高田渡

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    高田渡タカダワタル

    69年、スプリット盤『高田渡/五つの赤い風船』(A面が高田)でレコード・デビュー。牧歌的なコーラスが気持ちいいプロテスト・ソング「自衛隊に入ろう」は当時、物議を醸した(字面通りとらえた人も数知れず、だ)。同年、実質的なデビュー・アルバム『汽車が田舎を通るそのとき』を発表。ボソボソと呟くようなヴォーカル・スタイル、田舎の原風景をモチーフにした温かくも切ない詞世界などで、岡林信康と並び日本フォーク界の代表格となる。71年には、メジャー第1弾作品『ごあいさつ』をリリース。早川義夫プロデュースによるこの作品は、高田節ともいえるペーソス感漂うナンバー群のほか、アメリカン・トラッド・フォークソングを独自に解釈した味わい深いカヴァーが何曲か収録されている。その後も『系図』、『武蔵野たんぽぽ団の伝説』といった名作品たちを生み落としていくことに。また、部類の酒飲みとしても知られ、ライヴ中に酔っぱらって半分眠りながら歌う(本当に寝てしまうこともある)独自のパフォーマンスも評判となった。その姿は05年の映画『タカダワタル的』で観ることができる。……しかし、05年4月に公演先の北海道で倒れそのまま帰らぬ人となった。映画が公開され、若者にも彼の存在が知られ始めた矢先の出来事だった。——享年56。あまりにも早い死である。

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