吉田山田の新作を心の栄養に!ハード
なツアーを終えてさらに深みの増した
彼らの歌詞に注目!【インタビュー】

ツアーを終え、新たなラジオ番組も始まった吉田山田


──先日の「Over The Rainbowツアー」東京ファイナルはUtaTenでもレポートさせていただきましたが、スーツにサングラス姿で登場されたのは驚きでした!今回どうしてスーツを着られたんですか?

[8周年を迎える吉田山田、アッパーチューンを集めた全力でハッピーなツアーファイナル!【ライブレポート】]

吉田:あれは『街』のミュージックビデオを撮影しながらスタッフとスタイリストさんと打ち合わせをする中で、僕らが今まであまりしてこなかった“コンセプトのある衣装”にしたいということでみんなの意見が一致してあぁなりました。ちょっといつもと違う自分になれるというのをあの日に体感しました。

山田:ちょっとスピンオフ的な。


──登場された時ざわつきましたもんね!

吉田:うん、最初ちょっとクスクスされましたもんね(笑)。


──セットリストもアップテンポの曲がほとんどでしたが、やっぱりあれだけ駆け回るといつも以上に疲れたり?

吉田:疲れましたね(笑)。あの日両親が見に来ていたんですけど、真っ先に母親から来たのが「疲れたでしょ?」っていう連絡でした。ライブの最中に疲れは感じなかったんですけど、MCも少なかったし喉が持つかちょっと心配だったんです。でもこの前の47都道府県ツアーで培った根性というか、歌力でカバーできたので、むしろもっといってよかったかなって思ったくらい。


──47都道府県ツアーも相当大変だったんじゃないかと思います。

吉田:そうですね、でも今思うと丁度よかったなっていう感じです。あそこまで根詰めてライブをやりながら反省して、次の日にすぐ活かしてっていうのをコンスタントにできたことってデビューしてから今までなかったので、体力的にも精神的にもちょっとキツい時もありましたけど、それが良い具合でした。


──急成長できたような感覚?

山田:なのかもしれないですね。僕の場合、飛んだり跳ねたり走り回ったりしているので息切れしまくってたんですけど(笑)、自分の思い描くもっと大きいステージでやるっていうことを考えたら、ここで息切れしているようじゃダメだなって、鍛えようって思いました(笑)。


──そのライブでも告知があった、4月から始まったラジオ番組ですけど、吉田さんの感触としてはいかがですか?

吉田:僕は中学校の頃からTBSラジオの伊集院光さんの番組をずっと聴き続けてきたので、僕にとってラジオは偉大なものなんです。もっと言うと伊集院さんの番組と同じ曜日なので不思議な感覚です。今まで月曜の深夜1時から毎週聞いていた番組の3時間半前に僕らのおしゃべりが流れるって夢みたいじゃないですか。


──夢に近づいている実感は?



吉田:必死でずっと進んできているからなかなか感じることではないんですよね。
1個ステージが上がったら上がったで次のステージがより鮮明に見えるから、自分たちの足りないところばっかりが気になって、充実感とか、振り返って感慨深くなることとかあんまりないんですよ。でもラジオで憧れの人の近くで番組を持てたっていうのはすごく報われた感もありますし、スポンサーの山田うどんさんは番組内で特にCMも入れずに僕たちの魅力を電波を通して広げたいっていう想いでいてくださっているのを肌で感じるので、足りないなりにも7年間突っ走ってきてこれたことへの一つのご褒美としてすごく嬉しいです。


──山田さんとしてはいかがですか?

山田:PodcastやTBSラジオクラウドの配信だけの時はディレクターさんの家みたいなスタジオでリラックスした状態でやっていたのが、今はスーツの大人が聞きにくるような感じなので“おっと…(汗)”って感じです(笑)。まだ緊張するんですけど、周りに人がいても緊張せず雑談ができたらいいなっていう目標がありますね、知らない人が聞いてたらカッコつけちゃう自分がまだいるので、周りの人も巻き込んで楽しくできるようにしたいです。


──カッコつけちゃうんですか!

山田:はい、今はカッコつけ期ですね!

吉田:これ山田あるあるなんですけど、僕はそれだけ真面目なんだなって思うし、真剣に取り組もうとしている証拠だと思います。僕よりラジオを通ってきていないので明確にどんなラジオにしたいかっていうのが僕に比べるとないと思うんです。だから一生懸命にやっているのが正解な気もしますね。


『街』のイメージは山田の見る怖い夢だった


──この曲を書き始めたきっかけっていうのは何かあったんですか?

