「大塚愛の生き方が笑える」鈴木詩子
連載5

ため息が全部お金になったらいいのに…

鈴木詩子の「私が出会ったウンザリ女」

第6回「大塚愛の生き方が笑える」

 突然ですがレディーガガって、男ウケとか気にしてなさそうですよね。
 あとフォーリンラブのバービーとか、岡本夏生なんかも男ウケなんてなんぼのもんじゃい! みたいな清々しさがあって、見ていてとても気持ちがいいです。
 叶姉妹も、男ウケはもちろん気にしているだろうけど、なんか突き詰め過ぎて…別次元の生き物みたいで興味深いし、流行に踊らされず人の意見に惑わされてない感じが素敵だと思います。
 だからと言って、男ウケ全開な田中みな実みたいな分かりやすいぶりっこキャラも嫌いではありません。「私はこんなに可愛いんだから、それを武器にしてのし上がって何が悪い?」みたいなガッツを感じるからです。

 実は、私が今まででいちばん「この女の…男ウケ狙いのやり口えげつないな…」って思ったのは…

大塚愛なんです。

 ちょっと古い話なのですが…当時、彼女のセカンドアルバム『LOVE JAM』のジャケットを初めて見た時の衝撃を今でも忘れられません。
 ドーンと大塚愛がアップで舌を出してて、舌の上と顔のあちらこちらにいちごジャムが飛び散った風に塗ってあるのですが…それが、どう見ても顔射を想像させるし、でもそんな事言ったら「はぁ!? それは、あなたさまが汚らわしい心をお持ちだからじゃないんですか?」なんて空気になりそうで言えない…踏み絵のようなジャケットなんですよ!
 デビューシングル『桃ノ花ビラ』、セカンドシングル『さくらんぼ』ってタイトルセンス…絶対エロを匂わせてますよね。極めつけは…21枚目のシングル『I♥xxx』って!!
 別にエロで売ってるからムカついている訳じゃないんですよ。グラビアアイドルとか大好きですし…潔くて。ただ、大塚愛の「私はそんなつもり無いんだけど…なんか…ね?キャッ☆」みたいな空気感が本当に苦手だったんです。

 でも、実際に大塚愛は人気があったし…周りに大塚愛を可愛いって言ってる男が沢山いました。
 私にとっては「え~!」って思うような、あざとさを…多くの人が受け入れ、愛している様を見て…より孤独感を深めたりしていましたよ。ほんとウンザリです。

 そんなある日…大塚愛が結婚しました。そうです! RIP SLYMEのSUとです。
 正直、笑いが止まりませんでした。だって、私はラップとかやってるチャラついたならず者気取りみたいな男が嫌いだからです。なんともお似合いのふたりじゃないですか! これがもし…私が好きな爆笑問題の太田さんとかだったら、のたうち回って悔しがっていたと思います。
「はぁ…よかった~SUで!」と、当時の私はほっと胸を撫で下ろしたのでした。

【鈴木詩子:プロフィール】
すずきしいこ…漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなアイドルは嗣永桃子。著書に『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)

チヤホヤされたい女子高生・桃子は、いつだって残念な感じだった。でも、そんなのもうイヤ! 立ち上がった桃子の熱い想いは、クラスのみんなに届くのか!?
オススメコミック:『女ヒエラルキー底辺少女』[コミック](青林工藝舎)/著:鈴木詩子
 

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