【SWAY インタビュー】
クラブで流しても遜色のない
日本語ラップを
やっと作ることができた
音楽と人生のありがたみを
リリックに込めたかった
このアルバムは1曲目からものすごくカッコ良いですが、最初って大事ですよね。ゴリゴリのものから「チョコレート」のように甘い曲も入っている作品のイントロとして最高に合っていると思ったんです。
ありがとうございます。1曲目の「Stay Wild And Young」はDOBERMAN INFINITYのKAZUKIと一緒にオンラインライヴをしたことがきっかけで生まれたのですが、このイベントのイントロでラップをめちゃくちゃたくさんしたいと思って書いたリリックなんです。さらに、次にリリースするアルバムのイントロにも使えたらいいなと思っていたこともあり、1曲目に置きました。でも、トラックは総入れ替えをしたんですよ。最初のしゃべりにも初挑戦して、すごく新鮮な仕上がりになっているんです。
このイントロってサブスクが主流になっている今だからこそ、盤として聴く楽しさを感じさせてくれるものだとも思いました。
まさにそこを目指しました。今はアルバムって分解されて聴かれてしまうんですが、自分はアルバムを1曲目から聴くのがすごく好きなので、そうやって聴いてもらえたらいいなと思ったんです。
まさにリリックにはアツい想いが綴られていますね。
音楽をやっている人間ってライヴに命を懸けているからこそ、アルバムを作り、リハーサルを重ねて、いろいろ計画を立てているんです。だから、ライヴが終わったら抜け殻になってしまうんですよ。それを何度経てきても、まだ自分が生きるパワーであり、源は全部音楽なんです。音楽に突き動かしてもらっている。でも、音楽が止まったところで人生が止まるかと言ったらそうでもないんですよね。そこはすごく不思議な関係性だと思いながら、音楽へのありがたみと人生のありがたみをイントロで歌えたらいいなと思って書きました。
そういった強いメッセージからの「ASOBOW」などはより心に響いてきそうですね。ちなみに、リリックの部分で今作だからこそ書けたことは?
まさに「Life Coaster」ですね。コロナ禍でツアーが中止になり、全てが止まって、自分と向き合う時間ができたんです。そこで“何のために音楽をやっていたんだろう?”と深く考えたんですよね。その時にこの曲ができたんです。さらに、それだけ止まってもカードの支払いは止まらない(笑)…なので、過去の自分が散々使ってきたものが、止まった自分に覆いかぶさってくる感じをリリックに書いたんです。
止まっても止められないという想いを感じた2年間だったんですね。
そうですね。2021年にDOBERMAN INFINTYでツアーを再開できた時も、すごくワクワクしたんです。いい意味で初心に返れた気がして、自分的にはポジティブにとらえるようにしていた期間でした。
さて、SWAYさんはこの3年半でお子さんが生まれたりと環境の変化があったと思いますが、改めてどんな心境の変化がありましたか?
家庭を持ち、子供が生まれたからこそ、もっと遊ばないといけないと思いました。それは外に出て遊ぶのではなく、“もっとワイルドにならないと”って。
自分らしくいたいということですか?
そうですね。自分の武器は音楽ですし、家族を持った時に“背負っているものがあるから、これで行けるところまで行きますよ”って気持ちになれたんです。
取材:吉田可奈