山田:この物語は僕がちっちゃい頃から何回も見る夢なんですよ。それを楽曲っていう形に残しました。去年、『吉田山田展presents 山田義孝展』という個展を開かせてもらった時に絵という形でも残している夢なんです。


──ではこの曲は映像から得たインスピレーションで作られた曲なんですね。

山田:そうですね。もうとにかく恐ろしい夢なんです。高層ビルが立ち並ぶ中でいろんな人が必死で逃げ惑って、空を見上げると分厚い雲が割れていくんですけど、そこから凄まじいデカさの何かが落ちてくるんです。怪獣だったり丸い物体だったり毎回落ちてくるものは違うんですけど、大切な人もいなくなってしまうし。



──そんな怖い夢がこの曲に。

山田:曲を作り始める時はメッセージ性はあまり考えていなくて、とにかくこの夢を形に残そうって思ってましたね。でも、その夢が覚めて起きた時、カーテンを開けるとのほほんとした日常が広がっていて“夢でよかった”って思うから、この曲を聴いたみんなとこの気持ちを共有できたらというか、自分の大切な物や希望を見つけるきっかけになったらいいなって思います。

吉田:山田はこうやって映像から入ることって多い気がしますね。それをどれだけ克明に描けるかっていうことをしていくんですけど、目で見た物以外に聴いていた音とか声とか、気温とか、匂いとか、山田の気持ちを改めて紐解いていくのが僕のこの曲を作る上での立ち位置で。、そうすることによって音楽として聴いている側は立体的なものとして捉えられるようになるんだと思います。


──タイトルは「怪獣」でも「夢」でもよかったと思うんですけど、『街』にテーマを持って行かれた理由は?

山田:一番はしっくりくるっていう感覚なんですけど、『町』でなく『街』という漢字を選んだのも、雑踏の中の生活が見える気がするからなんです。


──この曲で歌われている“街”って、吉田さんとしては何を投影した言葉なんでしょう?

吉田:この曲に僕が一番最初に感じたのは儚さなんですよ。、単純な考えですけど、街も人も当たり前にあるけど、例えば怪獣のような大きなものの前に晒された時にすごく儚いものなんだよって言われてる気がして。だから、それを大切にしようという人、逃げる人も戦う人もいて、それぞれがいろんなことを感じながら、もがいて生きていく人物像が見えて、それを投影しているんです。

──制作過程で印象に残っていることは?

吉田:今年の頭から吉田山田の制作チームに新しい方が入ってこられたんですけど、その方にデビュー前からの100曲以上あるデモを全部聞いてもらったんですよ。その中で次に吉田山田に歌ってもらいたい曲として挙がったのがこの『街』でした。僕らからするとこういうエッジの効いた曲ってアルバムの中の1曲として出すことが多かったんですけど、こうやってスポットが当たってA面としてリリースしようっていう意見は新鮮でした。


──確かにそうですね。

吉田:不安もあったんですよ、『日々』を聴いてきた人がビックリしないかな..とか。でも制作を進めていくうちにそれが確信に変わっていって、こういう吉田山田の側面もいいなっていう気持ちになりましたね。


──MVの撮影エピソードも聞かせてください。

山田:すごい早朝から夜までかけて撮影したので、ちょっと眠そうな顔してる…(笑)。「山ちゃんもうちょっと目開けて」って言われながら撮ったのを覚えてます。

吉田:、”どういうミュージックビデオにしますか?”っていうミーティングから参加させてもらったんですよ。全く違う6~7パターンの中から選ぶところから始まったので自分たちのイメージに近いものになりました。

山田:僕らが街を壊す怪獣を倒すみたいな案もありましたね(笑)。




──詳しくお話を伺いたいフレーズがありまして、2Aの「もしかして人じゃない人?」っていう歌詞なんですけど、ここはどう言ったイメージなんですか?

山田:極限に疑心暗鬼になった人の思考で書きました。”みんな人の形してるけど人なの?!人ってなんなの!?”って人間っていうものがちょっと気持ちの悪いものに見えているというか。説明するの難しいですね..

吉田:まさにこの2Aの部分は2人で作ったんですけど、これは僕が思うには、自分がこうだって思っているものでも”本当にそうなの?”って問題定義しているイメージなんです。


──なるほど。この曲には自分が大切なものを失いかけた時あなたはどうする?っていうことを問われている気もするんですが、お二人は最近何か選択を迫られたことってありました?

吉田:意外だと思う人もいると思うし、2人組あるあるでもあると思うんですけど、47都道府県ツアーで本当に毎日顔合わせていたのにかれこれ2年くらい2人きりで話してなくて。それで去年の12月の仕事納めに、久々に飯行かないかって山田を誘ったんですよ。それがここ半年くらいで1番の決断でしたね。


──行かれたんですか?

吉田:行きました。

山田:デニーズに。

吉田:そこでちゃんと去年一年間で積み重ねてきたことを踏まえて2人の意思を1つにできて、2017年はこういう年に、もっと言えば2018年、2019年はこういう年にしようっていうことをパンケーキを食べながら話しました。
それがあったのと無かったのでは2017年全然違ってると思いますね。


──誘った時の山田さんの反応っていうのは?

吉田:思春期の息子みたいな「、」も「。」もないすごくそっけない返事が返ってきました(笑)

山田:ちょっと警戒してるんですよ(笑)!


──そんな山田さんの最近選択を迫られた出来事は?

山田:次の日から3日間仕事が休みになった時に、海外へ行こうと思って。中国にするか、韓国にするか、台湾にするか、っていう悩みですね…。

吉田:もっとなんかあったんじゃないの!?

