リレーインタビュー第4弾は銭形警部役の山寺宏一!

リレーインタビュー第4弾は銭形警部役の山寺宏一!

【「ルパン三世 PART6」リレーインタ
ビュー】山寺宏一、プレッシャーと喜
びの10年 “新たな次元”大塚明夫へ
の信頼

リレーインタビュー第4弾は銭形警部役の山寺宏一!原作:モンキー・パンチ (c)TMS・NTV 10月9日からスタートするテレビアニメ「ルパン三世 PART6」。アニメハックと映画.com(https://eiga.com/)によるキャスト5人のリレーインタビュー、第4弾は銭形警部役の山寺宏一が登場! 銭形、不二子、五ェ門のキャスト交代から10年が経った今も「心配と不安とプレッシャーを感じています」という山寺の、銭形を演じる喜びとは。そして、これまで次元大介を演じてきた小林清志の偉業、公私ともに親交が深いという新キャスト・大塚明夫への信頼を明かしてくれた。(取材・文/編集部)
■リレーインタビュー第1弾:栗田貫一はこちら
■リレーインタビュー第2弾:浪川大輔はこちら
■リレーインタビュー第3弾:沢城みゆきはこちら
■リレーインタビュー第5弾:大塚明夫はこちら
原作:モンキー・パンチ (c)TMS・NTV「自分なりの銭形」を模索した10年
変わらぬプレッシャーと小さな自信
 「銭形をやって10年というのは本当に驚きですね。今もまだ、ついこの間、納谷(悟朗)さんから引き継いだような気分です」――山寺が銭形役を引き継いだ2011年放送のテレビスペシャル第22弾「ルパン三世 血の刻印 ~永遠のMermaid~」から10年が経ち、「ルパン三世」シリーズとしてはアニメ化50周年を迎えた――。
 「最初のテレビスペシャルは、どうやったか覚えてないくらい夢中でしたし、その後の何作かもそうだったと思います。とにかく納谷さんが築いてきたのものを汚さないように、崩さないように、『そっくりにはできないけれど、少しでも近づきたい』という思いでした。そして、そこにいる銭形をちゃんと演じようという気持ち。その両方で無我夢中でした」
 そこから大きな変化をもたらしたのがテレビシリーズ。これまでに「LUPIN the Third -峰不二子という女-」「ルパン三世 PART4」「ルパン三世 PART5」が制作され、「少しずつ『ああ、銭形ってこういう風に演じればいいのかな』と、“自分なりの銭形”を感じられるようになりました」。同時に、「1作ごとに『ちゃんと銭形を演じられているのかな』という心配と不安とプレッシャーを感じています。それは未だにですね」とも明かしている。
 さらなる変化を求められたのが、19年に公開された、シリーズ初の3DCG劇場アニメ「ルパン三世 THE FIRST」。先にセリフを収録するプレスコ収録だったため、より強く「自分なりの銭形」を意識することになった。
2019年公開の「ルパン三世 THE FIRST」(c)モンキー・パンチ/2019映画「ルパン三世」製作委員会 「『絵に当てはめよう、納谷さんのイメージを崩さないようにしよう』という思いが先走ってしまうことがあったので、あの作品をやれたことは大きかったです。セリフをあわせるところからはじまって、『本を読んでどう感じるか』を自分たちの間合いで表現しました。完成した作品を見た時、少しですが、自信がついたように思います」
原作:モンキー・パンチ (c)TMS・NTV次元大介というキャラクターは小林清志の偉業
「代わりは明夫さんしかいない」
 「『キャストが代わる』ということにおいては、僕も代わった立場の人間ですから……」。山寺がそう切り出したのは、「ルパン三世 PART6」のスタートを前に大きな注目を集めている、次元大介役のキャスト交代についてだ。シリーズ開始当初から約50年にわたって演じてきた小林清志に代わって、大塚明夫が出演することになった。山寺にとって小林は、養成所時代からの大先輩。「本当に尊敬しています。だから、まず一緒に『ルパン三世』を10年やらせていただけたことがうれしかったですね」と振り返ると、小林の“声優としてのすごさ”を熱弁した。
 「今のご年齢までずっと現役でお仕事をしていらっしゃる姿がすごいなと、本当にリスペクトしていますし、僕もそうありたいなと感じています。80代で声を使う仕事をするのは大変なことです。作品にもよりますが、アニメーションのキャラクターは歳をとらない。だから、最初にやっていたことをずっと求められます。そういう大変な世界で、ひとつの役を50年やられるというのは、まさに偉業でしかありません」
原作:モンキー・パンチ (c)TMS・NTV そんな「声優・小林清志の偉業」の結晶ともいうべきキャラクター・次元大介を引き継ぐ大塚には、どのような思いを抱いているのか。大塚との関係性、尊敬の念、揺るぎない信頼を教えてくれた。
 「明夫さんとは、公私ともにものすごく仲が良く、兄貴みたいな存在です。僕がデビューして少し経った頃から仲良くしていただき、なんでも話せる人です。過去には、僕が納谷さんから銭形を引き継いだ話、『プレッシャーを感じている』といった話もしました。それが今度は、逆に明夫さんが『ルパン三世』に入ってくるという形になりました。僕は勝手に、もし清志さんが卒業なさるなら、代わりは明夫さんしかいないだろうなと、どこかでずっと思っていました」
 「清志さんが卒業されるのをみんなが寂しがるのは当然です。50年やられていて、染み付いてますから。でも明夫さんの次元を聞いたら、見たら、視聴者の皆さんも受け入れてくれるのではと思いました。清志さんと声質は違うかもしれませんが、『違うけれど、この次元もかっこいい!』と誰もが思うだろうなと感じています」
原作:モンキー・パンチ (c)TMS・NTV36年のキャリアのなかで「『ルパン三世』は特別です」
プレッシャーと同居する“喜び”
 「ルパン三世 PART6」は、ロンドンを舞台に2つのキーワードでストーリーが展開され、1クール目のキーワードは「ミステリー」。推理小説家でアニメ・特撮の脚本も手がける大倉崇裕がシリーズ構成を務め、作家の辻真先、芦辺拓、樋口明雄、湊かなえ、映画監督の押井守がゲスト脚本家としてオムニバスエピソードを執筆している。山寺は「シャーロック・ホームズが出てくる話が軸になっています。それプラス、いろんな作家さんが書いている話があるので、話によってテイストや演出はかなり変わるのかなという気がしています」と説明している。
原作:モンキー・パンチ (c)TMS・NTV そんな新シリーズの幕開けを前に、改めて「ルパン三世」への思いを問うと、不安やプレッシャーだけではない「銭形を演じる喜び」を語っていた。
 「常に、プレッシャーと同時に喜びも感じています。これだけ知られている作品で、なおかつ今も新作を作り続けているというのはすごいことだと思います。そこに、声優のひとりとして参加できることに喜びを感じます。そして完成した作品を見た時、この作品に自分が携わっていることが『当たり前のようだけどすごいな』と……つまり当たり前じゃないということなんでしょうね。声優の仕事を36年やらせていただいていますが、『ルパン三世』は特別です。やはり自分がゼロから演じはじめた作品ではなく、先輩方が作ってきた作品を途中から引き継いだ立場ですから」

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