Mitchie M

Mitchie M

【Mitchie M インタビュー】
ボカロという多彩な
表現が可能な分野なので、
さまざまなジャンルに
チャレンジしていきたい

“初音ミク(以下:ミク)を人間のように歌わせるボカロP”ことMitchie M。彼の作り出すミクの歌う楽曲たちは、これまでにあまり世になかった種ばかり。それはニューアルバム『バーチャル・ポップスター』も然りだ。まるで生の歌い手に楽曲提供するがごとく古今東西さまざまな音楽性の上、およそボカロの範疇を超えた発想力と柔軟なその調声力は今作でも耳を奪う楽曲ばかりだ。

自分の作品に関しては
リアルなものを目指している

今回はラップやスキャットまで飛び出し、そのミクの進化具合に驚愕しました。まずはどうしてボカロPになろうと?

もともとゲーム関係の音楽制作をしていたんです。そんな中、ミクを使って何かやったら面白いんじゃないかと思って、2011年に興味本位で「FREELY TOMORROW」をニコニコ動画に投稿したら大ヒットして。それを機に“次も作るか!”と。で、どんどん作っていくうちに逆に今度はボカロの面白さに取り憑かれてしまいました。そこからですね、自分をPとして自覚し始めたのは。

他のボカロPがわりとロックや聴かせる曲が中心の中、さまざまな音楽性に挑戦されており、その音楽性の造詣の深さにも毎度驚かされています。

僕自身いろいろな音楽を聴いいるので、その辺りが反映されているだと思います。“この音楽をミクに歌わせたらどんな感じになるんだろう”的な興味がパッと沸いてくるんですよね。

今作もXL RECORDINGS的テクノや80'sユーロビート、タブステ、ジャズファンク、ブロークンビーツ、ラグタイム、はたまたON-U的なタブレゲエがあったりと。中でもハネた音楽性が耳を惹きます。

ソウルミュージックが大好きなんですよ。とはいえ、もともとは映画が大好きで。中学2年の時にリバイバルで観た『ブルース・ブラザーズ』に感銘を受けて。実は最初に買ったCDもこの映画のサントラでした。なのでブラックミュージックが自分の根底にあるとは自負しています。

中学でソウルミュージックを!?  さぞかし学生時代は音楽で話が合う友達がいなかったのでは?

いなかったですね~(笑)。

個人的にはミクの魅力とそれらブラックミュージックの魅力とは正反対な印象があります。ソウルは人間臭くて汗臭い“生!”って感じの音楽性に対し、ミクは逆に無機質さが魅力のように思うので。

一般的にはそうでしょうね。自分の場合は、それこそ趣味を出していったらそうなっちゃった感じで。好きなものを突き詰めていたら、たまたまみなさんとは違ったアプローチばかりになったと。あとは、他のPさんとの差別化ですね。音声合成の面白さを突き詰めていくと、やはりリアルに向かっていくと思うんです。現時点での可能性の限界も含め、自分の作品に関してはリアルなものを目指しています。

その調声力もすごいです。まるで人間が歌っているようで。あえてボカロの魅力であるマシナリーな感じではなく、人間味をもたらせている辺りが興味深いです。

初期の曲ですごく細かい調声をやって、それが話題になったので、そこからクオリティーを下げられなくなったのが正直なところです(笑)。次へ次へと挑戦していったら、調声のクオリティーも上がっていきました。特にソウルフルな歌い方にはこだわっていて。一般的にはミクの歌声は柔らかいところが印象的だったりすると思うんですが、ボカロの弱点って、強弱が付けられないところにあって。そんな中、どのようにエフェクター等で補って、強弱やハネる部分を生み出していくか、そこはいろいろと試行錯誤しています。

結構ミク一途でやられてますが、それに対する何かこだわりでも?

ミクってP毎に違った声を作れるじゃないですか。声を自分の音にするというか。“このミクの声だったらこのPさんが作っているんだろう”という感じで。その作り手がうかがえる要素って非常に大事だと思うので、パッと聴いて“このミクの声はMitchie Mに違いない”と思ってもらえることは狙っています。あと、まだまだ無限の可能性がありますからね、ミクには。

Mitchie Mさんと他のボカロPとの相違点って、他の方々が自身の音楽性をミクを通し表しているのに対して、Mitche Mさんの場合はミクという擬人にまずはキャラをきちんと設定し、その彼女へ楽曲提供をしているような丁寧さを感じます。

が故に、どうしても可愛い曲ばかりになっちゃってますが(笑)。ミクの可愛さを引き立てることは結構意識してます。想定して作っているとの指摘はまさにそうで…もちろんタイアップ曲の場合などはリクエストがあったりもしますが、ことオリジナルに関してはそのような意識は高いです。今回も新曲たちはまさにそうでした。
Mitchie M
アルバム『バーチャル・ポップスター』【初回限定盤(DVD付)】
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OKMusic編集部

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