【I Don't Like Mondays.】よりシン
プルに、グルービーに
シングルとしては約10カ月振りのリリースとなる2ndシングル「Sorry」。配信で先行リリースされた「Girlfriend」とのカップリングで、ウインターラブソングの決定版に! キャッチーさの中に実験も多分に織り込まれた意欲作だ。
取材:竹内美保
新しいフェーズに入ったことを感じさせるニューシングルですが、どのようなビジョンで制作に臨んだのでしょうか?
悠
新しいテイストを入れて、今までの自分たちを壊しつつ伸ばしていく、みたいなことを2曲とも心がけました。ただ、「Girlfriend」に関しては音楽的にやりたいことを詰め込んだので、“これ、キャッチーと思ってくれるのかな?”と少し心配はあったんです。でも、出してみたら予想以上に反応が良くて。
キャッチーさにポップ感を重ねている人は、ちょっとびっくりしたかもしれないですね。アーバンな大人の香りがするし。
兆志
“クールに熱く”みたいな感じですね。ギターは新しい試みをしていて、成長と言うほどではないんですけど、今までと違う側面を見せられたかなって。あと、フレーズは2本のギターで成立するように構築しました。ライヴで悠が歌いながら弾くことを考えて、1本はシンプルにして自分のパートのほうで変化を付けていくイメージでやりましたね。
悠
この曲、歌がすごく難しいんです。1曲の中に自分ができるようになった歌い方を詰め込みすぎた(笑)。ワンフレーズの中にファルセットと地声とミックスが一緒に入っていて…しかも、リズムがかなり重要なので、リズムも意識しないといけないという。
悠さんの歌声のいいところが全部入ってますからね。
謙二
ベースに関しては、自分の手癖とは違うところに音符を入れたというか。ライヴの波の中で違うグルーブになるような曲が欲しいと思ったので、秋気と一緒に普段入れないようなところにも音符を入れていきましたね。2曲ともよりシンプルに、グルービーに、無駄な音をどんどん減らして、ひとつひとつの音を突き詰めていくことを意識したんですけど、特に「Girlfriend」はそれができたと思います。
“隙間にも音を感じる”みたいな感覚がありました。シンプルだけど奥行きが感じられるというか。
謙二
わりと立体的に作ったかなと思います。シンセの入れ方も平面ではなく、立体的に鳴るようにしましたし。
秋気
ドラムとベースに関しては、音楽的に相当難しいことをやってますね。今までは“踊れる”ことを一番の軸にして作ってきたんですけど、それを踏まえつつ音楽的に面白いことをやろうっていうことで、結構音符を変なところに置いたりして。でも、音楽的な要素を入れつつも踊りやすさをキープする、うまいバランスを見つけられた気がします。
こういう音の構築をするんだ!?というのは発見でした。
秋気
僕らも発見でしたね。この曲は16分音符のグルーブやフィーリングを曲の中で途絶えないようにしつつ、音は少なく、効果的な場所にだけ音符を置いていくということをもとに考えていったんです。“ここにこれがあれば、あれを補えるからこっちはいらない”みたいな考えでやっていった結果、あんな変なところに音符が(笑)。
数学的に考えているけど、答は数式で導かれるものとはまったく違う、みたいな。
悠
「Sorry」は今までの自分たちのレールの上に乗った延長で、「Girlfriend」はちょっと奇をてらったというか、新しい。
でも、「Sorry」はこれまで以上に洗練されていますよね。
悠
今までの曲の中で一番都会的な感じはあるかもしれないですね。
ベースのスラップの効かせ方がカッコ良いです。
謙二
スラップはもっと遊ぼうかと思ったんですけど、歌の邪魔になっちゃうかなと思って。「Girlfriend」よりさらに音数少なく、シンプルにしました。あと、2サビと3サビ後の大サビでは、シンセベースとユニゾンをやってます。
ドラムの録り音、ちょっと不思議な感じがしたのですが。
秋気
打ち込みなんです、全部。打ち込みでこういう曲をやってみたくて。僕らはバンドのかたちにこだわってないし、ライヴハウスとクラブのどちらの良さも知ってるので、そこの壁を壊していきたいと思ってるんです。シングルとして出す曲は自分がドラムを叩いていないといけないって、どこか自分の中でこだわってる部分があるんじゃないかと思っていたので、そういったものを壊していきたいというのもありましたね。音楽としてカッコ良かったらそれでいい…アンチテーゼじゃないですけど、ドラマーとして疑問を投げかけたかったのかなとも思います。
打ち込みの上であれだけ気持ちの良いギターが鳴っているというのもいいですよね。面白い!
兆志
この曲、プリプロ段階で♪ナナナ〜で歌っていた時は、僕にはどうしてもカーディガンズの曲にしか聴こえなくて(爆笑)。1小節にふたつ進行している、ちょっと速いコード進行なんで、カーディガンズっぽく聴こえてしまうんです。で、“ヤバい! これじゃ今までのI Don't Like Mondays.的じゃない”と思って、レコーディング前日ぐらいに“ディスコミュージックみたいに妖しいフレーズだけどキャッチー”みたいなイメージで仕上げたんです。
歌詞はかなり切ない心情を描いてますね。
悠
これまでラブソングでは結構甘いことを言ってたんですけど、全然違うアプローチでいきたいなと思って。先行配信でリリースした「Girlfriend」で甘いことを言っておきながら、「Sorry」ではちょっと予想を裏切るみたいな。
フェードアウトで終わっていくから、切なさを引きずっていくような…
悠
トラックだけ聴くとハッピーな歌詞を乗せたくなるような曲なんですけど、そのままハッピーなことを歌うと今までの俺らっぽいし。なので、真逆なことを歌う違和感が面白いんじゃないかなと思ってトライしました。
結果、「Sorry」も新機軸を打ち出しているというか。
・・・
「Sorry」2016年02月17日発売日本コロムビア
- 【初回盤(DVD付)】
- COZA-1136〜7 1944円
I Don't Like Mondays. プロフィール
アイ・ドント・ライク・マンデイズ:2012年、表参道で結成。通称“IDLMs.”(アイドラ)。14年にミニアルバム『PLAY』でデビュー。とことんポップでキャッチーなメロディーをベースに、ロック、EDM・ファンク・ディスコミュージック、80’sをミックスさせたIDLMs.の音楽を生み出し、「Super Special」は桑田佳祐の『2015年 邦楽ベストシングル20』に選ばれるなど、そのセンスと実力の評価は高い。19年8月に約3年振り4枚目のフルアルバム『FUTURE』をリリース。I Don't Like Mondays. オフィシャルHP