可愛い濱野智史：ロマン優光連載8

ロマン優光のさよなら、くまさん

　先日、はまのんこと濱野智史のプロデュースする「アイドルをつくるアイドル」PIPの御披露目公演を見に行きました。すごく楽しかったです。前説をするはまのん、司会をするはまのん、メンバーに指示を出すはまのん、ハイタッチ会や握手会をしきるはまのん。はまのんが本当に嬉しそうで、その姿がキラキラと輝いてる様子がとても可愛くて、僕は満足でした！　後のことはよく覚えてないです。以上。
　濱野さんという人はたまたま社会学者であったために難しい言葉のボギャブラリーが多いだけで、基本的にはただの高齢ピンチケの人なので「レス最高！」「接触やばい！」ぐらいの内容しか言ってない人。いつもはまのんの発言を見る度に「この人は本当にバカなんだなあ」と思うのですが、人柄が滅茶苦茶可愛らしい人なのでどうしても憎めない。本人に会ってしまうと大好きになってしまう。そんな魅力的な人なのです。結局、この日もはまのんの無邪気なイノセントさの、メロメロになってしまいました。
　はまのんの魅力はその人間力にあるわけで、発言の大半はアイドルを知りたてのピンチケの興奮したうわごと程度の内容でしかなく、それを偉い学者様の発言として捉えるのは本当に間違ってます。アイドルに向かい合っている時のはまのんは、ただの可愛いバカでしかないのです。その人間的な魅力ゆえに発言じたい求心力が生じてしまってるのは個人的には由々しき問題で、「みんな、本当のはまのんがわかってない！　僕が一番はまのんのことをわかってるし、大好きなんだ！」という気分になってしまいます。だいたい30を超えてるのに「和民でお通しをカットする」という貧乏人が普通にやってる行為に「ヲタクって凄い！」と感動する世間知らずな深窓の令嬢めいた無垢さとかたまらない処女性を感じます。ほんと、たまらん！
　こんなことを書いてると私がはまのんを嫌ってて馬鹿にしてると思う人がいると思いますが、私は本当にはまのんが好きなんですよ。アイドルに関する言論については基本的に評価してないですが、人間としては可愛いから大好きです。イベントや雑誌の特集に呼ばれないとスネて意地悪発言をするような経済学者とは大違いの可愛さなのです。

　あまり、こういう事を書いているとバカだと思われるので、公演の感想をいくつか。ライブはPIPのメンバーを三組にわけてそれぞれカバー曲をやっており、私立恵比寿中学の 『禁断のカルマ』をやっていたグループがいたのですが、歌真似大会みたいになっていたのが印象的。エビ中にはぁぃぁぃ、もち、真山といったアクの強い特徴的な歌い手が何人もいるのですが、その特徴をなぞり過ぎててカラオケの歌上手い人が物真似をしてるみたいになっていて、歌唱指導の先生はどんな人なんだろうか気になりました。あと、やたらレスをくれる子がいたり、ハイタッチ会で強く握りこんでくる子がいたので「そんなの覚える前に、もっと歌とか踊りとか先にがんばることがあるのではなかろうか…」と思いました。
　アイドル自身がプロデューサーになってアイドルをつくっていくというコンセプト、“やりがい搾取”めいたものを排除していくという方向性についてはたいへん素晴らしいとは思います。ただ、女の子はスポットライトを浴びて人前で歌ったり踊ったりして人気者になりたいからアイドルに憧れるわけで、握手会がしたくてアイドルに憧れる子はあまりいないと思うのですよ。握手会はあくまでアイドルについてくる業務でしかないのですから。現状では楽曲やステージに対する方向性がまったく見えないので、“やりがい搾取”がないかわりに、やりがいを提供できてるのか不安になります。
　人は何故握手会に赴くかというと、一部の海千山千のアイドルヲタクをのぞけば、「ファン」になったから「スターと握手したい」から握手会に赴くわけで、やっぱり「表現（歌や踊りだったり、演技だったり、メディアでの活動だったり）」というのはファンになるためには重要だと思うのです。可愛いからといって、そこらへん歩いてる一般人に金払ってまで握手したいですか？　私はしたくないし、たいていの人は金払ってまでしたくないでしょう。したい人は人生に色々な問題を抱えてる人だと思うので例外だと思います。ファンになったからお金払ってまで握手したい、喋りたいわけで、ファンにさせてくれないと困るのです。
　握手会の対応で人気に差が出てくるのは確かですが、それはあくまでもグループ内における人気の差であって、そもそもグループ自体に人気があって集客していけるようになってからの話では。それはステージや楽曲で創っていくしかないのですが、現時点では「はまのんは接触が大好きなので接触に力をいれている」ということしかないのが気になります。
　色々言いましたがはまのんが表に可愛い姿を見せてくれるなら、またはまのんを見に行きたいと思ってます。だから、はまのんは僕を嫌わないでね！ 

【ロマン優光：プロフィール】
ろまんゆうこう…ロマンポルシェ。のディレイ担当。「プンクボイ」名義で、ハードコア活動も行っている。好きなアイドルは、イニーミニーマニーモー。

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