子どもの気持ち、尊重できてる?上手
な距離を取ってのびのび育てる3つの
コツ

子育ては、子どもが成長するにつれ、「子どもと自分とは違う人格や考えを持った、別の人間」という“離別感”を持つことが大切になります。しかし、実際には離別感とは真逆の“一体感”を持って子育てを続けているママは少なくありません。一体感を持った子育てが及ぼす影響とは?

母親は、子どもが成長するにつれて、“離別感”を持つことが大切になってきます。
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離別感とは、「相手(子ども)と自分は違う人格や考えを持つ、別の人間」という感覚のことです。
しかし、実際は、離別感とは真逆の“一体感”を持ち続けたまま子育てをしている母親は少なくありません。離別感を持った子育ては、子どもがのびのび育ちますが、一体感を持った子育ては、子どもにいろんな弊害が出ることになります。
離別感と一体感、あなたはどちらを持って子どもと接しているでしょうか?
一体感が子どもに及ぼす影響と、一体感を持つ親の特徴・離別感を持つ親の特徴をお伝えします。
“一体感”が子どもに及ぼす影響とは?「相手と自分は違う人格や考えを持つ、別の人間」という離別感に対し、一体感とは、「相手は自分と同じ感覚・感情を持っていて当たり前だ」「相手は自分の思う通りに動いてくれて当たり前だ」と考えてしまう感覚のことをいいます。
本来は、乳幼児や幼少期の小さな子どもが母親に対して持つ感覚で、これを心理学では“母子一体感”と言います。
たとえば、5歳になる私の息子は、私が小説を読んでいたら、「これを読んで!」と、私の小説を取り上げて、自分の好きな絵本を押し付けてきます。そして、「声に出して読んで!」と言います。言う通りにしなければすごく怒ります。「ママは自分と同じ絵本を読んで楽しむべき」と思っているんですね。
これは、母子一体感からくる行動のひとつです。
母子一体感は、この時期の子どもが持つ分にはまったく問題のない健全な甘え(依存)なのですが、“一体感”をいい大人が持てば、少しやっかいです。
たとえば上司と部下の関係の場合、上司の一体感が強いと、部下が自分の望み通りの仕事をやってくれない場合、上司は怒り出します。
カップルの場合、女性の一体感が強いと、男性が自分と同じように愛を注いでくれない場合、「愛がない人」「冷たい人」と非難し出します。
母親が子どもに一体感を強く持ってしまった場合は、「あなたのために」という言葉で、親子の愛情という鎖で、子どもを自分の思い通りにコントロールしようとします。
いつまでも一体感を持って育てられた子どもは、常に母親の顔色を見て行動するようになり、生きるのに窮屈さを感じるようになります。自分の考えや決断に自信が持てず、自立心が育たなくなります。
母子は、もともとへその緒でつながっていて、文字通りひとつでした。一体感が生まれるのは当然と言えば当然なのですが、それを持ち続けたままの子育ては、他ならぬ子どもを苦しめることになるのです。
一体感、離別感、それぞれの子育ての違いって?
一体感を持つ親の特徴3つ一体感を持つ母親の特徴は、以下の通りです。
1. 親が決めたことをやらせる
一体感を持つ母親は、自分の人生と子どもの人生を非常に近い距離感で、重ねて考えています。なので、自分が正しい、良いと思うことを、子どもにやらせます。自分がやりたかったことや成し遂げられなかったことを子どもに託すこともあります。
そして、子どもが自分の決断に従わないと、激怒し非難します。
2.子どもの問題を解決しようとする
一体感を持つ母親にとって、子どもの問題は、イコール自分の問題です。子どもの問題に自分事のように頭を悩ませ、自ら解決しようと行動し出します。
問題を解決するため、また、子どもから問題を事前に回避させるため、子どもの交友関係や、子どもの行動に細かく口を出します。
3.他人に依存しやすく、自分の人生を楽しむことを忘れている
一体感を持つ母親は、子どもの出す成果や結果が自分の喜びで、自己犠牲の精神が強く、自分自身の人生を楽しむことを忘れています。
また、普段から他人に依存しやすく、たとえば独身時代なら恋人中心に物事を考える傾向が強いです。
離別感を持つ親の特徴3つ離別感を持って子どもに接するということは、子どもをひとりの人間として認める、尊重するということの表れです。
離別感を持った子育ては、子どもの自己肯定感を高め、自立心を促します。子どもがのびのびと生きられるようになります。
では、離別感を持つ子育てとは、どのような子育てなのでしょう?離別感を持つ母親の特徴をお伝えします。
1.子どもの決断を尊重する
離別感を持つ母親は、子どもにアイデアや方法を明示することはあっても、基本的には子どもの決断を尊重します。親が決めたことを子どもにやらせたり、押し付けたり、親の言うことを聞かないからと激怒することはありません。
2.子どもの問題を自分の問題と混同しない
離別感を持つ母親は、「子どもの問題は、子どもが解決するべき課題」として捉えます。そして、子どもはきっとその課題を解決できるはずと信じて、見守ります。
精神的サポートや手助けをすることはあっても、子どもの問題に対して自分事のように考えたり、自ら解決のために身を乗り出すことはありません。
3.自分の人生を楽しんでいる
離別感を持つ母親は、自分で自分の人生を楽しませることを忘れません。
子育ても楽しんでおり、子どもと関わるときの姿勢は、「自分が関わりたいから、関わった」が基準で、「あなたのために~」という自己犠牲の精神はありません。
まとめ「あなたのために、どれだけのことをしてあげたと思ってるの」
「親の望む通りに生きない子どもは、不幸になるのよ」
このようなことを子どものころから親に言われ続け、苦しんできた大人を、私は何人も知っています。
離別感を持つということは、別の言い方をすれば「相手は自分のために生まれてきたのではない」という考えを持つことだと思います。そしてまた、「自分も誰かのために生まれてきたのではない」のです。
もし、一体感を持った子育ての傾向が強いと自分で感じたなら、少しずつでいいので手放して、離別感を持った子育てにシフトしていきましょう。

ウレぴあ総研

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