JUNNA

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【JUNNA インタビュー】
“まだまだイケるでしょ!”と
自分自身も鼓舞している

幸せが待っている保証はなくても
一歩踏み出せば気づけるものがある

そして、今回はカップリングの「フラクタル」もロックチューンと、とことんロック推しですね。

「フラクタル」は『錆喰いビスコ』の挿入歌なんです。アニメ本編で使われている話数まで私はまだ観られていないんですが、ビスコとミロの旅が始まって、バトルシーンで使っていただけると聞いています。この曲も難しい言葉が多くて、どう表現していくか迷ったんですけど、テンションを振りきってブチ破っていくのが「風の音さえ聞こえない」だとしたら、逆に「フラクタル」は心の中にある暗い部分や妖しい部分にスポットライトを当てつつ表現したかったので、ひとつひとつの言葉にしっかり圧や重さをかけながら歌っていきました。

だから、低音を意識したヴォーカルになっているんですね。

この曲は全体のキーが高いんですが、それを感じさせないくらい自分の低いところを使いながら歌いたかったので、それがすっごく大変で! 特にサビ頭の《当然 至極当然》のところとか、ギターソロ後はメロディーと合わない音が被っているので、それに負けずに歌わなければいけないのがなかなか大変でした。この音があることで、サビに変化が生まれて面白さが出たから、アレンジをされた白戸佑輔さん、さすがだな!って。

続く3曲目の「僕のむこう」はご自身の作詞で、Aメロに《風の音にかき消され》というフレーズがありますが、これは表題曲の「風の音さえ聞こえない」にかけたものなんでしょうか?

そうなんです(笑)。表題曲は風の音が聞こえないくらい突き進んでいるから、この曲では逆に立ち止まっているんです。他の2曲がアッパーなので、もう一曲収録するならば、全然違う雰囲気を出したいと思ったんです。この曲はデモを聴いた時、シンプルだけど後半は壮大になっていくところから“空”とか“鳥”というイメージが湧いて。なので、鳥かごの中にいる自分が“あそこに飛び立てたら自由なのに”と空を見上げながらも、その先に何があるのか分からなくて葛藤する物語を書いてみようと思ったんです。タイトルの“むこう”というのは、一歩を踏み出した先にある“僕の知らない世界”を表したワードなんです。

“むこう”に何が待っているか分からないけれど、踏み出すこと自体が重要なんだというのがこの曲のメッセージですよね。

そうです。その先に希望や幸せが待っている保証なんてどこにもないから、どうしても綺麗事は書きたくなくて。どんな人間だって悩みはあるだろうし、今まで積み重ねてきたものが崩れる瞬間も、生きていれば絶対にあると思うんですよ。そういった私自身が感じていることもしっかり書いた上で、それでも一歩踏み出すことで気づけるものもたくさんあるはずだから、“勇気を出してやってみようよ”と訴えかけられる曲にしたかったんです。なので、「フラクタル」のような重さではなく、突き抜けるような、きれいでやさしい歌声にしようというのは、アレンジしてくださったNAOKI-Tさんとも相談しながらレコーディングしました。

実際に1月の東名阪ツアーで披露してみた反応はいかがでした?

みんな、しっかりと前を向いて受け止めてくれている感じがして、“ちゃんと届いているんだな”って嬉しかったです。こういった楽曲も楽しんでくれているのは、ライヴをしていてもビシビシと感じています。でも、やっぱり変わらずロックチューンもやっていきたい…ツアータイトルも毎回“ROCK YOU TOUR”ですから。

ちなみにJUNNAさんにとって、ずばり“ロック”とは何でしょう?

自分を全て曝け出すためのツールです。隠したいことや見せたくない部分があっても、“そんなんじゃ歌っていられない!”って、ありのままの自分でぶつかっていけるのが、私のロックなんです。だから、ライヴでの気持ち良さは半端なくて、一度味わったらやめられないんです。

6月21日にはEX THEATER ROPPONGIでソロデビュー5周年ライヴ、8月には初のホールツアーも決まりましたが、こちらのタイトルも“JUNNA ROCK YOU HALL TOUR 2022”ですもんね。

ソロデビュー日当日にライヴができるのは初めてですし、そもそも周年ライヴが初めてなんです。5周年の記念日にみなさんに直接会えて、しっかり“ありがとう!”と言える機会を持てるのは幸せです。ホールツアーも昨年に予定していた公演が中止になってしまって、みなさんもずっと待ってくれていた公演だから、ホールならではの演出も詰め込みつつ、いろいろな楽曲でしっかり魅せられるように、みなさんに楽しんでもらえるような公演にしていきたいです。今までと同じことをして“また一緒じゃん”と言われるのは嫌なので、常に新しい自分であり続けられるように、とにかく進化し続けることが私の使命なんだと思うんです。ライヴはもちろん、今後リリースする楽曲たちでも、またいろんな私を見てもらえるように、今、いろいろと進めている最中なので楽しみに待っていてください。

取材:清水素子

シングル「風の音さえ聞こえない」2022年2月16日発売 FlyingDog
    • VTCL-35341
    • ¥1,540(税込)

ライヴ情報

『JUNNA 5th Anniversary Live』
6/21(火) 東京・EX THEATER ROPPONGI

『JUNNA ROCK YOU HALL TOUR 2022』
8/21(日) 愛知・名古屋市公会堂
8/27(土) 大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
8/28(日) 大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
9/04(日) 東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)

JUNNA プロフィール

ジュンナ:2000年11月2日生まれ。『ガンダム』『ヱヴァンゲリヲン』と並んで“日本三大ロボットアニメ”のひとつに数えられる作品『マクロス』シリーズ最新作TVアニメ『マクロスΔ』の戦術音楽ユニット“ワルキューレ”のエースヴォーカルとして最年少デビューを果たす。ソロとしては17年6月に1stミニアルバム『Vai! Ya! Vai!』でデビュー。同年11月に発表した1stシングル「Here」は発売初日、10の主要配信サイトで1位を独占。また、日本レコード協会のゴールドディスクに認定された。JUNNA オフィシャルHP

「風の音さえ聞こえない」MV

OKMusic編集部

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