【辻 詩音】
取材:石田博嗣
目標はスタジアムツアー!
「Candy kicks」をデビュー曲に選んだ理由というのは?
自分が表れていると思うんですよ。曲調は明るくてキャッチーなんですけど、それとは正反対に歌詞は不安定で複雑な気持ちを書いているんですね。そこが自分自身に似てるなって。明るくしているんだけど、心の中ではいろいろ考えていたり、傷付いてたりしてるんで。この曲は17歳の時に作ったんですけど、その時はどれが本当の自分なのか分からなかった…笑っている自分も本当だし、ひとりで悩んでいる自分も本当だし、どれなんだろうって思ってたんですね。でも、大切なものはどんな自分であっても変わらないんだなって思って、この曲を作ったんです。
迷いながらも前に進もうとしている力強さを感じました。
歌詞で悩んでいる自分を書いたとしても、最後には希望が欲しいと思ってるんです。逆に明るい曲を書いたとしても、どこかに毒が欲しい…明るくなる前には、暗い時期があると思うんで、100%明るいだけの曲というのは、聴いていてもリアリティを感じないので。
アコギが前面に出ているのですが、そこはアレンジャーと相談して?
私はアコギの音がすごい好きだし、曲を作ってた時の寂しい感じのアコギの音を出したいと思ってて、そこはアレンジャーさんとかに言いましたね。あと、あんまり考えすぎたり、作り込みすぎた感じにはしないで、素直なまま…みんな音楽が好きで集まってると思うので、その気持ちを忘れないで作ってほしいって.
2曲目「17」も17歳の時の自分?
18歳になっちゃう前に…17歳の1年間って、なぜだか自分の中で特別なものだったような気がしたので、その気持ちを忘れないように、全部ぶつけようと思って書きました。もがいているんですけど、『Candy kicks』みたいに内に秘めるんじゃなくて、そのままバーンとぶつけちゃえって。17歳というのは、結構イライラしてて…やりたくてもできないことがたくさんあったんですよ。周りの大人は“17歳なんだから、これから何でもできるよ”って言うんですけど、私は自由すぎて動けない…どうしたら良いか分からなかったんですよ。歌詞の中の“なんでもあるってことはなんもないってことと同じ”っていう言葉は、そういう意味で書いたんです。そんな気持ちでいっぱいでしたね。
3曲目の「Take me home」は孤独感が出てますよね。
今回の3曲の中では一番新しくて、18歳になってから作った曲ですね。“音楽をやっていくぞ!”と決めて、高校も辞めて、毎日のようにスタジオに通って個人練習をしてたんですけど、“私、大丈夫なのかな?”って不安に思うことがあって、その気持ちを曲にしました。
そういう気持ちであっても、“いつか こんな夜も 笑える日がくるの”と前向きですよね。
この曲は寂しいって言いながらも、そこが一番言いたかったところというか…寂しいけど、いつか笑える日が来ると思って頑張ってたし、今も落ち込んだ時はそう思うので、そこが哀しみの中の希望だと思います。
デビューしてやってみたいと思ってることは?
アルバムを出したいですし、いろんな人に聴いてもらいたいってのもあるんですけど、まずはスタジアムツアーです。で、さらにワールドツアーがやりたいです(笑)。私の音楽を素直にやっていけば、“辻 詩音”というジャンルができると信じているので、大丈夫だと思ってます。
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