過激なMVや、「今揉めるアイドルBiS!!」としての破天荒なLIVE、内部での揉め事を公表するなど、とにかく話題を作り続けたBiSがこの日、本当に解散をした。まず今回の横浜アリーナ公演だが、諸事情で日本武道館を借りられなくなった彼女たちが、目標としていた武道館での解散が出来ない中で会場を小さくする選択はできない、として更に大きな横浜アリーナでの解散LIVEを決行。日本武道館よりも大きな横浜アリーナ、当然のようにチケットをソールドアウトさせることは難しく、直前まで「まだ1万枚チケットが余っている」と告知をするなど最後まで話題を提供し続けてきた。
当日は、8000人もの「研究員」と呼ばれるBiSのファンが集結。今回はアリーナの最前列が10万円と超高額チケット、その他にも1円チケットや2000円の「貧乏人用チケット」などが販売されたこちらも話題に。「貧乏人用チケット」の入場者はジャージ姿でガラの悪いスタッフがモギリをし、なんと通路にバナナの皮が置かれているという前代未聞の客入れを演出。また、会場玄関には遺影が飾られるなどファンを開演前から楽しませた。
そして、LIVEは『nerve』からスタート。脱退したメンバーであるナカヤマユキコ、ヨコヤマリナ、ミチバヤシリオも登場し現役メンバーとともにパフォーマンス。ここから、怒涛の全48曲(前述『nerve』含めると49曲)を3時間半にわたって披露した。その間に、マネージャーの渡辺淳之介とサウンドプロデューサーの松隈ケンタの余興や3分間の休憩があったものの、MC一切なしの解散LIVEとは思えない演出で最後まで突っ走った。

そこには、しんみりと感傷に浸るような雰囲気はなく、ステージ上には常に全力でとにかくファンとこの解散LIVEを盛り上げようとするBiSの姿があった。曲が進む中で、「この日はMCがないだろう」と気づいたほとんどのファンは、汗を流しながらひたすらに踊り歌うステージのメンバーに歓声を上げ続ける。ここに、新しい形の旅立つアイドルとファンの姿が見られ、想像以上に感動的な光景だった。
未だかつて、ここまで激しく熱い解散LIVEがあっただろうか?今回の「解散LIVEなのにMCなし」という奇をてらった演出を、今までの過剰なパフォーマンスの延長線上と捉えることも出来る。しかし、終盤の『レリビ』でメンバーが観客席へ降りファンの手の中を駆け抜け、最後の『nerve』ではここが横浜アリーナであることを忘れさせるほどに、8000人のファンが一体となって踊り狂う光景を見て、これがBiSの解散LIVEとして「あるべきもの」だったのではないかと思える、最高な一夜だった。それぞれのメンバーの今後がこの日発表されたが、どれも期待をさせるものだった。これからも、元BiSの動きから目が離せなそうだ。

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