仲村宗悟

仲村宗悟

【仲村宗悟 インタビュー】
“Oh No!!”って言うだけで
ストレスが発散できる

「Oh No!!」は自分の気持ちを
表に出すことをテーマに書いた

そうした楽曲作りの中で生まれた今回の配信曲「Oh No!!」は、どのような経緯で制作に至ったんですか?

夏ぐらいに次のシングルの話を聞いた時、2ndシングルの「カラフル」(2020年3月発表)から間が空いてしまうので、“今はこういう状況だし、いろいろな制作がストップするのも分かるけど、そんな中でも届けられる配信曲を出すのはどうですか?”という提案をしたんです。その話が通って、すぐに曲を書いて、11月に出すことになったという。楽曲を出すのなら、やっぱり最新の楽曲を出したいし…僕はそうしたい人間なんです(笑)。

これまでとまったくイメージの違う楽曲になりましたね。

そうですね。今までにないような激しく荒々しい楽曲を書きました。最初にサビの頭の《Oh No!!》って歌詞とメロディーがポン!と出てきたんですよ。なので、“あっ、これはもう“Oh No!!”でいこう!”と思って。そう決めたら、いろんなものが紐づいて、歌詞もメロディーもバーっと書けたんです。

歌詞にはメッセージ性を感じました。

歌詞は“Oh No!!”という言葉から連想しました。例えば“あぁ~!”って思ったことを叫ぶことで、何だかすっきりすることってあるじゃないですか。だから、“Oh No!!”って言うだけでストレスが発散できるんじゃないかと思って、この歌詞を書いていきました。今は我慢しなければいけないことがいっぱいあるけど、自分の“好きだ”って思う気持ちとか、我慢しなくてもいい部分もあるはずなので、そういった自分の気持ちを表に出すことをテーマに歌詞を書きましたね。

そう思われたのはコロナ禍の影響もあるんでしょうか?

今って誰もが我慢の時期だと思うんです。どこまでがOKで、何がダメなのかの境界線もあいまいだし、いろいろ我慢してストレスが溜まっている。先が見えない中で何をどうしていけばいいのか、世界中の人々がみんな不安を抱えていると思うんですよ。そういった状況の中、僕は本業の声優と音楽というアーティスト業の二本柱でやらせていただいているわけで、そんな自分が発信できることって何かと考えた時、今思っていることを楽曲としてかたちにすることがいいんじゃないかと思ったんです。

今作の歌詞なのですが、タイトルからして“Oh No!!”と頭を抱えているのに、最後はポジティブなところに着地しているのが印象的でした。

そうですね。もしエネルギーが見えるメーターがあったとしたら、マイナスのエネルギーがマックスまで溜まったんでしょうね(笑)。だから、その反動でポジティブなほうに振り切れたんだと思います。

そんな歌詞が乗るサウンドは、華やかなホーンに彩られたファンク調という。

この楽曲、最初にギターフレーズができたんですよ。フレーズ自体は結構前にできていたんですけど、その時は楽曲にまとまらなくて。でも、今回の配信シングルを作ろうという段階になった時に、すぐ方向性が定まって。ギターをファンキーなノリで作っていたので、アレンジもファンクな感じで進めていきました。バンドのレコーディングにも参加させてもらって…ドラマーの山木秀夫さんをはじめ、凄腕のプレイヤーの方ばかりだから演奏での参加はしないですけど(笑)、自分の好きなフレーズや音で録ってもらったので、トラックダウンの時も“ここの音をこうしたい”とか相談をさせてもらって、いろんなアイディアをみんなで持ち寄って作っていきましたね。だから、完全に自分が作りたいものができました。

低音のヴォーカルなど、歌い方にも新たな一面が感じられました。

歌入れは完全に自分の中でイメージを作って臨みました。バンドレコーディングが終わった音源を歌入れまでの1週間、ずっと聴き続けていたんです。“こういう歌い方のアプローチがしたい”ということを、本当にひとつひとつ丁寧に組み立てていったので、歌入れは今までの中で最速でしたね。サビ前の部分はオクターブ上で声を重ねているんですけど、自分の中にそういうイメージがあったんです。そうやって完成イメージをはっきりさせて、レコーディングを進めていきました。

あと、今作はミュージックビデオも新境地ですね。

1stシングル「Here comes The SUN」(2019年10月発表)や2ndシングル「カラフル」のMVとはガラッと変わっているので、ファンの方は驚かれるかもしれませんね(笑)。過去2作のMVはタイプの違うさわやかな感じだったけど、今回は激しく情熱的な部分が大きくて、自分の内から出てくる感情を吐き出しているというか。それって今までの僕のアーティスト像にはなかったんじゃないかと思いますね。

MVのコンセプトはどのように決まったんですか?

監督がこの楽曲を聴いた時に“ネオンっぽいイメージが浮かんだ”“仲村さんの明暗の二面性を出したい”ということをおっしゃっていて、そこから構想が固まっていきました。映像の中に性格がまったく違う僕がふたり出てくるんですけど、ふたりが一緒に出ているシーンは、もうひとりの自分がそこにいることを想像して演じているので、それが面白かったです。

デビュー2年目に突入しましたが、今後、音楽活動でやってみたいことはどんなことですか?

もともと“1年ぐらい経ったらライヴしたい”という想いがあったのですが、こういう状況になって、お客さんを迎えてのライヴは叶わず、デビュー1周年記念イベントは無観客配信になったんですね。ライヴは僕も大事にしたいと思っているので、世の中に光が見えてきた時に、ちゃんとみんなの顔を観ながらやりたいですね。あと、アルバムを作りたいです! アルバムを作るのがひとつの夢だったので。音楽をやりたいと思って東京に上京してきた時もアルバムを作りたいという漠然とした想いがあったし。この外出自粛期間中にいくつか楽曲が生まれましたしね。デビューして2年目に突入し、ようやくそれが現実味を帯びてきたというか…とにかく、今はすごくワクワクしています。

取材:齊藤 恵

配信シングル「Oh No!!」2020年11月18日配信開始 Lantis
    • ※配信先の詳細は、オフィシャルHPをチェック
仲村宗悟 プロフィール

ナカムラシュウゴ:1988年7月28日生まれの沖縄県出身。中学生の頃にギターにのめり込み、音楽の楽しさを知る。高校卒業後、音楽の道を志し東京に上京。その後、友人の舞台を観劇したことがきっかけで 声優を目指すようになり、ゲーム『アイドルマスター SideM』の天道輝役に大抜擢される。その後も「TSUKIPRO THE ANIMATION」久我壱星役を担当するなど活躍中。19年3月に第13回声優アワード新人男優賞を受賞。同年10月にはシングル「Here comes The SUN」でアーティストデビューを果たした。仲村宗悟 オフィシャルHP

「Oh No!!」MV

OKMusic編集部

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