カルト歌謡カルタ【け】なぎら健壱「
健康な奴キライ!!」

いつまでも人々の心の片隅に残り続ける珍曲や迷曲たち。売れることを考えて作られたとは思えない破天荒な作品に、その時代の心の豊かさと歌謡界の度量の大きさを感じる。いまこそ、その真髄を継承すべく、魔法のカルタで拡散！

1985年発表
歌：なぎら健壱
作詞・作曲・編曲：なぎら健壱

なぎら健壱と言えば、ゆるい空気感でいい加減なことを言う、胡散臭ささが親しみやすいキャラクター。カメラ、自転車、ガラクタ収集と多趣味を生かしたタレント業をはじめ、職業も俳優、漫談家、エッセイストと多才だが、本業は“フォーク・シンガーソングライター”である。1969年～1971年まで計3回開催された、全日本フォークジャンボリー、通称＜中津川フォークジャンボリー＞の第2・3回開催にアマチュア枠で参加。日本初の野外フェスティバルで、五つの赤い風船、高田渡、吉田拓郎などフォーク界を代表する歌手が参加している。なぎら健壱は彼等同様、日本におけるフォークの創生期を知る人物であり、フォーク界の超大御所なのである。

「健康な奴キライ!!」は、1985年発売のなぎら健壱9枚目のアルバム『青春ラリアート』収録曲。このアルバムは、1984年12月なぎら健壱のコンサート＜青春ラリアート・マジだぜ正気だぜ＞を収録したライブ盤になっている。とにかく健康そうな事柄を並べて、それをやっている奴キライ、ぐうたら過ごして「♪お天道様に顔向けできぬ奴が大好き」というコミック・フォークソングである。

デビュー40周年と還暦を記念して2012年に発売されたアルバム『夜風に乾杯』では、ベースのカントリーフォークの楽曲に、なぎら健壱の著書に多数ある“下町”・“居酒屋”のイメージが、漫画家・東陽片岡によりCDジャケットに描かれている。「義務として課さないと出来ない。続けているおかげで、訓練出来ている、サビないでいられる」ーーなぎら健壱は、毎月最終土曜日に吉祥寺MANDA-LA2でライブを続けている。

解説・イラスト：はらめがね