。(※編集部注:本展では「涙が池」。イントネーションはぜひ上戸さんの音声ガイドで確認を。)それにこの場面、ディズニーのアニメーション『ふしぎの国のアリス』にはあるけど、実写『アリス・イン・ワンダーランド』にはないんですよね。今回娘と一緒に作品を見直してみたのですが、穴に落ちる落ち方が違ったり、スピード感が違ったり、こんなシーンなかったのにね、こっちではこうなっているんだねとか、作品ごとの違いを見つけるのもすごく楽しかったです。
ーー登場人物のうち、お好きなキャラクターは?
娘は芋虫が好きです。芋虫が蝶になっていく変化も好きみたい。私たちの世代でいえばチェシャー猫が人気で、周りのみんなもグッズを持っていたりしましたし、あと『アリス・イン・ワンダーランド』を見てしまうと、マッド・ハッターも好きだなぁって思います。キャラクターはほかにもたくさん登場するので、展覧会を通してまた新たなキャラクターの魅力に気づくかもしれないですね。
ーー最後に、本展を楽しみにしている方々へ、メッセージをお願いします。
これまで美術展や展覧会に行く機会がなかなかなかったのですが、今回こうやって音声ガイドのお仕事をいただいて、展覧会というものがなんだかすごく身近なものになりました。それにアリスは、子供だけでなく、もちろん大人だけでもなく、いろんな方々に影響を与えていて。しかも著名な方々の心や才能を動かしている作品だと思うので、幅広い世代の方に見ていただいてたくさんのものを感じ取れる展覧会になるんじゃないかなと思います。本当に見ていて飽きさせない展示作りになるのではと私も期待していますし、音声ガイドがより没入型にさせてくれるような面白い作りになっていたので、私も音声入れていてすごく楽しかったですね。堅苦しくないラフでカジュアルな感じが聴きやすく、アリスの世界に没入しやすいと思いますので、ぜひ音声ガイドとともに展示を楽しんでいただきたいです。
『特別展アリス―へんてこりん、へんてこりんな世界―』は、2022年7月16日(土)から10月10日(月・祝)まで、 東京・六本木の森アーツセンターギャラリーにて開催。東京展の後は、2022年12月10日(土)から2023年3月5日(日)まで、大阪・あべのハルカス美術館へと巡回予定。

取材・文=SPICE編集部 撮影=大橋祐希

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