Ran、初のバンドスタイルでのワンマ
ンライブ『i-20210302 band session
-』渋谷WWW公演のオフィシャルレポー
ト到着
それもつかの間、「悲劇ごっこ」のクールな歌いだしでRanは再び影を纏う。「靡かない」「そんなこと」と続き、キーボードがRanのファルセットのつややかさを強調する、ドラマタイアップ曲の「せかい」を披露した。
初披露の「夜逃げ」から笑顔の歌声が弾む「ビーナス」へと繋げると、Ranは「今日は一人じゃないんですよ」と嬉しそうに語る。初めてのバンドメンバー紹介を済ませると、ステージ客席ともに熱気が一段階あがったように見えた。
その熱を更にヒートアップさせながら、ライブは後半戦へと突入。「行方」「愛おしい日々」とバンドの勢いを増していく。ライブ前半部は内省的な歌詞と落ち着いた声質を活かした、感情をRanの歌い方によって変換し音に乗せるような音楽。後半は一変、バンド演奏で音楽そのものを届けることに重心を移しているように感じられた。Ranの音楽の幅広さと表現力のポテンシャルを目の当たりにすることとなった本編は、清々しい歌声が響く「環」で幕を閉じた。
バンドメンバーを呼び寄せ、再びにぎやかになったステージにゲストとして登場したのは、Ranの楽曲のアレンジにも参加するセカイイチ・岩崎慧。岩崎がコーラスとしても参加している「オレンジ」で生コラボを実現させた。顔を見合わせ身体を揺らし歌うRanと岩崎、笑顔で演奏するバンドメンバー。Ranはこの日「リハでバンドとあわせて「音楽できてる!」と思った」と語っていたが、まさしくその喜びが最も爆発している瞬間であっただろう。
MC中、バンドメンバーに問われ、次の夢はツアーをすることだと答えたRan。ワンマンライブを成功させ、新たなスタートを切る日でもあったこの日のラストに選んだ楽曲は「ご飯の食べ方」。〈明日を信じよう 未来を信じよう 君を信じよう 僕を信じてくれ〉と決意表明するように歌いあげ、初のワンマンライブを締めくくった。
文=村上麗奈
SPICE
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