仲村宗悟

仲村宗悟

【仲村宗悟 インタビュー】
シングルに入れる3曲
全てのテーマを恋にした

新しいシングルは
テイストの違う3曲を並べたかった

では、ここまでの話を踏まえて、2ndシングル「カラフル」について話しましょう。新しいシングルを作るにあたって、テーマや構想などはありましたか?

スタッフといろんな話をする中で、“色がテーマの曲にしよう”となったんです。曲を作る時はいつも最後にタイトルを決めるし、最後まで決まらなくてタイトル未定のまま置いてある曲が結構あるのですが、今回は“カラフル”というタイトルが最初に頭に浮かんで、そこからイメージを膨らませていきました。“カラフル”というタイトルで春先に出る作品だったら、みなさんの背中を押すという意味でも恋をテーマにしたものがいいなと思って、シングルに入れる3曲全てのテーマを恋にすることにしたんです。あと、“カラフル”という言葉に合わせてテイストの違う曲を並べたくて、表題曲は真っすぐでさわやかな恋を表現して、2曲目は毒だらけの曲にして、3曲目は染みるものにしようと決めました。そういう構想のもとに制作に入って、表題ということを意識して書いたのが「カラフル」です。ライヴで盛り上がるアッパーでさわやかなものをイメージして曲を作って、歌詞はすごくストレートな恋心を描いています。

イメージ通りの曲に仕上がっていますし、キャッチーなメロディーも魅力的です。「カラフル」はギターを弾きながら作られたんでしょうか?

そうです。ギターを弾いていたらイントロのコード進行が浮かんできて、そこからAメロ、Bメロ、サビと順番に作っていきました。めちゃくちゃアナログ人間なので、パソコンもつい最近ようやく買ったくらいなんですよ(笑)。だから、DTMでデモを作ったりすることができなくて、ギターを弾きながら鼻歌を歌ったものを録って、それをスタッフに聴いてもらっています。スタッフは大変だと思いますけど(笑)。メロディーに関しては、とにかく何パターンも作りますね。「カラフル」もいろんなメロディーを考えて、その中から厳選しました。あと、楽曲に自分らしさを出したいというのがあって、あまりにもストレートすぎるのは自分的には面白くないんですよ。なので、Bメロでハネたリズムに変わるアレンジにしたんです。

Bメロのリズムチェンジもご自身の発想だったんですね。すごくいいフックになっていて、アレンジャーさんのアイディアかと思っていました。

僕が考えました。ああいうことをやりたかったんです。聴いてくれる人の耳を飽きさせないというか。Aメロがわりとスーッと通っていくから、Bメロも同じだと聴き流されてしまう気がしたので、リズムを変えることにしたんです。音楽プロデューサーに聴かせたら“Bメロはスクエアなリズムのままのほうが良くないかな”という意見も出たけど、“僕はこれでやりたいんです”と言ったら、受け入れてくれました。

自分で作る楽曲に明確なイメージを持たれていることが分かります。さらに、4つ打ちに変わるアッパーかつさわやかなサビも魅力的ですね。

この曲は汗臭くしたくなかったんです。だから、オケ録りの時も立ち会わせてもらって、“汗の感じが一切ないようにお願いします”という話をさせてもらいました。あと、僕は歌詞も結構こだわりたいんですよ。それこそ母音まで気を遣いたい。「カラフル」はサビの最初が《君が好きだよ》という言葉になっているのですが、それは絶対に“お”という母音で声を伸ばしたかったからなんです。“おーっ”という声は開けた感じになるから。“うーっ”じゃないし、“いーっ”でもないし…という。で、Aメロはちょっと韻を踏んで、聴いてくれる人の耳が楽しくなれるようにして、Bメロは言葉じゃなくてメロディーで魅せてみようかなとか。そういうところまで意識して、キャッチーさを出すようにしました。

やりますね。メロディーに対する言葉の乗せ方も絶妙ですし。

ありがとうございます。歌詞というのは特殊ですよね。書きたいことがあって、それが小説的に上手く書けたとしても、そのままメロディーに乗せればオーケーかと言うと、そうとは限らない。メロディーと言葉が相まって心地良く聴こえないと、せっかくいいことを歌っていても意味がないし、音にはまっていないと悪い意味で耳を惹いてしまう気がして好きじゃないんですよ。だからって、言いたいことを崩してしまうと、その曲の芯がなくなってしまう。その芯は崩さないまま言葉を変えて楽曲にフィットさせるのですが、上手くいかないことが多々あって。でも、妥協しないで、納得のいくものになるまで、試行錯誤するようにしています。楽曲というのは全ての要素がきれいに合わさることでいいものになると思っているので。

さすがです。では、歌録りはいかがでしたか?

“仲村宗悟チーム”というかたちで制作やいろいろな作業を進めているんですけど、お互いの意思の疎通や共有がものすごくスムーズにできるチームなんですよ。だから、本当にありがたくて、「カラフル」の歌録りはすごく早かったです。

さわやかかつ男っぽい歌も、本当に魅力的です。

ストレートなラブソングだけど、確かに歌はなよなよしていないですね。「カラフル」の主人公はやるべきことが分かっているので、そういう力強さみたいなものは歌でも表現したつもりです。

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

新着