鈴木瑛美子

鈴木瑛美子

【鈴木瑛美子 インタビュー】
五感を使って
私の音楽を体感してほしい

かつては制服姿で“最強ゴスペル女子高生”として話題を集め、その圧倒的な歌唱力だけでなく、ミュージカル女優としても次々に新しい世界を見せてきた鈴木瑛美子。22歳になった彼女から1stアルバム『5 senses』が到着! 亀田誠治やアンジェラ・アキがプロデュースした楽曲も収録された今作に詰め込んだ想いを訊くべく、本人を直撃した。

自分の中にある愛を
惜しみなく出していきたい

待望の1stアルバムが完成してみて、今はどんな気分ですか?

シングルでリリースして反響が大きかった曲も入っていますし、私が作詞作曲をした完全自作曲もあって、1stながら自分でも大満足の作品になりました。

まず、“5 senses”というアルバムタイトルと5人の鈴木さんを写したジャケット写真にはどんな意図があるのかを教えてください。

音楽って耳を使って聴くものではあるんですけど、感情やその日の気分で感じ方が変わるじゃないですか。なので、五感を使って私の音楽を体感してほしいという気持ちを込めました。ジャケットでは私が5パターン、全然違うスタイリングの洋服を着ているんですが、服もその日の天気や気分で着たいものが変わると思うんです。その気分の変化をアルバムのタイトルにかけて表現してみました。

気分に合わせていろいろ選べるように、アルバムは15曲収録というボリューミーな内容になったと。

シングル表題曲、カップリング曲、配信楽曲と全盛りにして、いろんな雰囲気の曲を詰め込んじゃいました(笑)。1stアルバムなのでたくさんの曲で私自身を自己紹介できたらいいなと思ったんです。

なるほど。では、ここからは収録曲についてうかがいたいと思います。アルバムは「Soul Full of Music」という鈴木さんの芯にある強い意思を歌い上げる楽曲で幕を開けます。

作ったのは3年くらい前なんですけど、この曲は今も変わらない自分の軸となることを歌っているので、私のことを100パーセント表現した歌ですね。

自分の信念を歌った曲に続く「FLY MY WAY」では、鈴木さんのズバ抜けた歌唱力が大爆発していますね!

これは仲間に向けて歌った曲です。当時の私の声のレンジ、技術を全て詰め込んでいます。私はゴスペルをルーツに歌ってきたので、コーラスには一緒にゴスペルを歌ってきた仲間にも参加してもらっていて。今作の初回生産限定盤に付随するDVDでは崖の上で歌ったMVとは違う、高校の同級生や家族、仲間と一緒に歌ったバージョンのMVも観れるんです。

そちらも必見ですが、最初に撮った崖の上バージョンのMVの迫力もすごかったですよね。

本当に高い所だったし、見た感じよりももっと崖っぷちに立っているんですよ(笑)。だから、めちゃくちゃ怖かったです。

ゴスペルがルーツというお話が出ましたが、小さい頃から歌っていたんですか?

父がゴスペルのディレクターをしていたので、生まれた時からゴスペルが家で流れている環境で育ったんですよ。だから、幼い頃からゴスペルを自ら楽しんで歌っていました。

家族みんなでクラップしながらハモって、ゴスペルを歌ったりすることもあったり?

あります! 姉も母も加わってファミリーで歌いますよ。自分で言うのもあれですけど、ファミリーで歌ってハモっている時、めちゃくちゃカッコ良いんです!

素敵ですね。家族ならではのグルーブ感、ハーモニーが出るんでしょうね。

そうですね。だから、歌っていて気持ち良くて。姉とは音域、声の質まで揃いますから(笑)。

ゴスペルを歌いながらフェイクやソウルフルな歌い回しも自然とできるようになっていったんですか?

そこは歌を研究してできるようになりました。憧れの海外アーティストのフェイクの仕方、歌い方、喉の動きや開き具合などを映像を観て研究するのが大好きで。映像を何回もリピートしながら観て、真似していたらできるようになっていったんです。

その研究の成果が「You gotta be」のようなジャジーでソウルフルな楽曲の歌唱でふんだんに発揮されていました。

こういうグルーブ感がある曲が大好きなので、もっとジャジーな曲も歌いたいですね。

そんなスイングするような歌唱もできれば、亀田誠治さんプロデュースの正統派J-POPバラード「A New Story」や、アンジェラ・アキさんが手がけた低音ヴォイスで語りかけるように歌うバラード「カナリアの歌」も違和感なく歌えてしまうという。

バラード自体がすごく得意なんです。ずっとホイットニー・ヒューストンとかを真似して歌っていたので。バラードってテンポもゆったりしているから一言一句はっきりと届けられるし、何よりも声の表現に特化した歌い方ができるから好きなんですよ。バラードの中でも「A New Story」は私が作詞作曲をしたんですけど、私は今まで家族から本当に愛されて育ったぶん、自分の中にある愛を惜しみなく出していきたいという気持ちがあるんですね。この曲はピュアなラブソングですが、好きな相手から“大好き”って言われて“うわっ! キモっ!”と思う人はいないじゃないですか。ストレートに歌うからこそ重くはならないと思ってこういう歌詞にしました。私は両親のような幸せな夫婦に憧れていて、もし自分に彼氏ができたり、結婚したりしたらそうなりたいので、その理想を書いた楽曲なんです。

その話も素敵ですね。今作の中でもっとも洋楽寄りのダイナミックな歌唱が聴けるバラードの最高峰が「After All」で。歌の迫力がすごかったです。

これまでずっと英語の曲を真似して歌っていたので、英語が多い曲のほうが意外と歌いやすいからそんなに苦労はしなかったですね。

なるほど。《終わるの/孤独(ひとり)の歌》というフレーズから始まる「I sing」は、お父様がコーラスに参加してらっしゃるとか。

そうなんです! 私が真似してきたのは海外の女性アーティストばかりですけど、父はめちゃくちゃ歌がうまくて、私の中の一番の憧れです。父とは声質が似ているので、この声の重なり具合は父とでなければできなかったですね。で、この曲は歌詞を私が書いていまして。私はミュージカルもやっているのですが、この歌詞はミュージカルの千秋楽の時に見た景色、感じたことを書きました。父もロンドンのウエストエンドでミュージカルをやっていた経験があったからコーラスをお願して。本人は“えっ! いいの?”って言ってすごく喜んでいましたね(微笑)。
鈴木瑛美子
アルバム『5 senses』【初回生産限定盤】(2CD+DVD)
アルバム『5 senses』【通常盤】(CD+DVD)
アルバム『5 senses』【通常盤】(CD)

OKMusic編集部

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