ジャニーズ初、サマソニ出演決定のT
OKIO ロックバンドとしての「実力」
は?

 ジャニーズのグループが夏のロックフェスに出演するのは初めて。産経スポーツによると、ボーカルの長瀬智也は「自分たちのバカらしさ、楽しさを忘れずにメチャクチャにやってやりたい」と、ベースの山口達也は「他のバンドと同じステージに立てるのは楽しみ。刺激がある」と、それぞれ意欲を明かしている。

 アークティックモンキーズやメガデス、ピクシーズといった海外の大物バンドも多数出演する今回のサマー・ソニック。TOKIOのバンドとしての側面に注目が集まりそうだが、実際のところその実力はいかほどなのだろうか。ポップミュージックへの造詣が深いライターの冬将軍氏は、次のように語る。

「TOKIOはバンドとしてのキャリアが長く、アイドルが流行りで楽器を持った、というようなレベルはとっくに越えていると思います。ドラムの松岡昌宏さんは安定感のあるドラムとして定評がありますし、特にボーカル・ギターの長瀬智也さんは、『ギター・マガジン』で機材を紹介されたことがあるほど、通好みなギタリストとして知られています。フェンダー、ギブソン、グレッチなどのヴィンテージギターを始め、高級ブランドであるPRSの年間に数本しか作られない“プライベートストック”と呼ばれる最上級モデルであったり、本当にギターが好きな人が選ぶような逸品を多数所有していて、マニアも唸らせるレベル。エリック・クラプトン本人のギターを手がけているフェンダーのマスタービルダー(最高峰の職人)に、個人オーダーしたという逸話もあるほどです。しかもそれらの楽器を観賞用ではなくライブなどでちゃんと使用しています。プレイ面でも、ギターを低く構えたりすることなく、思いっきりストラップを短くして弾いたりしているのが逆に“渋い”ですよね。テレビでその演奏を観るたび、『よく歌いながらこんなリフ弾けるな』と関心したものです。コブクロ小渕健太郎さんはヴィンテージギターショップを通じて長瀬さんと知り合い『こんなに上手いのか』と、その腕前を認めていました」

 また、楽曲面でも面白いところがあると、同氏は続ける。

「TOKIOは2006年から大物アーティストとのコラボレーションにも力を入れていて、同年には中島みゆきが『宙船』を、2007年には甲斐よしひろが『ひかりのまち』と『ラン・フリー(スワン・ダンスを君と)』を、長渕剛が『青春 SEISYuN』を、それぞれ提供しました。ロックバンドに軸足を置きながらも、日本の歌謡曲的なアプローチにも意欲的に挑戦していて、それが彼らの演奏にある種の“熱さ”や“男臭さ”を付与していました。歌に重きをおいて、聴かせるところはしっかりと聴かせるスタイルは『ジャニーズだから』という色眼鏡抜きに、ひとつのバンドとして評価するに値するのではないでしょうか」

 TOKIOにとっても大きな挑戦となる今回の試み。大物バンドが多数出演する中、彼らのプレイは果たしてどう受け止められるのだろうか。(松下博夫)

リアルサウンド

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着