音楽の迫力とリアルなキャラクターた
ちがすごい! 『ワンピース音宴〜イ
ーストブルー編〜』稽古場レポート
人気アニメ『ONE PIECE』の世界を、ブラス/マーチングバンドによる音楽とパフォーマンスで体現する『ワンピース音宴~イーストブルー編~』が2018年8月12日から東京国際フォーラム・ホールCで開幕する。公演初日まで2週間を切った7月下旬、山形県南陽市で行なわれているリハーサルの映像がSPICE編集部に届いた。どんな公演になるのか、白熱のリハーサルの様子をお伝えする。
幕が上がると、そこには「ゴーイングメリー号」に見立てた舞台セットが組み立てられていた。『ONE PIECE』にそこまで詳しくなくても、恐らく一度は耳にしたことがあるであろう、『ウィーアー!』がオープニング曲だ。アップテンポで誰もが耳馴染みのある曲なので、その世界観にすぐさま引き寄せられるはずだ。
まず、驚いたことは、ルフィも、サンジも、ゾロも、ナミも、ウソップも、みんながみんな、キャラクターそのものが生きているかのように見えること。生身の人間がやっているから、もちろん生きてはいるのだけれど、単に「キャラクターの扮装をする」のとは別次元の、完璧な出来栄えなのだ。
『ワンピース音宴〜イーストブルー編〜』リハーサルの様子
『ワンピース音宴〜イーストブルー編〜』リハーサルの様子
演出家の金谷かほりが、SPICEのインタビューで、出演者の選考について、「能力、容姿、あとは一目惚れできない役者はダメだと思うので、一目惚れができる役者を選んだつもりでいます。人柄や考えが出てしまうから、キャラクターに近い人をお願いしている感じですね」と語っていたが、まさにその言葉通りだった。
ネタバレを避けるため、あまり詳しくは書かないが、シャンクスやアーロン、バギーなどのキャラクターも登場する。『ONE PIECE』を読んだり見たりしたことのある人ならば、すぐに該当場面を思い出すことができるだろう。一方で、あまり『ONE PIECE』に詳しくない人でも、生演奏されるブラス/マーチングバンドの音楽はやはり迫力があるし、キャストと客席が一体となれる仕掛けが用意されているので、きっと楽しめると思う。
『ワンピース音宴〜イーストブルー編〜』リハーサルの様子
ゾロとミホークの戦いの場面では、ぶつかり合う刀の音や、ミホークがマントを翻す音を、録音のSE(効果音)ではなく、敢えて楽器で奏でている様子を見せている。サンジが料理をする場面では、包丁の音を楽器で表現したり、はたまた実際に打楽器としてフライパンを叩いたり。石川直ら日米の演奏のプロたちが、音楽の可能性を追い求めて、挑戦を重ねている舞台なのだなと実感した。
「ブラスコンサート」と表現するのも違うし、「演劇作品」と言うのも違う。まさに、全く新しい形のエンターテインメントと言っていい『ワンピース音宴』。リハーサル映像では1幕のみだったが、2幕は
東方神起の『Share The World』や
Mr.Childrenの『fanfare』などが演奏されることが予告されている。早くその全貌を劇場で体感したい。
『ワンピース音宴〜イーストブルー編〜』リハーサルの様子
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田中公平インタビュー
文=五月女菜穂