「チコハニがそばにいてくれるなら大
丈夫」 CHiCO with HoneyWorks、2度
目の武道館ワンマン公演をレポート

CHiCO with HoneyWorks ONLiNE LiVE@BUDOKAN「COME! COME! ONiON」

2020.12.25 日本武道館
CHiCO with HoneyWorksにとって、2度目となる日本武道館ワンマンライブ『CHiCO with HoneyWorks ONLiNE LiVE @BUDOKAN 「COME! COME! ONiON」』。事前収録によるチコハニ初の無観客公演は、12月25日に配信された。数々のヒット曲や最新作『瞬く世界にiを揺らせ』に収録の新機軸ナンバーを織り交ぜたドラマティックな構成、躍動感あふれるカメラワークや美しいライティング、遊び心あふれる演出がすべてかみ合った華やかなエンターテインメントショウは、コロナ禍のクリスマスを明るく、鮮やかに彩ってくれたように思う。なお、映像は2021年1月1日(金)23時59分までアーカイブ配信され、期間中であれば誰でも視聴することが可能だが、このレポートはネタバレを含んだ内容となる。
まずはOji(g)、中西(g)、宇都圭輝(key)、Hiroki169(b)、AtsuyuK!(ds)がインストゥルメンタルで期待感を高めてくれた上で、ステージ後方に現れたCHiCO。手を高く上げて力強く歌い始めたのは、「今日もサクラ舞う暁に」だ。1階から3階まで360度すべての客席にペンライトを思わせるライトが瞬く中、オーディエンスのコールが聴こえなくても、タオル回しが見えなくても、メンバーの熱量は変わらない。
続く「ハートの主張」では、Oji(g)、中西(g)、Hiroki169(b)が勢いよくステージ前へ。ステージ背面いっぱいに広がるLED画面にピンクのハート柄が揺れる前で、感情の動きを豊かに表現するCHiCO。画面の前にいるひとりひとりに届ける!という想いが、歌にも演奏にもあふれている。
CHiCO with HoneyWorks
「みんな、画面の前で声出してね!」とCHiCOがアオったのは、「アイのシナリオ」。赤を主体にした刺激的なライティングに、グルーヴィな演奏、男前な低音から澄んだファルセットまで行き来自在なCHiCOの歌がよく映えて、高まらないわけがない。
かと思うと、恋する女の子の愛らしさがあふれた「ミスター・ダーリン」、“可愛くね”とキラースマイルを見せた「私、アイドル宣言」では、CHiCOのかわいさがダダ漏れだ。
「ライブ配信は初めてで、めちゃめちゃ緊張して、最初のほうはアオりの声がガサガサだったけど(苦笑)、今は落ち着いて楽しんでいます。今回の配信は、おうちやカラオケ店などいろいろなところで楽しんでもらえているみたいだし、360度カラフルなライトであふれている客席もきれいだし。配信ならではの楽しみ方があるんだなって気づけました」
CHiCO with HoneyWorks
ポジティブマインドがにじむCHiCOの言葉から、デビュー曲の「世界は恋に落ちている」へ。初めての武道館公演にしたってそう、いつだってオーディエンスの大合唱が巻き起こる曲だ。センターステージへ移動して、手を振りながら愛おしそうに歌うCHiCO。きっと、みんなもそれぞれの場所で口ずさんでいるはず。
センターステージにて、CHiCOの歌声とOjiによるアコースティックギターのみで繊細に紡いだのは「私を殺さないで」。9月16日にリリースされた3rdアルバム『瞬く世界にiを揺らせ』の中でも、極めてシンプルに振り切った挑戦的なナンバーだ。自分らしい生き方を模索する苦悩と、“大丈夫”という励ましが交錯する難しい表現を、CHiCOはすっかりものにしている。かっこいいCHiCO、元気なCHiCO、かわいいCHiCOとはまた違った表情に、瞬きをするのを忘れるほど見入ってしまう。
CHiCO with HoneyWorks
「「私を殺さないで」めちゃめちゃよかったよ!」と、メンバーがCHiCOとOjiを手放しで絶賛し、そこからしばし和やかなMCタイムへ。温かな空気のまま、ファンへのありったけの愛を込めてCHiCOが歌ったのは「BGM」だ。自分たちの音楽がみんなの人生の“BGMになれますように”という願い。“こんなとこまでありがとう”という感謝。“声が出なくなったとしても私は歌う”という覚悟。離れていても、いや離れているからだろうか、いつにも増してグっとくる。
まさに“困難な時代”である今に響きすぎる卒業ソング「贈り歌」をていねいに届けたのち、キラキラトップスにお召し替えしたCHiCOと、バンドメンバー全員でセンターステージへと移動。2019年に行った武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ2デイズ公演ではひとりだけセンターステージに行けずにさみしい想いをしたというAtsuyuK!も一緒で、彼はもちろんメンバーもみんな嬉しそうだ。
「いくぞ!」というCHiCOのかけ声からの「決戦スピリット」は、不屈の精神を宿したCHiCOの歌声、骨太いバンドサウンドが最強に絡み合うナンバー。円陣に配置したメンバーと順繰り対峙したり、背中合わせになったりしながらCHiCOが歌えば、拳を突き上げながらバンドメンバーがコーラスする場面もあり、なんてエモーショナル!
CHiCO with HoneyWorks
「みんな声出せましたか? 次は一緒に踊りましょう!」とCHiCOが呼びかけたのは、弾むようなポップナンバー「ぐる恋」。“推し”への好きが止まらないCHiCOのステップも、宇都圭輝が合間に見せるキュートなポーズも、さまざまな角度からメンバーを狙うカメラがしっかりとらえてくれる。また、「プライド革命」では、バンドメンバー同士アイコンタクトしたり、CHiCOとHiroki169が向き合う場面もあったり。表情多彩なチコハニのライブは、やっぱり楽しい。
HoneyWorksの手がけるシリーズプロジェクト『告白実行委員会』のキャラクター・成海聖奈&成海萌奈姉妹の父親目線の歌詞に、子から親へ、親から子への深い愛をひしひし感じつつ、パンキッシュな曲調にますますテンションが上がる「幸せ。」。先の見えない不安や閉塞感にへこたれそうな心を奮い立たせてくれる、和ロック「ヒカリ証明論」。同じ空間にいることはできなくても、そこにはチコハニとファンの一体感が確かにあったように思う。
映像ならではの遊び心、一瞬で全員がライブTシャツに着替える“ジャンプカット”に続いて、2021年3月に全5公演のZeppツアーを開催するという嬉しい知らせも。そして、最後に届けてくれたのは「ホーリーフラッグ」だ。ミニフラッグを振るCHiCOの伸びやかな歌声に、軽やかなバンドサウンド。画面の前のファンも、ミニフラッグを振ったり口ずさんだり、自然と笑顔がこぼれてしまったことだろう。コロナ禍というこれまで経験したことのない事態に揺れた1年だったが、クリスマスにこんな幸せな時間を過ごせるとは。“立ち止まらずにゆけ”と背中を押してくれるチコハニがそばにいてくれるなら、大丈夫。胸に灯った火は、決して消えない。

取材・文=杉江優花
CHiCO with HoneyWorks

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