米津玄師の勢いがまだまだ止まらない。「Lemon」が、なんと16週連続1位という大記録を打ち立てたのだ。16週というと約4ヶ月間。真冬の2月からトップを維持している事実に改めて驚く。
本作がヒットしている理由のひとつとして、TwitterをはじめとしたSNSでの拡散が挙げられるのではないだろうか。Twitterで“米津玄師”と検索すると、「Lemon」の歌詞の一部を抜き出してツイートしているユーザーとともに、歌ってみた動画をアップしている若い世代のユーザーが多いことにも気付く。ひとりひとりが「Lemon」を自由に解釈しイラストなどを添えてアップしている動画は、どれも実に真摯であり、また爽やかでもある。本作にて悲しみの中にある少しの希望をレモンが担っているのと同じく、若者たちの瑞々しい歌声が楽曲全体に軽やかさをもたらし、「Lemon」の世界観としっかりリンク。ただ悲しいだけではない絶妙なバランスが歌ってみた動画にも息づいており、本作ととても好相性であると感じる。
また2位には「LOSER」がランクイン。1位が「Lemon」、2位が「LOSER」というこの状況もまた3週連続キープしており、米津が生み出す楽曲全体への支持が多いことが窺える。ほか、5位に「灰色と青(+
菅田将暉)」もランクインし、盤石の強さを見せつける結果となった。
3位には
宇多田ヒカルの「初恋」が初登場ランクイン。本作はドラマ『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』(TBS系)のイメージソングであり、“花男”シリーズでのコラボは2007年の『花より男子2(リターンズ)』のイメーゾソング「Flavor Of Life –Ballad Version-」以来2度目だ。初めて恋をした<私>が何かとても強い気持ちに突き動かされ、<欲しいものが 手の届くとこに見える 追わずにいられるわけがない>と、正しい/正しくないの判断よりも先に行動する。I love
youでもI like youでもなくて、<I need you>と繰り返されるのは、そんな強い気持ちが切実さとなって表れているからではないだろうか。初恋というパワーを手に入れた<私>の真っ直ぐな気持ちに、思わず打ちのめされてしまう。
また6位「愛を伝えたいだとか」、9位「貴方解剖純愛歌 〜死ね〜」と、
あいみょんが変わらずトップ10内をキープ。どちらも等身大の飾らない言葉で綴られ、共感度も高い2作となっている。
その他、iKON「LOVE SCENARIO」が8位、
TWICE「Wake Me Up」が10位と、K-POPアイドル勢もしっかりランクインする結果となった。