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【SWAY インタビュー】
クラブで流しても遜色のない
日本語ラップを
やっと作ることができた

DOBERMAN INFINITYのメンバーとして、ソロとして活躍し続けるSWAY。3年振りのニューアルバム『Stay Wild And Young』には、この期間に配信リリースされた曲「チョコレート」「TALK」「Summertime」などの他に新曲6曲を収録し、今の彼の気持ちを全て反映させた全12曲が並ぶ。圧倒的に楽しませてくれる曲から聴かせるバラードまで、ジャンルレスに楽しめる今作について訊いた。

USに全然負けていないし、
むしろマッチしてきた

アルバム『Stay Wild And Young』はソロ作品としては3年半振りとなります。コロナ禍に入った期間だったからこそ、大きな心境の変化もあったのではないでしょうか?

そうですね。この期間にソロ以外での活動も多くあったんですが、そこで感じた物足りなさを全部埋めることができたのがこのソロアルバムでした。やりたいことを満遍なくやらせていただいたので、すごく満足しているんですよ。

ソロだからこそできることの輪郭がしっかりしてきたのではないでしょうか?

よりパーソナルになりました。時事ネタもそうですし、プライベートな一面などはグループだと出しにくいので、そういった想いをリリックに起こしたり、音楽に変えたりと、振りきることができたのはありがたいですね。

もともとヒップホップはパーソナルな一面に密着したものだと思うんです。だからこその難しさ、苦しさは年齢を重ねるごとにどう変化していきましたか?

う~ん…グループだけでなく、さまざまなプロジェクトで楽曲を作らせていただいていることもあり、リリックを書くコツを掴んでくるんですよ。いろんな方と制作をさせていただいていると、自分にはない引き出しがたくさん見えてくるんです。そこで“この人の技、すごく面白いな”と思いながらいいところを盗ませてもらっているんです。言うなれば“カービィ気質”なんですよね。

星のカービィ!

はい(笑)。“こういう書き方があるんだ!?”と常にメモをする癖があるんです。“自分のソロだったら、こう言い返せるかな?”とか、そうやってちょっとずつ盗ませてもらっています(笑)。

それは柔軟性ですよね。

そうですね。この柔軟性はデザインから学んだものなんです。デザインを独学で学んでいた時に、広告データをデザイナーさんからもらうんですが、そのマスターデータはフォントや写真などが自由にいじれる状態でもらえるんですよ。そこで“こういう質感が作れるんだ”とか“こうやって編集していくんだ”って学んだんです。そこからうまくいいところを参考にさせてもらう感覚を得たんです。

だからこそ、いろんな方と一緒に作品を作ることを楽しんでいるんですね。

はい。あとは、僕自身がボーダーなく人とかかわる性格なので、いろんな人と一緒に作るのがすごく楽しいんですよ。音楽を通してつながれる方には積極的に声をかけて、自分の音楽にいろんな色をつけていきたいと思っています。

今作もかなりジャンルレスな一枚になっていますが、新しく引き出せた曲はどれになりますか?

「Girls Girls Girls」はずっとやってみたかった曲調なんですよ。「ON FIRE」もそうなんですが、LAから日本に来たTOMAがかなりサポートしてくれたんです。彼がUSのヒップホップの感覚を教えてくれたんですよね。「SEXY」や「ASOBOW」はRyosuke”Dr.R”Sakaiさんのスタジオでセッションをしながら作ったんですけど、本当に息が合う人たちだったので、どの曲も30分で土台はできました。

なんてコスパが良いんでしょう!?

あははは。コスパはめちゃくちゃ良いですね(笑)。

でも、それって信頼関係やお互いの持つセンスがちゃんと合致しているからこそですよね。

そうですね。“こういうのやりません?”と言ったら向こうも“いいね! やろう!”ってなり、“それならこういうのはどう?”と返すと“いいですね。そうしましょう!”とイエスでつがっていくんですよ。

それは本当に経験があるからこそできることですよね。あとは、年齢を重ねるごとに、ジャッジをする能力もついてくるからこそ、作業もより効率が良くなってきたのではないでしょうか?

そうですね。あと、“楽しい”というのがマストなんです。グループになると5人全員が絶対に納得しないといけないんですが、ソロだとチームから提案してもらう曲もあれば、いつかリリースできるであろうアルバムのことを考えて“自分で作っておこう”ってなれるんです。例えそれがリリースにつながらなくても、その時に自分が良いと思ったものを作っておくことはすごく大事にしています。

それらのストックはブラッシュアップして次につながりますしね。

はい。今回のリリースが決まって、そのためにブラッシュアップしたという曲がほとんどなんですよ。

ちなみに、Sakaiさんとはどうディスカッションして作られたのでしょうか?

Sakaiさんのスタジオが住宅街の真ん中にあるのに、本当に“こんなに音を出しても大丈夫なんですか⁉”ってくらい音を出すんですよ。

地下なんですか?

いや、地上です(笑)。周りから苦情もこないらしく、ここで音楽を聴くのが本当に楽しいんですよね。それからよく遊びに行くようになって、作ったのが「ASOBOW」だったんです。前回のアルバム(2018年8月発表の『UNCHAINED』)をリリースさせてもらってライヴでやった際に、“もっとこういう曲があったらいいのにな”“もっとこういうサウンドでお客さんを湧かせたいな”と思ったので、ソロライヴに対して足りない武器を作ろうとした時に、この「ASOBOW」が生まれたんです。

リリックもかなり盛り上がる言葉が並んでいますよね。

そうですね。今はコロナ禍で行けないですが、自分もクラブが好きで…ただ、20代前半に通っていた時は、DJがかける音楽の中に日本語ラップが入りにくかったんです。どこかUSと日本のヒップホップが別々にされていたんですよね。正直言って、ちょっと違うという感覚もありましたし。でも、「ASOBOW」を作った時に、USに全然負けていないし、むしろマッチしていると感じたんです。最近は日本語ラップなど日本産のヒップホップが日本のクラブシーンに入るようになってきたし、自分の音楽もクラブで聴きたいという想いが強くなっていたんですよね。

20代前半で抱いた夢が、やっと具体化できたんですね。

はい。Sakaiさんが作るビートがUSナイズされていたからこそできたんです。

それにしても、そのスタジオはいいですね。

すっごくいいんですよ。ものすごい鳴らし方をするので、Sakaiさんのスタジオに行くと最初の1時間は自分が聴きたい音楽を聴くんです。その音のシャワーを浴びて、最高の状態で音楽を作り始めるので、最高に楽しいんですよね。そのメンタルを生み出せる、ここでしか作れない音楽だったと思います。
SWAY
アルバム『Stay Wild And Young』【初回限定盤】(CD+DVD)
アルバム『Stay Wild And Young』【通常盤】(CD)

OKMusic編集部

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