山田:どうするべきかギリギリまですっごい悩んだんですけど、美味しいもの食べたいって考えたらやっぱ台湾かなぁと思って。ビビアン・スーさんに会えるんじゃないかってちょっとだけ思ったり..。すいません、それくらいですね、僕の選択は。


──どうでした?台湾は。

山田:1人旅だったんで、絶妙に日本語の通じないところで2日目までは楽しく過ごしてたんですけど、達成感を感じた3日目からすごく寂しくなって。帰りたいのに帰れない1人ぼっちの時間って、そこまでの孤独は日本では感じることがないっていうか。


──曲を作れそうですね!

山田:作ろうと思います(笑)。


47都道府県ツアーを経て大幅に内容が変わった『RAIN』


──両A面と言っていいほどこちらも素敵な曲ですが、『RAIN』を『街』のカップリングとして選ばれたのは?

山田:この曲はCMソングとしてリリースよりも全然前にできていたもので、形に残したかったっていうのが一番ですね。


──結構曲のストックもあるんじゃないですか?

吉田:そうですね、たくさんある中でも47都道府県ツアーを回った心情っていうのを形として残しておきたいっていうのが大きなテーマとしてありましたね。8年目の決意も込めてこの歌詞になりました。

山田:この曲は元々恋愛の曲だったんですけど、47都道府県ツアーが明けてから出せてよかったなと思いますね。47都道府県ツアーへ行く前に、いつもツアーのサポートをしてもらうバンドの人に、”47都道府県ずっと一緒に周ってたらギスギスするときもあるだろうし喧嘩もあるだろうけど相手の好きなところをちゃんと見つけてね”っていうことを言われて。今考えてもその言葉って大事だったなって、人生の中でも言えることだと思うし。


──デモの段階で付けていた歌詞を変えられたんですね。

山田:ほぼほぼ変えましたね。ツアーを周っていく中で、ずっとこんな感じで歌い続けて達成感のある毎日を送りたいなって思った気持ちを書きました。

吉田:僕はこの歌詞の「あるだけの幸せ数えよう」っていう一節がすごく気に入っていて。今までの吉田山田だったら「数え切れない幸せ」とか「目に見えない幸せ」っていう表現をしていたと思うんですけど、今ここにない幸せを思って卑屈になるよりは、今ここにある幸せを数えようっていうメッセージを込めて書けたのは成長したなって思えます。




──山田さんもお気に入りの一節ってございますか?

山田:僕が結構気に入ってるのは「太陽があくびをしてる」っていうところですね。いつも飛行機に乗るとき思うんですけど、雨が降ってても雲の上に行くと晴れてるじゃないですか。雲の下ではいろんな人が「雨だるいなぁ」とか「家出たくないなぁ」って言ってるけど太陽はそんな姿は見えないから暇してるんだろうなぁと思って。悲劇をちょっと引いて見てみたら喜劇的に見えるっていうような感じがいいなって思います。


最後に…


──今年も吉田山田祭りが開催されるそうですが、意気込みや告知を聞かせてください。

山田:どんどん大きくしていきたいイベントですね。去年のように土砂降りになったり何があっても、そこにいい音楽があったら最高の思い出になるって思っているので、何が起きても大丈夫だとは思ってるんですけど、吉田山田祭りはいつも以上に心をオープンにして楽しんでもらいたいなって思います。

吉田:吉田山田祭りって、毎回奇跡みたいなドラマがあるんですよ。昨年は、朝は開催できないんじゃないかってくらいの豪雨だったんですけど、無事に開催できて『魔法のような』っていう曲を会場全員で一緒に歌っていたら空が晴れて。雨の具合もあって、その場の2人のアイコンタクトで曲順とか変えたのでスタッフさんもバタバタしたんですけど、結果、測ったかのようなタイミングで雨が止んだんですよね。そんな風に何か奇跡が起こるようなイベントだったので、今回もまた何か予想もしてないことが起きたらいいなって思います。


──ちょうど『RAIN』って曲もありますしね!

吉田:なんでまた雨降らそうとするんですか!

山田:上野は若干屋根あるんだよね?

吉田:天井落ちるね。

山田:事故だよただの!(笑)


──はい、では今UtaTenを見てくださっている方たちに最後に一言お願いします!

吉田:僕は、ご飯は身体の栄養だけど、言葉は心の栄養だと思ってるんです。今、TwitterとかFacebookとか様々なところで言葉が溢れているけど、軽く発せられた言葉ってやっぱり軽いんですよね、スナック菓子のような。それが食べたい時もあるし、そういう幸せもあるけど、それだけじゃなくて僕は特に音楽の中で歌詞に重きを置いています。そこに注目してほしいっていうのはすごくおこがましいことなんだけど、あえて言葉にするなら、歌詞を読んでみて、少しでも生活が豊かになったり、見える風景が変わるといいなって思います。

山田:ひとしきり曲を聴いた後で浮かんでくる言葉とか風景とか温度があると思うので、全体をホワッと聞いた上で自分の中に残ったものを形にするっていう楽しみ方もあるよ!って。僕は割とそうですね。




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