【城南海】
取材:石田博嗣
世界の島唄をグインでつなぐ
いいアルバムになりましたね。城南海でないと作れないアルバムになってますよ。
ありがとうございます。“世界の島唄をグインでつなぐ”というテーマがあったので、ブラジルやジャマイカ、アイルランドの島唄から、日本の童謡調の曲もグインで歌うってことにチャレンジしたので、いろんなリズムがあったし、声の出し方に苦労したものもあったし…1年前からレコーディングしていたので、いろんなチャレンジが詰まってますね。
1曲目から民族音楽ようなブラジリアンテイストの強い「太陽とかくれんぼ」で意表を突かれました。
CIBO MATOのHatori Mihoさんに作っていただいたんですけど、お会いした時に奄美で皆既日食が見られることとかいろんな話をしたので、『天の岩戸』の神話をモチーフに曲を作ってくださったんです。曲をもらった時は“やっぱりすごい!”って思いましたね。こんなに民族音楽の要素が詰まった曲は歌ったことがなかったんで、“どうなるんだろう?”って思ったんですけど、それだけ歌うのが楽しみだったし、結果、このアルバムを一番象徴する曲になりました。
いろんな作家さんがそれぞれの角度から南海さんをイメージして曲を作ってくれてますよね。
そうですね。1曲1曲にいろんな要素があるし、それぞれに個性があるから、曲をいただくたびに“うわっ、これは面白いな。よし、歌うぞ!”っていう気持ちになってました。
「紅」はアイルランド民謡なのですが、この曲では作詞に挑戦されているという。
上京してすぐにCeltic Womanさんのコンサートを観に行ったんですけど、彼女はアイルランドの方じゃないですか。音楽の響きとか雰囲気とかが奄美の島唄に似ていると思ったんですね。そこからワールドミュージックが好きになったんですけど、この曲を聴いた時に“書いたことないけど、歌詞を書いてみようかな?”って思ったんです。で、もともとはメジャー調だったのをマイナー調にして、そこから自分の中でイメージした物語をメロディーに乗せて書きました。ライヴでは歌ってますけど、歌詞を書いた時はレコーディングするとは全然考えてなかったし…しかも武部聡志さんにピアノを弾いてもらって、CDになるってのはすごいなって(笑)。この曲、ワンテイクレコーディングだったんですよ。武部さんはびっくりするぐらい全テイク完璧でしたね。でも、“何度でも付き合うからね”って言ってくださって、もちろん緊張もあったんですけど、すごく気持ち良く歌えました。
このアルバムを引っ提げたツアーも決定しましたね。
生で歌を聴いてほしいので、ライヴをすごく大切にしているから、最高のパフォーマンスができるように頑張りたいです!
さらに、最近ではLGYankeesやRYUKYUDISKOとのコラボが話題になってますが。
ヒップホップもテクノも歌ったことのないジャンルだったので、“どんなふうになるんだろう?”ってドキドキしてて…奄美と沖縄のミックスってなかなかないと思うんですけど、聴いたことのないようなすごいカッコ良い曲に仕上がったんで、ほんとにいい経験でしたね。これも“世界の島唄をグインでつなぐ”っていう感覚と似ていて、ヒップホップやテクノのリズムに私のカラーを取り入れて歌うっていうチャレンジだったし、一緒にPVにも出させてもらったので、すごい楽しかったです。
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