Awich、初の日本武道館公演オフィシ
ャル・レポート到着 ゴールであり出
発点|「来年はアリーナでやります」
あの不敵なイントロが聴こえ、《まさか女が来るとは》と挑発する「Shook Shook」へ。真っ黒いボディスーツのような衣装に身を包んだAwichは歴史的なステージを見届けようと集まったたくさんのオーディエンスを前にアジテートしまくる。ヘビーなビートが貫く「NWO」を披露した後、「まさか女が来るとは。まさかこの私がこんな形でこ
の場所に立てるとは想像もしてなかった時もあります。だけど今はそれができてる。何でもできる気がする。どこにでもいける気がします。付いてこれんの? 武道館!」とさらにアジテート。
「興奮するのはわかるけど、今日は声に出しちゃダメ。いつかこのためてた分、全部口に出せるの待っててねー!」というコロナの収束を願うMCからの「口に出して」。口に出せない代わりにハンドクラップが巻き起こる。途中で音を止め、《生死をかけて愛されるのは罪?》から始まるとびきりのバースを聴かせる。続くRIEHATA率いるRIEHATA Dancersの面々が登場した「どれにしようかな」での《女は女らしくとか うるせぇんだよShut the fuck up》というシャウトが武道館に響く痛快さといったら! 女性のためのファイト・ソングが次々と投下されていく。
「最強ガールズたちでしょ? でも今日は最強のガールズ・パワーだけでなく私の大好きな仲間たちが駆けつけてくれてます」。DJ U-LEEを紹介し、自らも一員であるYENTOWNの面々を呼び込むブロックへ。破壊力爆発のビートが炸裂した「UP IN SMOKE」が武道館を揺らし、YENTOWN CREWの凄みを見せつける。
武道館2階席からつるされた沖縄の旗を指差し、「あの島で教えられた精神が今の私を作ってます」と話し、同じ沖縄出身のOZworldとCHICO CARLITOを呼び込み、沖縄のカルチャーの象徴でもある首里城が3年前に火災で焼失したことについて書いた「琉~Ryu~」。AwichのリクエストによってOZworldがスペシャル・ゲストの唾奇を招き、ふたりでOZworldの楽曲「NINOKUNI」を披露するサプライズもあった。
白いベアトップ・オールインワンの衣装に着替えたAwich。アメリカで最愛のパートナーを亡くし、彼の遺志に則り、愛娘と一緒に遺灰を海と空にまいた時のことを歌った「Ashes」へ。ビジョンには海辺で亡き家族について話す幼き日の愛娘とAwichの映像が流れる。その映像を見つめるAwich。「いつもそばにいてくれて笑顔と勇気をくれたとても強い人がいます」と言い、愛娘Yomi Jahを迎えた「Jah Love」を披露。親娘3人の絆が母と娘によって歌われる。特に《どん底からここまで You held me up》というフレーズは、武道館において格別の響きを伴って鳴っていた。
いでやってきてよかった。ヒップホップが私を助けてくれたし、私の声をみんなに届けてくれた。いろんな場所にストーリーがあるって教えてくれた。そんなヒップホップに感謝」。ヒップホップの流儀のひとつである自らの育ったエリアをボースティングする「Link Up」だ。沖縄をボースティングするAwichに、東京出身のKEIJU、東海出身の
¥ellow Bucksが続く。《そこにもストーリーがあると知った》《要らない壁はもう、砕け散った》というリリックを体現するリアルが炸裂する。
盟友・KEIJUと「Remember」を披露した後、ビジョンにAwichと鎮座DOPENESSとDOGMAの顔写真がでかでかと映し出される。「洗脳」の最強のトライアングルによるマイクリレー。《バカばっかだ全く》のシャウトにたくさんの拳が上がる。興奮冷めやらぬフロアに向かってAwichが「武道館まだまだいける!? 私のQueendomを語る上で無視
できないKingの存在があります。私が日本に帰ってきてまだ誰にも知られてない頃、彼は私に言ってくれました。『やっちまいな!』」。ANARCHYとふたりお立ち台に立って、それぞれの闘志と決意をマシンガンのようなラップでかましあう。最後のAwichの《やっちまいな
ANARCHYが感慨深げに「俺はこんな日が来ることが最初からわかってた。俺は『やっちまいな』って言ったらしいけど、俺の一言目を彼女は忘れてる。(Awichは)『ヤバすぎる!』って思ったんだよ。『お前誰?』」。もちろんAwichの名を知らしめた代表曲のひとつである「WHORU?」だ。畳みかけるようなセットリストに、右肩上がりに盛り上がる武道館。
「今日はこれまでの私の人生のゴールです。でもこれからの人生の出発点でもある。この神話の始まりの証人になってくれてありがとうございました! この曲もいつかみんなで大声で歌えることを私はあきらめない!」と言ってからの「Love Me Up」。
最後の曲は、再び登場したYomi Jahがしなやかなダンスを披露し、愛娘ふたりでパフォーマンスされた狂おしいラブソング「Bad Bad」だった。オーディエンスがAwichへのサプライズでそれぞれ手に持った1輪のバラを掲げているのが目に入り、感極まったAwichは「みんなにもっと大きな景色を見せるから」と固く約束し、濃密過ぎる約2時間の公演を締めた。
自らの半生を辿り未来への決意を吐露したところから始まり、ガールズパワー、CREW愛、地元愛、ヒップホップ愛、家族愛……深い傷と葛藤を抱きながらもあらゆる存在に愛とリスペクトを捧げ、オーディエンスの心を掴み続けた圧巻の武道館、新たなQueenがそこにいた。
Text by 小松香里
SETLIST
1. Queendom
2. Shook Shook
3. NWO
4. Poison feat. NENE
5. 口に出して
6. どれにしようかな
7. WheU@
8. DJ U-LEE TIME
9. NEBUTA feat. kZm
10. UP IN SMOKE / MONYPETZJNKMN
11. Gangsta
12. 琉〜Ryu〜 feat. CHICO CARLITO & Awich / OZworld
13. DEIGO feat. OZworld
14. NINOKUNI feat. 唾奇 / OZworld
15. Ashes
16. Jah Love feat. Yomi Jah
17. Revenge
18. Link Up feat. KEIJU, ¥ellow Bucks
19. Remember feat. YOUNG JUJU
20. 洗脳 feat. DOGMA & 鎮座DOPENESS
21. やっちまいな feat. ANARCHY
22. WHORU? feat. ANARCHY
23. GILA GILA feat. JP THE WAVY, YZERR
24. Arigato
25. 44 Bars
26. Love Me Up
27. Bad Bad
『Welcome to the Queendom at 日本武道館』
会場:日本武道館
出演:
Awich
[客演]
ANARCHY
CHICO CARLITO
DOGMA
JP THE WAVY
KEIJU
kZm
MONYPETZJNKMN
NENE
OZworld
RIEHATA
¥ellow Bucks
Yomi Jah
YZERR
鎮座DOPENESS
+SPECIAL GUESTS (A-Z 順)
企画/制作:and music / ALLOWS
協力:キョードー東京
■ Awich オフィシャル・サイト(http://WEB http://awich.jp/)
Spincoaster
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